従来的(動態論)的には、財務諸表が何をあらわすのかに、財政状態と経営成績という言葉があてられていました。

貸借対照表が財政状態、損益計算書が経営成績をあらわすという具合です。

企業会計原則の使い方も同じです。

概念フレームワークでは、これを「投資のポジションと成果」という言葉で表現しています。


財政状態は、企業資本の運用形態(資産)とその調達源泉(負債と資本)をあらわすと説明されることも多いです。

ここでは、資産と「負債と資本」が並列的に考えられています。

負債は、資本に近いんですね。

等式であらわすとしたら、「資産=負債+資本」です。


これに対して、概念フレームワークでは、「資産−負債=純資産」と考えています。

負債は、資産の正反対です。

でもって、「資産と負債」と純資産が考えられている訳です。


同じ財務諸表でも考え方によって、それをあらわす表現もちょっと違うんですね。

使分けているという方が正確でしょうか。

びっくりです。

でも、ポジション(カタカナ)と成果(漢字)は、もっとびっくりです。

「さくらと一郎」みたいな感じでしょうか(←まるで違います)。

静態論:貸借対照表→財産状態

動態論:貸借対照表→財政状態(資本の運用形態と調達源泉)、損益計算書→経営成績

概念フレームワーク:貸借対照表→投資のポジション、損益計算書→投資の成果