税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

勉強方法

問題の解き方(総合問題の解き方を考える:その他の出題形式等)

簿記の問題、解いてますか?

総合問題の解き方を考えています。

総合問題の解き方といっても、会計処理(仕訳)を行うのに以下のいずれに比重を置くかの違いに過ぎません。

(1)実際に仕訳を書く

(2)元帳(T字)に書く

(3)試算表に書く

(4)解答に直接書く

それぞれの方式には、それぞれ長所と短所があります。

それをよく認識して自らの得意な類型を固めつつ、問題に応じた解答方法を模索する。

そんなアプローチがよいと思います。

特に注意しなければならないのは、ある人の解法を無条件に真似ることです。

できる人の解答方法を参考にするのはいいです。

しかし、簿記の力や日本語力等、前提は人それぞれ異なります。

自分にとってよい方法がよい方法なのであって、誰にとっても絶対的によい方法などありません。

形式のみを真似るなら、真似をしない方がよい。

それが講師の解き方であってもです。

そんな風にも思います。



さてさて、総合問題の解き方でした。

これまで決算整理中心、期中処理が多い場合の対処を考えてきました。

それ以外に注意すべき出題の類型を考えておきましょう。


(1)勘定推定の多い出題
勘定推定が出題される場合には、やはり元帳型は強いです。

単純な計算のハズですが、試算表加工等は、やはり劣ります。

一部でも推定があるなと思った勘定については、おとなしく勘定を書いてやった方がいいかもしれません。

現金預金、売掛金、受取手形、買掛金、支払手形等は勘定を書く候補といってよいでしょう。

決算整理型の問題でも売掛金、受取手形(→引当金関連)、繰延税金資産・負債、法人税等調整額なども勘定を書いた方がよい場合が多いかもしれません。

もっとも難易度の高い場合には、何も集計しない方がよかったりしますが。

何を勘定に書くか。

そのこと自体に絶対はありません。

ラフに決めておくのはよいと思います。

でも最終的には、自分で判断です。

初見の問題の時にはその見極めがうまくいったかをぜひ事後に確認してみてください。



(2)本支店等
これは要は推定がらみではあります。

未達取引などは特に難易度の低い出題に関しては、完璧に処理する必要があると思います。

その点、いったん仕訳をきる等の工夫が必要でしょう。

これは実行した方がいいかもしれません。


(3)商的工業簿記
製造業では、損益項目と製造原価との割り振りが課題になります。

この場合には、部分的に集計表のようなものを作成するとよいかもしれません。

問題の資料を利用できる場合もあると思います。

この辺は慣れが必要だと思います。

ここもやはり問題の資料を利用するかどうか。

どのような集計表をつくるのかにも絶対はありません。

試行錯誤という感じでしょうか。



そうだ、問題を解こう!!(もうちょっといろいろ試してみてください)

問題の解き方(総合問題の解き方を考える:期中処理を含む出題)

簿記の問題、解いてますか?

コツコツ解きましょうね。

総合だろうが、個別だろうがバリバリです。

ええ、バリバリです。

とにかく解く。

とりあえず解く。

と、よし(←何がよしだか)。



えーっと、根性論の後は、問題の解き方です。

いま、総合問題の解き方を考えています。

総合問題の解き方といっても、会計処理(仕訳)を行うのに以下の要素のどれに比重を置くかの違いに過ぎません。

(1)実際に仕訳を書く

(2)元帳(T字)に書く

(3)試算表に書く

(4)解答欄に直接書く


このうち(4)の直接記入は、どのような方式をとろうとも共通です。

スピードを意識する場合は、不可欠でしょう。

正確性が極端におちるケースもあるかもしれません。

その点は、ひとえに「バランス」です。

早くやっても不正解では意味がありません。

実践での微調整以外にないでしょう。



決算整理型の出題では、試算表加工がとても意味を持ちます。

ここ数年出題が続いている期中処理が多い場合はどうでしょうか?

