税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

自己株式

平成19年からの変更点(自己株式−消却)

自己株式の消却は、従来よりもシンプルになりました。
所有する自己株式は、取締役会の決議等により消却できます。
自己株式の消却が行われた場合は、その他資本剰余金から減額します(←この取扱いのみです)。

(1)自己株式の取得
(借)自己株式××× (貸)現金預金×××

(2)自己株式の消却
(借)その他資本金剰余金 ××× (貸)自己株式×××

(3)その他資本剰余金が会計期間末にマイナス(借方残)になる場合
(借)繰越利益剰余金××× (貸)その他資本剰余金×××

(2)の処理を行った結果その他資本剰余金がマイナス残(借方残)になる場合は、これを繰越利益剰余金から減額します。
この結果、繰越利益剰余金がマイナス(借方残)になっても、そのままです
で、この取扱いがあるので、その他資本剰余金は、個別に内訳(自己株式処分差益等)を示すよりも、勘定科目としても「その他資本剰余金」の方が好ましいと思います。
会社法の規定からは必ずしも明確という感じではありません。
しかし、会計基準では、「会計期間末において」その他資本剰余金をゼロにして、マイナスを繰越利益剰余金から減額することが明示されています(自己株式基準12項、45項等参照)。

自己株式の消却を行った段階でその他資本剰余金の残高が消却を行った自己株式の帳簿価額よりも少ない場合は、会計処理が微妙です。
というかできない?
普段は、自己株式処分差益等で、この場合だけ、その他資本剰余金というのも変です。
繰越利益剰余金から減らすのは、その後にその他資本剰余金が増える可能性があるので変です。
はじめから、自己株式処分差益等を使わず、単に「その他資本剰余金」にしておけば、期中はその他資本剰余金のマイナス残(借方残)になっているだけの話です。
で、期末に最終的にマイナスなら繰越利益剰余金から控除でいいです。
この方が会計処理としてもシンプルでわかりやすいと思います。

会計基準を素直に読む限り、このような会計処理を想定していると考えるのが自然でしょう。
この点、強く感じるのは、企業会計基準委員会からの会計基準等は、簿記処理も念頭に置いていてくれているらしい点です。
会社法施行以前にちょっと私的に???だった処理でシンプル、かつ、明確になったものがいくつかあります。
企業会計基準委員会の皆さん、どうもありがとうございます!!。

という訳で、「その他資本剰余金」という勘定科目が定着することを希望します(←希望なのね)。
というか「その他資本剰余金」ということでよろしくお願いいたします。
というか、私の都合もありますので(←あなたの都合なのね)。

最初の段階でその他資本剰余金に自己株式処分差益と資本金及び資本準備金減少差益がある。
でも勘定科目は、その他資本剰余金がベスト。
自己株式処分差益でも間違いじゃないけど、その他資本剰余金のがいい。
うん、これでいきましょう!!
約束だよ♪(←誰?)

これまでの年度別変更点の個別記事一覧は、こちらからどうぞ。
税理士試験 簿記論 年度別変更点

平成19年からの変更点(自己株式−処分)

自己株式の処分については、従来よりもシンプルになりました。
自己株式処分差益は、その他資本剰余金です。
自己株式処分差損は、その他資本剰余金から控除します。

会計処理そのものは、処分差益の場合も処分差損の場合も「その他資本剰余金」です。

(1)処分差益の場合
(借)現金預金    ××× (貸)自己株式    ×××
                  その他資本剰余金(自己株式処分差益)×××

(2)処分差損の場合
(借)現金預金    ××× (貸)自己株式    ×××
   その他資本剰余金(自己株式処分差損)×××

勘定科目としては、自己株式処分差益、自己株式処分差損よりも、その他資本剰余金という使い方が多くなるのではないかと予想しています。

自己株式処分差損をその他資本剰余金から控除した結果、その他資本剰余金がマイナス(借方残)になる場合には、会計期間末に繰越利益剰余金から控除します。

(借)繰越利益剰余金××× (貸)その他資本剰余金×××

繰越利益剰余金がマイナス(借方残)になってもそのままです。

自己株式の処分費用は、原則として営業外費用ですが、繰延資産(株式交付費)として計上することができます。
償却は、3年以内の定額法です。
総合問題などで繰延資産に関する指示が別途あるケースなどは、間違いやすいので注意しましょう。


