税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

送料

売上時の送料の取り扱い

仕入時の送料(引取運賃)は、仕入勘定に含めます。
売上時の送料(発送運賃)は、自己負担であれば、発送費等の費用勘定で処理し、先方負担であれば、資産処理(売掛金又は立替金)することになります。

売上時の送料(発送運賃)は、売上先の負担すべき送料を立替えている訳ですから簿記的にいえば立替金といえるでしょう。

ただし、売掛先であれば、売掛金勘定で処理する場合が多いようです(日商での出題はこれが中心です)。
その相手に他に請求すべき代金(売掛金)があるなら、請求や帳簿の関係も売掛金に含めてしまった方が便利といったところでしょうか。

仕入時の送料の取り扱い

商品の「送料」の取り扱いが案外と面倒です。
仕入時の送料(引取運賃)は、仕入勘定に含めます(仕入諸掛勘定で処理する場合もあります)。
売上時の送料(発送運賃)は、自己負担であれば、発送費等の費用勘定で処理し、先方負担であれば、資産処理(売掛金又は立替金)します。

購入代価100円の商品を購入し、引取運賃が10円というケースで、翌期に150円で販売したとしましょう。
この場合の損益計算(もうけの計算)はどのように行われるべきでしょうか。

当期 10円の損
翌期 50円の益

ではおかしいのではないか。

当期 損益なし
翌期 40円の益

こうしたい。

このような合理的な損益計算を行うためには、引取運賃を仕入に含め、未売却の場合には、資産勘定(繰越商品勘定)で翌期に繰越す必要があります。

そのための決算整理仕訳が、「(借)繰越商品×××(貸)仕  入×××」です。

なお、このような考え方は、商品だけでなく、固定資産や有価証券についてもまったく同じです(自己株式だけ営業外費用です)。
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暮木孝司

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