期中処理が多い場合には、一つの勘定科目の動きが多くなります。

この点を考えると元帳(T字)や仕訳に軍配があがりそうです(特に元帳)。

試算表加工をとるにせよ元帳(T字)の併用は不可欠でしょう。

また、平成16年の出題のように当初の数字が解答用紙にあるケースもあります。

平成16年の第三問の出題は、精算表でした。

実際には、第三問での精算表を多少なりとも想定していたかが大きいかもしれません。

それほど想定していない出題の場合にも焦らずに可能性を模索できるかは、普段、可能性を模索しているかにかかっていると思います。

普段、全くやっていないことを本試験で急にやってもうまくいかない可能性は高いです。

その意味でも普段からある程度の形式の変化も想定して、解き方そのものを模索する必要があるといえそうです。

特定の強い形を持っていても他の方式を模索すべきことを勧める理由でもあります。



そうだ、問題を解こう!!(試算表型の人も動きの多い科目はあきらめて元帳かなあ)

問題の解き方(決算整理型の総合問題の解き方を考える:併用の可能性)

簿記の問題、解いてますか?

決算整理型のごく一般的な解き方の類型には、仕訳中心、元帳中心、問題の試算表加工、集計表方式等があります。

これまで、仕訳、元帳、問題の試算表への加工を中心とする方法をみてきました。

それ以外にも集計表のようなものをつくる方法もあると思います。

ただ、財務諸表論とは異なり、区分がそれほど要求されません。

むしろ科目の動きが重要なことを考えると問題から数字を写すなら元帳型の方がいいような気もします。

簿記論の場合は、集計表方式はあまりオススメではありません。



さて、典型的な決算整理型の総合問題へのアプローチを考えてきました。

で、事前に考えておく必要があるのは、やはり問題の量です。

多いです。

簿記論の問題の量は年度によって違いますが、総じて、2時間で完答できる量ではありません。

まあ、何時間あっても完答できないという噂もありますが、こちらは難易度の問題でしょう。

とすると時間の短縮につながる方法は少なくとも試す価値があるでしょう。

より多くの項目を解答することができる訳ですから。


しかし、結局は正解することがもっとも重要です。

ガタガタになってしまうなら慣れない方法はとるべきではありません。


そして知っておくべきは、それぞれの方法の長所と短所です。

何も一つの方式を貫く必要はありません。

併用でいいのです。

いや、併用がよいのです。

得意な形を持ちつつも、問題に応じた併用がよいように思います。

そして、このタイプの問題がきたら必ずこの解き方というよりも、ややラフなスタンスの方がよい結果につながるように思います。

まずは、小さな30分程度の総合問題で模索してみるとよいのではないでしょうか。

初見の問題のときは、自分の一番得意な方式で、解きなおしの段階で違う方法でもといてみる。

そんな感じでよいのではないかと思います。

直前期(1〜2月前)までは、いろいろ模索してみる。

最後は大きくは動かさない。

そんな感じでよいのではないかと思います。

次回以降で、具体的な併用の仕方を考えたいと思います。



そうだ、問題を解こう!!(ちょっとずつの工夫が大事だよ♪)

問題の解き方(決算整理型の総合問題の解き方を考える:試算表型)

簿記の問題、解いてますか?

問題は総合、個別を問わず、解かないとはじまらない部分があります。

気分がのらないときは、簡単な仕訳を何問か解いてみる。

で、気がのったらやる。

そんな感じでよいのではないかと思います。

私は、受験時代、必ず最低1日1題の総合問題は解いてました(ノルマってやつですな)。

ただ、ちょっとズルをしていまして、とても簡単な総合問題(しかも一度解いたもの)を常にストックしてありました。

体調が悪い時でも簡単な問題を義務的に解く。

それが簿記の力につながったかは正直に言えば疑問です。

ただ、昔からやらないとやらない傾向(しかも1月とか平気で)がありましたので、その防止にはなったと思います。

皆さんも実践してみてはいかがでしょうか?



