消費税の経理方式には、税込経理方式と税抜経理方式があります。
税込経理方式は、消費税の金額をそのまま代金に含めてしまう方法ですので、それほど問題はないでしょう。
問題は、税抜経理方式です。

売上や仕入、経費の支払い、資産の購入あたりはよいのですが、資産の売却、買換えあたりになるとかなり雲行きが怪しくなってきます。
わかりにくさの原因は、消費税の元になる金額が仕訳からは見えにくくなることにあるのかもしれません。

簡単な例をあげましょう。

【例1】商品販売(税込110)

(借)現  金110 (貸)売   上100
              仮受消費税 10

出題のされかた(税抜100、税込110等)に注意すれば、それほど問題はないでしょう。

【例2】備品売却(簿価120 税込売価110)

(借)現   金110 (貸)備   品120
   備品売却損 20    仮受消費税 10

仮受消費税は、税込売価110円×10/110=10 で算出できます。
ただ、仕訳上の金額からこの金額がややわかりにくくなっています。
先ほどの商品販売の例では、貸方の売上100×10%=仮受消費税10という関係が成り立っています。
これがみえない分、ややわかりにくいのではないでしょうか。

備品売却損の金額は、税抜対価100−備品帳簿価額120=△20 です。
もともと備品を購入した場合には、税抜で処理されていますので、備品の帳簿価額も税抜です。
備品売却損益は、「税抜」の金額から「税抜」の金額を出しています。

総合問題での出題への対処のためにも、まずは、仕訳を確実にこなせるようにしましょう。

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