税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

固定資産

消費税の会計処理(固定資産の買換え)

消費税の会計処理でもやっかいなのが、固定資産の買換えでしょう。
買換えは、売却と購入の複合した取引ですので、ゆっくりとやれば、難しい筈はないんですが、難しいです。

【例】車両(簿価120)を税込対価110で下取りに出し、新車両200(税抜き)を購入した。
下取価格を差し引いた新車購入代金は、現金で支払っている。

(借)車  両 200 現  金 110
   仮払消費税 20 車  両 120
   車両売却損 20 仮受消費税 10

それぞれの金額の算出を考えてみましょう。

借方の車両200と仮払消費税20はよいでしょう。
ここは、消費税の関係がみえますので、わかりやすいです。

貸方の減少する車両120は、売却車両の帳簿価額です。
借方の車両売却損は、税抜対価100−売却車両の簿価(←もとが税抜)120です。

税抜の金額同士で計算するのがポイントでしょうか。

仮受消費税は、例の文章から10と算出できますが、仕訳上からは痕跡がなくなっています。

取得価額(税込)220から売却価額(税込)110を引いた金額が、貸方の現金110です。
こっちは、税込同士の計算になります。


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消費税の経理方式には、税込経理方式と税抜経理方式があります。
税込経理方式は、消費税の金額をそのまま代金に含めてしまう方法ですので、それほど問題はないでしょう。
問題は、税抜経理方式です。

売上や仕入、経費の支払い、資産の購入あたりはよいのですが、資産の売却、買換えあたりになるとかなり雲行きが怪しくなってきます。
わかりにくさの原因は、消費税の元になる金額が仕訳からは見えにくくなることにあるのかもしれません。

簡単な例をあげましょう。

【例1】商品販売(税込110)

(借)現  金110 (貸)売   上100
              仮受消費税 10

出題のされかた(税抜100、税込110等)に注意すれば、それほど問題はないでしょう。

【例2】備品売却(簿価120 税込売価110)

(借)現   金110 (貸)備   品120
   備品売却損 20    仮受消費税 10

仮受消費税は、税込売価110円×10/110=10 で算出できます。
ただ、仕訳上の金額からこの金額がややわかりにくくなっています。
先ほどの商品販売の例では、貸方の売上100×10%=仮受消費税10という関係が成り立っています。
これがみえない分、ややわかりにくいのではないでしょうか。

備品売却損の金額は、税抜対価100−備品帳簿価額120=△20 です。
もともと備品を購入した場合には、税抜で処理されていますので、備品の帳簿価額も税抜です。
備品売却損益は、「税抜」の金額から「税抜」の金額を出しています。

総合問題での出題への対処のためにも、まずは、仕訳を確実にこなせるようにしましょう。

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