決算整理型のごく一般的な解き方の類型には、仕訳中心、元帳中心、問題の試算表加工、集計表方式等があります。

今回は、問題にある試算表を中心に考える試算表型をみてみましょう。


私は、受験時代から試算表加工が中心でした。

多少の推定も試算表の横の数字から結構やっていた気がします。

ですのでこの方式に関しては一番詳しいかもしれません。

で、なぜこの方式になったのかは、たぶん字を書くのがめんどうだったからです。

仕訳型、元帳型ともにある程度の文字を書くのに対して、この試算表型は数字が中心です。

つまり、書く量が少ないです。

で、混乱しなければ、これが一番早いハズです。

一番のメリットでしょう。



やり方は、一番テクニカルかもしれません。

資料から仕訳を頭できりながら、問題の試算表の数字の横に仕訳の数字を加えます。

で、最後に集計しつつ、解答用紙に答えを写します。


コツは、必ず仕訳と同じ要領で記入していくことでしょうか。

(借)買掛金10 (貸)現金10という仕訳をきる場合を考えてみましょう。

頭の中で仕訳をきりつつ、試算表の貸方・買掛金の金額の横に(−)10。

同じく試算表の借方・現金の金額の横に(−)10。

こんな要領です。

常に仕訳を意識しつつ(1行ずつなら必ず2ヶ所)、記入もれが減ると思います。

この(−)っていうのは、私はなぜか(△)でしたが、どっちでもよいでしょう。

たぶん、(−)よりも(△)の方が若干見まちがいが少ないからといった程度の理由ではないかと思います(当初の記憶がありません)。



メリットはツボにはまったときのスピードです。

シンプルな決算整理型の問題は、仕訳型や元帳型よりも劇的に早いです。

最初のハードル(ごちゃごちゃになる)がありますが、オススメです。


デメリットは、一つの科目の動きが大きいときにミスがおきやすいです。

ただ、慣れの面も大きいですので、10コ程度(個人差もあるでしょう)の動きなら、丁寧に書き込んでいけば大丈夫です。


この方式は、オススメです。

やったことがない方は、初見の問題ではなく、一度解いたことのある問題でぜひ試してみてください。

日商二級の第三問なんかの財務諸表をつくる問題なんかで試してみると時間が劇的に縮むのがわかると思います。



そうだ、問題を解こう!!(試算表加工はぜひ試してみてください)

問題の解き方(決算整理型の総合問題の解き方を考える:元帳型)

簿記の問題、解いてますか?

簿記論に限らす、簿記関連の試験において問題を解く事はとても重要です。

ガンガン解きましょうね♪

しかし、用意された問題をこれまでと同じ方式で解く。

それがベストとはいえないでしょう。

もっと効率のよい問題の解き方はないのか?

そんな視点を持つことも必要でしょう。

ただ、あまり形式的に細部まで人のマネをしてもよい結果につながるとは限りません。

ではどうすればよいのか?

そのヒントを探るべく総合問題の解き方を類型別に考えています。


決算整理型のごく一般的な解き方の類型には、仕訳中心、元帳中心、問題の試算表加工、集計表方式等があります。

今回は、元帳を中心に考える元帳型をみておきましょう。



やり形は簡単です。

まずは、計算用紙にT字をバーっと用意して、問題の残高を写します。

資料から頭の中で仕訳をきって、T字に「数字のみ」を記入していきます。

ある程度の関連付け(問題番号等を書く)をするとよいケースもあるかもしれません。

最後にそのT字を集計して解答します。

元帳型では、記入の多い科目とそうでない科目の見極め(多い科目はタテも長くする等)が必要でしょう。



計算用紙にあらかじめT字が印刷されたりしていて、出題者は、この方式を考えているのかもしれません。

いや、出題者は、仕訳→元帳を考えているのかもしれません。

でもたぶん量のことはちょっと忘れ気味かもしれません。



元帳型のデメリットは、時間がかかる点です。

勘定の動きが少ない科目に最初から勘定を用意するのは時間がやはりもったいないです。

この方式を使うにしろ、動きの少なそうな科目の解答用紙へのダイレクトの記入は不可欠でしょう。


メリットは、勘定の動きが多い科目に強い点です。

一つの勘定の動きが多いときは、なんといっても勘定形式が一番よいです。

それともう一つが推定に強い点です。

勘定上の推定は、差額で出すか、他の勘定との関係で出すかでしょう。

いずれにせよ勘定を実際に書いていれば、変に考えずに、差額で終了ということも少なくないです。

勘定形式が勘定推定に強いのはあたりまえといえますが、知っておく必要はあるかもしれません。



さて、この方式の可能性ですが、全部をムリに勘定でいくにはムダが多い気がします。

やはり部分採用という感じになるでしょうか。



そうだ、問題を解こう!!(仕訳も基本ですが、転記も基本です。やはり複雑に動くときは勘定集計はよいです)