これまでの年度別変更点の個別記事一覧は、こちらからどうぞ。
税理士試験 簿記論 年度別変更点

(★)平成19年 簿記論講座 2月第2回(自己株式・準備金)

【学習時間の目安】
(1)インプット(2時間)
(2)問題演習(2時間)


【要チェックポイント】
(1)自己株式は純資産のマイナス、付随費用は営業外費用
(2)自己株式の取得・処分・消却の処理をおさえよう
(3)準備金の意義・種類取扱いをおさえよう


自己株式
(1)取扱い
自己株式……純資産のマイナス
付随費用……取得・処分・消却時の付随費用は、営業外費用(支払手数料等)
処分時は、繰延資産(株式交付費)計上可

(2)会計処理
1.自己株式の取得
(借)自己株式××× (貸)現金預金    ×××
2.自己株式の処分
(借)現金預金××× (貸)自己株式    ×××
              その他資本剰余金(自己株式処分差益)×××
3.自己株式の消却
(借)その他資本剰余金××× (貸)自己株式    ×××
※処分・消却によりその他資本剰余金が会計期間末において、マイナス(借方残)になった場合は、繰越利益剰余金から控除する。


準備金
(1)資本準備金
株式払込剰余金、合併差益等
(2)利益準備金
(要積立額)
資本準備金の額と併せて資本金の4分の1に達するまで配当の10分の1
(3)取崩
1.資本準備金……その他資本剰余金(資本金及び資本準備金減少差益)
2.利益準備金……繰越利益剰余金
純資産の部の表示

【その他資本剰余金の処分による配当】
その他資本剰余金の処分による配当……売買目的→受取配当金、それ以外→簿価減額



【チェック問題】オススメ度(◎→○→△、※は参考)
応用 上級編16(◎)
応用 細目編11(◎)
応用 細目編12(◎)

(※)平成18年 簿記論講座 2月第2回(自己株式・法定準備金)

【要チェックポイント】
(1)自己株式は資本のマイナス、付随費用は営業外費用
(2)自己株式の取得・処分・償却の処理をおさえよう
(3)法定準備金の意義・種類取扱いをおさえよう


自己株式
(1)取扱い
自己株式……資本のマイナス
付随費用……取得・処分・消却時の付随費用は、営業外費用(支払手数料)

(2)会計処理
1.自己株式の取得
(借)自己株式××× (貸)現金預金    ×××
2.自己株式の処分
(借)現金預金××× (貸)自己株式    ×××
              自己株式処分差益×××
3.自己株式の消却
(借)○○○○××× (貸)自己株式    ×××
※利益消却時→自己株式消却額

法定準備金
(1)資本準備金
株式払込剰余金、合併差益等
(2)利益準備金
(要積立額)
資本準備金の額と併せて資本金の4分の1に達するまで
確定配当+役員賞与の10分の1以上、中間配当の10分の1
(3)取崩
1.資本準備金……資本金及び資本準備金減少差益(その他資本剰余金)
2.利益準備金……利益準備金取崩額(損益計算書末尾(プラス))
資本の部の表示
損益計算書の末尾

その他資本剰余金の処分
表示……利益処分の次
その他資本剰余金の処分による配当……売買目的→受取配当金、それ以外→簿価減額


【チェック問題】オススメ度(◎→○→△、※は参考)
応用 上級編16(◎)
応用 細目編11(◎)
応用 細目編12(◎)
オススメ
     
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