税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

原価率

平成19年 簿記論講座 10月第3回(原価率・利益率)

【学習時間の目安】
(1)インプット(2時間)
(2)問題演習(2時間)


【要チェックポイント】
(1)「原価率・利益率」と「付加率」の関係
(2)原価率の算定と値引等の関係(売上・値引割戻は控除しない)
(3)他勘定振替高


原価率・利益率、付加率
(1)原価率の算出
(ア)原価率=原価/売価
(イ)利益率=利益/売価
(ウ)付加率=利益/原価
※原価率算出には、ボックス図を利用のこと

(2)返品等の取扱い
売上値引・割戻は、控除前

(3)他勘定振替高
(ア)事由
火災損失、自家消費、盗難損失、見本品

(イ)仕訳処理
(借)火災損失等×××(貸)仕  入×××

(ウ)損益計算書上の表示
売上原価
 期首商品棚卸高  200
 当期商品仕入高1,000
      計    1,200
 他勘定振替高   100
 期末商品棚卸高  300  800


【チェック問題】オススメ度(◎→○→△、※は参考)
基本 基本編31(○)
基本 細目編9(◎)

原価率の時期?

原価率が当期も前期以前も同一である場合は、いいですが、違う時には、注意が必要です。
これは特殊商品販売に限った話ではありませんが、原価率は、通常は、期中は一定という仮定が設けられる場合が多いです。

期中は一定といっても、ある期に「引渡した」商品の原価率である点に注意が必要です。

割賦販売では、回収時点、試用販売では、買取意思表示時点で売上を計上する場合があります。
この場合でも原価率を考えるのは(原価率が同じなのは)、あくまでも引渡しが、同じ期の商品です。

原価率は、原価と売上の比率ですから、それぞれの対応関係(同じ期)をきちんとはかって計算する必要があります(って、これが難しいんですが)。

特殊商品販売での原価率と付加率

よくある特殊商品販売の出題での前提です。

(1)一般販売は、原価率80%、(2)割賦販売は、一般販売の20%増し

これは、割賦販売に限りませんが、上記のような指示が比較的多いと思います。
(1)が原価率、(2)が付加率での指示になっています。

原価を80とすると、次のように整理できます。


原価80 → 一般売価100 → 割賦売価120


割賦販売の利益は、割賦売価からは、次のように計算できます。

割賦売価120×(割賦売価120−割賦原価80)÷割賦売価120=割賦利益40

特殊商品販売の出題で、原価率を算出する場合、原価率の算出は、かなり複雑になる場合があります。
原価率を出したことで安心して、一般販売の原価率を割賦販売の原価率として計算してしまう例は多いので充分注意しましょう。


【関連記事】
利益率・原価率、付加率

平成18年 簿記論講座 10月第3回(原価率・利益率、他勘定振替高)

【要チェックポイント】
(1)原価率・利益率と付加率の関係
(2)原価率の算定と値引等の関係
(3)他勘定振替高


原価率・利益率、付加率
(1)原価率の算出
(ア)原価率=原価/売価
(イ)利益率=利益/売価
(ウ)付加率=利益/原価
※原価率算出には、ボックス図を利用のこと

(2)返品等の取扱い
売上値引・割戻は、控除前

(3)他勘定振替高
(ア)事由
火災損失、自家消費、盗難損失、見本品

(イ)仕訳処理
(借)火災損失等×××(貸)仕  入×××

(ウ)損益計算書上の表示
売上原価
 期首商品棚卸高  200
 当期商品仕入高1,000
      計    1,200
 他勘定振替高   100
 期末商品棚卸高  300  800


【チェック問題】オススメ度(◎→○→△、※は参考)
基本 基本編31(○)
基本 細目編9(◎)
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