問題の解き方(決算整理型の総合問題の解き方を考える:仕訳型)

簿記の問題、解いてますか?

今の時期にしっかりたくさん問題をときましょうね♪

その前提として総合問題の解き方を考えています。


決算整理型のごく一般的な解き方の類型には、仕訳型、元帳型、試算表加工型、集計表型等があります。

今回は、仕訳を中心とする訳型をみておきましょう。


簿記は仕訳にはじまって仕訳に終わるといわれるくらい仕訳は重要です。

その仕訳を軸にしているので、とっつきやすく、ブレにくい面があります。


やり方は簡単です。

計算用紙にかたっぱしから仕訳をきっていきます。

で、問題の試算表の数字と仕訳の数字を加減して、解答です。


具体的なやり方もみておきましょう。

科目は極限まで略します。

略し方は自分で工夫する方がいいかもしれません。

人の略称を使っても忘れたり、略称がかぶってしまったりする場合もあるからです。

とりあえず現金→C(キャッシュ)はオススメです。

英語が得意な方は英語の頭文字(2文字程度)もいいかもしれません。

売掛金→売×、買掛金→買× なんてのもいいでしょう(ウリ「カケ」、カイ「カケ」です)。

カタカナは画数が少ないので、利用価値はあるかもしれません。

○○費→○○ヒ もいいんじゃないでしょうか。

ほかにグットなものがあったらぜひ教えてください。

略称はずーっと使うので、ある程度縮める工夫は必要でしょう。

でも、割と早めに限界(もう縮まない)はくると思います。



この方法で一番クリアしにくいのが、仕訳からの集計です。

問題の資料のすぐ横に仕訳を書くのは、集計ミスをしやすいです。

集計の段階で、目移りがしやすいと思います。

で、白紙(計算用紙)に書くのがよいでしょう。

最初に用紙をタテに二つおりにして、科目と金額をそろえておきます。

それほど大きい字でかかなければ、割と大きな問題でも白紙1枚でおさまると思います。

一番多いミスは、集計もれ(集計ミス)になると思いますので、頻繁に登場する科目には集計済みのチェックマークをする等の工夫が必要でしょう。


で、この方式の可能性ですが、この方式のみで簿記論の第3問に耐え得る集計力のある方は、少ないのではないかと思います。

なにせ仕訳を全部きって、そこからダイレクトに集計です。

電卓がものすごく早くて、仕訳からの集計に支障がない人のみ採用を検討する感じでしょうか。

基本的にはオススメではありません。

しかし、これでいける人がいるのが世の中の不思議です。

これは本当に不思議です(残念ながら私にはムリです)。

えーっと私のようにあまりお若くはない方は、他の道も必ず模索してください。



そうだ、問題を解こう!!(仕訳型でいかないにせよ、仕訳の重要性が低くなることはありません)

問題の解き方(決算整理型の総合問題の解き方を考える:解き方の類型)

簿記の問題、解いてますか?

今回からちょっと具体的に総合問題の解き方を考えてみたいと思います。

一般的な決算整理型の問題を軸に考えてみましょう。

決算整理前残高試算表→決算整理後残高試算表等

このパターンの出題は実際にも多いので、ある程度の指針をもって望む方がよいでしょう。


仕訳→元帳(転記)→試算表

簿記の手順は、ワンパターンです。

このワンパターンにものすごく強くなればよいです(←簡単に言いますな)。


これに問題の資料も加えてみましょう。

(1)問題の資料 → (2)仕訳 → (3)元帳 → (4)試算表

この手順を踏めば、問題は解けます。

実際に行う処理は、仕訳、元帳(転記)、試算表です。

ただ、簿記論の問題は、量が多いです。

で、これをそのままやっていたのでは、まず終わりません。

一部を省略する以外にないでしょう。

で、その類型を考えてみます。


(仕訳型)
これは仕訳をきる方式です。

ただ、元帳への転記を省略します。

集計は、問題の試算表の数字+自分できった仕訳で行います。

メリットはブレが少ない点でしょうか。

仕訳をきることは簿記の基本です。

それを軸にしている分、大ハズレはないでしょう

デメリットは仕訳を全部書く分の時間がかかる点です。

仕訳からの集計には、かなり習熟していないと実践向きにはなりません(時間の関係です)。


(元帳型)
これは、実際にT勘定を書く方法です。

仕訳型との大きな違いは、仕訳の科目を書かない点にあります。

この点は、仕訳型と比べた場合の時間面でのメリットでしょう。

また、経験的にも推定に強いです。

デメリットは、最初にT勘定を用意しなければならない点です。

そして、問題の処理をいきなりT勘定に記入するため、単純に仕訳をきる場合よりもミスが増えやすい点でしょうか。



(試算表加工型)
問題には、通常、決算整理前残高試算表があります。

この試算表の数字を利用する方法です。

試算表の数字の横にちょこちょこと数字を書いていきます。

借方の項目に足すならそのまま、引くときは(−)等とルールを決めておくとよいでしょう。


このほかに財務諸表論の計算で用いられる集計表型があります。


大きくは、この3(4)類型ではないでしょうか。

実際にもこれらの類型の変形ないしは、併用で対処することになると思います。


次回以降で、これらの類型をくどめに考えつつ、総合問題の解き方にアプローチしたいと思います。


そうだ、問題を解こう!!(あなたはどんな風に問題を解いてますか?)

問題の解き方(総合問題が解けない?その3)

簿記の問題、解いてますか?

個別問題は解けるのに総合問題は解けない原因としては次のような点があげられるでしょう。

(1)個別問題が本当は解けていない

(2)簿記の基本的な仕組みの理解不足

(3)総合問題の解答方法(要領)がわからない

(4)演習不足


今回は、(3)の総合問題の解き方の話です。

たぶん講師にはこれが要求されている場合が多いと思います。

でも、本当は(1)や(2)に原因がある場合が多いというのが私の見立てです。


簿記は、仕訳→元帳→試算表という順をたどります。

個別問題ができる(個別的な処理ができる)。

簿記の基本的な仕組みがわかっている。

その前提で解けない総合問題は、ほとんどありません。

いわゆる構造的な総合問題(本支店、合併等)には、もちろんそれ相応の論点があります。

しかし、一般的な総合問題で、時間を考慮しなければ解けない問題は多くないハズなのです。


ここがものすごく悩ましいです。

ある特定の問題の解き方に力を入れると実は、(1)や(2)をおろそかにした状態でも、案外とその問題は解けるようになります。

でもそれを積み重ねても本当の意味での「力」につながっているのかは、外見上はまずわかりません。

ただ、本当は自分ではわかっているハズです。

次にこの問題とは違う同レベルの問題を解いたら解けるのかどうかは。


さて、ここの対策は案外と難しいです。

私自身は、直接的な(ある特定の問題用の)総合問題対策をできるだけしないというのが、実は一番よいと思っています。

個別項目の理解と簿記一巡の理解をもって、小さな総合問題→大きな総合問題を実行する中での微調整がよいと思います。

基本的には、仕訳→元帳→試算表という関係がしっかりしていれば、そのどこかを省略する。

直接解答可能な箇所は、どんどん解答する。

決算整理型の問題であれば、「仕訳→元帳」の部分を整理前試算表に直接プラスマイナスする(+×××)のもよいでしょう。

でも複数行にわたる仕訳はかかざるを得ません。

略式の元帳(T勘定)を部分的に併用するのもよいでしょう。

それはあくまでも調整の結果という感じがよいのではないかと思います。

いろいろやってみる。

でも、こういう問題がきたら必ずこうやるではありません。

それでは想定外の出題形式に極端に弱くなってしまいます。


とはいうもののある程度のパターン化までをも否定する訳ではありません。

また、完全なパターン化だろうが、テクニックだろうが模試等で点数をとることは自信につながります。

この自信がやる気を生み、それが実際の力につながる。

そんなことも事実です。

そこまで考えるとやはり難しいです。

今後、より具体的な対策も考えていきたいと思います。

ただ、(1)個別の処理と(2)簿記一巡の理解が大事というのは、変りませんが。



そうだ、問題を解こう!!(まずは時間を考えずに小さな総合問題をきちんと解ききることが重要です)

問題の解き方(総合問題が解けない?その2)

簿記の問題、解いてますか?

総合問題が解けない原因と対策を考えています。

個別問題は解けるのに総合問題は解けない原因としては次のような点があげられるでしょう。

(1)個別問題が本当は解けていない

(2)簿記の基本的な仕組みの理解不足

(3)総合問題の解答方法(要領)がわからない

(4)演習不足


今回は、(2)の簿記の基本的な仕組みの話です。

ここ数年の簿記論の出題では、会計基準等の新しい部分と簿記の基本的な部分とが実にうまく出題されていると思います。

第一問では、簿記一巡の構造を問う出題が多いです。

平成18年には、キャッシュ・フロー計算書の出題がありました。

しかし、直接法での出題でもあり、試験委員の意図は、キャッシュ・フロー計算書そのものよりもむしろ簿記一巡にあったといえるのかもしれません。

試験委員間の明確な役割分担があるかはわかりませんが、出題に明らかにこのような傾向があります。

期首の手続きを含む簿記一巡の理解がないと手がけにくい出題が学者担当の総合問題で出題される傾向にあります。

で、必要なことは、簿記一巡の理解以外にないかもしれません。

第三問では、期中取引を含んだ出題が続いています。

期首→期中→決算という簿記一巡の手続きを視野に入れた出題が続いている以上、簿記一巡の理解は欠かせません。



で、対策です。

演習量が不足している場合は別として、いくらやっても点数が伸びないというケースです。

いったん問題を離れて、簿記一巡の手続きが本当に理解できているのかをテキストや単純な仕訳レベルで確認する。

そこをちゃんとやっておかないと簿記一巡を視野に入れた出題には対処できないと思います。

簿記一巡を視野に入れた総合問題をパターン化して解けるようにする、ではダメです。

本試験の出題は、圧倒的にオリジナルです。

ここが検定試験とは明らかに異なります。

この辺は、試験委員の周期(3年と短い)との関係もあるでしょう。

基本的に簿記一巡の理解を問うオリジナリティの高い出題を試験委員が明らかに行っています。

必要なのは、簿記一巡の「ある特定の問題を解けるようにすること」ではなく、簿記一巡の理解です。

簿記検定(日商一級も)はそこを回避して合格が可能です。

税理士試験の簿記論との大きな違いと認識しておくとよいでしょう。

また、その延長にある帳簿組織は、総合問題だけをいくら解いても身につかないと思います(これは私がそうでしたが)。

簿記一巡の手続き、それぞれの段階における試算表の意味等。

簿記の基本ともいえる部分ですが、残念ながら欠落している方は多いと思います。



やさしめの本なら1日あれば読めます。

もちろんテキストの該当箇所でかまいません。

弱いと思ったら潔く3級だろうが、入門だろうが、そこまで戻れるか。

戻るつもりがあるか。

まずはそこを皆さんに私からお聞きしたいと思います(聞くだけですが)。



そうだ、問題を解こう!!(簿記一巡は大事です。そして戻る勇気も持ちましょう)

問題の解き方(総合問題が解けない?その1)

簿記の問題、解いてますか?

個別問題は解けるのに総合問題は解けない。

この声はものすごく多いです。

誰にでも通じる答えは残念ながらないと思います。

ちょっと原因別に対策を考えてみました。


原因としては次のような点があげられるでしょうか。

(1)個別問題が本当は解けていない

(2)簿記の基本的な仕組みの理解不足

(3)総合問題の解答方法(要領)がわからない

(4)演習不足



(1)の個別問題が本当は解けていないケースは少なくないと思います。

個別問題が単に数字あわせになってしまっているケースです。

特定の個別問題集(自分のやった問題)は解けるけど、同レベルの別の問題集の問題は解けない、そんな経験はないでしょうか?

このケースは、基礎知識の不足の可能性が高いです。

同分野の他の個別問題を抜き出して、いくつか解いてみると罠に陥っていないかはある程度わかるのではないかと思います。

自分の解いている問題集はバリバリに解けるけど、別の問題集はまるで解けないという場合には、ちょっと注意が必要かもしれません。

ただ、問題のレベル自体の問題や日本語の読解力(国語力)の問題もあって、一概にはいえない面もありますが。


もっともやや矛盾するようですが、問題集をあちこち解き散らかすのは感心しません。

問題はしぼって、そしてその確認をテキストレベルでしっかりと行う。

そんな接し方の方がよいようには思います。

知識が足りないのなら補う以外にないでしょう。

その場合にその問題用の解説ではない解説(要はテキスト等)を読んで問題を解ける状態にしておく。

そうすれば、ちょっと違う他の問題に対処しやすくなるハズです。

ごく一般論としても問題のみを解くタイプの方の合格に必要な問題量とじっくり取り組む方の必要な問題量はそもそも違います。

そんな違いを無視してどれだけ問題を解くべきか等を語っても意味は少ないでしょう。

そしてその違いは、基礎期の取組み方の違いに原因があるといえそうです。

しかし、実際に点数等に違いがあらわれるのは、基礎期ではありません。

実際に点数等に違いがあらわれるのは、直前期や本試験です。

それが状況を見えにくくし、対策を打ちにくくしているかもしれません。



そうだ、問題を解こう!!(総合問題が解けない方は、まず、なぜ解けないのかを考えてみてください)

個別問題をしっかり解いてみませんか?

小さな問題をしっかりと解くことは重要だと思います。
小さな問題の習熟度が低いまま大きな問題を解き出すと余りいいことはありません。
大きな問題が解けない原因が大きな問題を解く事の不足による場合ももちろんあります。
この場合にはもちろん大きな問題を解く必要があるでしょう。
普段の学習がしっかりしていれば(←これが難しい)、総合問題をバリバリ解けばよいと思います。
ただ、その場合には、一定の感触(いける!!等)も伴っている筈です。

しかし、基礎力の不足(小さな問題をしっかり解けていない等)に原因がある場合に大きな問題を解きつづけても、効果は低いでしょう。
効果は低いですが、同じ大きな問題を解くことで「その」問題は解けるようになります。
しかし、異なる問題が解けるかというと必ずしもそうとは限りません。
実際に点数の上であらわれる成果と実際の効果は必ずしも一致するとは限らないのです。

それでは、基礎力をつけるためにどうすればよいのでしょうか。
そのための方策を少し考えてみたいと思います。
方策というよりも「限定された提案」といった方がよいかもしれません。

あくまでも一つの「限定的な提案」に過ぎませんが、それは、問題を解いた後に解説をみないことです。
問題についての解説は、その問題用であることが少なくありません。
その問題用の解説ではなく、自力で、また、一般的なテキスト等での確認を行うようにこころがけるのです。

もちろん、未学習やそれに近い問題に出くわしたときに、解説をみるなということではありません。
安易に解説という他人のたどった道筋をなぞることで納得したつもりになることを防ぐためといった感じかもしれません。
あるいは、すべての問題について解説をみないというのではなく、この問題は、本来は自分でできる筈の問題だと感じた場合だけでもよいと思います。

総合問題で伸び悩みを感じている方、個別問題をしっかり解いてみませんか?

総合問題を解く事は、内容の確認になっているか?

近年の簿記論の出題は、総合問題が2題と個別問題が1題(2〜3問)という構成になっています。

その事を考えれば、当然に総合問題対策は必要でしょう。
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