税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

リスクからの解放

「リスクからの解放」終了

「リスクからの解放とは何か」は、とりあえず終了です。

また、しばらくのご猶予をいただいて、続きを書きたいと思います。

概念フレームワークをかじった方には、まわりくどいのではないかとも思っています。

ただ、概念フレームワークに予備知識のない方にとっては、概念フレームワークそのもののハードルはとても高いのではないかとも思っています。

私がそうでした(いや、今もそうですが)。

そのハードルをいくらかでも低くしたいというのが狙いでもあります(最終的には、本試験も視野に入れていますが)。

今後、企業会計基準委員会から公表される会計基準に概念フレームワーク色は濃くなるでしょう。

本ブログ記事が会計基準(特に結論の背景部分)を読みやすくするものであったとすれば幸いです。

っていうか、財表受験生の皆さん、会計基準読みましょうね。

わかりましたか?(←も、もしかして「はい!」を期待してますか?←かなり)

えっ。もちろん、会計基準を読みましょうねですってば。

やだな。

やだな。誤解して。

でも、誤解してもいい、かな(←いいのか)。

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「リスクからの解放とは何か」

唐突にはじめました「リスクからの解放とは何か」。

「利益とは何か」の続編でもあります。

また、例のごとく最後まで完成していない状態での開始になります。

予期せぬ事もないとはいえませんが、最後までお付き合いの程、よろしくお願いいたします。

年内完結をめざしていたのですが、微妙です。

こちらもどうか一つよろしくお願い申し上げます。

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リスクからの解放メモ(金融商品)

リスクからの解放は、利益(収益)の認識に関する新しい考え方です。

これまでの収益の認識は、実現主義でした。

売れた時点で収益をたてる訳です。

歴史的には、実現→実現可能(リスクからの解放)と実現概念は、拡張しています。

これらの考え方(実現、実現可能、リスクからの解放)の区別の実益があるのは、有価証券等の金融商品等についてです。

そもそも市場のある有価証券については、換金性という意味では、貨幣に近い性格があります。

そして、それは、別に今、急にそうなったという訳でもありません。

昔からそうだった訳です。

株式市場は、昔からあります。

なんで、急にやれ時価評価だの、評価益を計上するという話になったのでしょうか。

その大きな原因は、端的には、金融商品が増えたとことにあります。

もう少しきちんといえば、経済の中で、金融商品の占めるウェイトが増えたというのが大きな原因です。

たこ焼をはじめとする実体のある経済は、極端に膨張するということはありません。

というのも私が(みんながでしょ)食べる量がある程度、限られているからです。

これに対して、いわば信用の上に成り立つ金融商品は、上限を知らない的なところがあります。

特にデリバティブといったよくわからない金融商品の開発は、金融商品の経済に与える影響を大きくしたのでしょう。

このウェイトが小さい段階では、それほど大きな問題は生じませんでした。

しかし、その比重が高まるにつれて問題も生じてきたのです。

金融商品を原価のままで放置していたため、実際に多額の含み損を抱えた企業が倒産という事例が相次ぎました。

つまりは、これまで会計学的に放置されてきた有価証券等の金融商品を含んだところできちんとした理論をつくる必要が生じたのです。

つづく。


ジリジリとポイントを下げております。お手すきの方のご声援(1クリック)の程、よろしくお願い申し上げます。

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リスクからの解放メモ(税理士試験 財務諸表論 平成18年度 第2問)

概念フレームワークをはじめとする新しい考え方が、公認会計士試験や税理士試験でもじわじわと出題されています。

いま、話題としているリスクからの解放について、これまでに直接的な出題はありません(たぶん)。

ただ、平成18年度 第2問の税理士試験の財務諸表論の出題では、かなりかすった出題がなされています。

これまでも税理士試験では、特に有価証券をめぐる評価ないしは収益の認識については頻出です。

実際の出題については、こちらをご覧下さい。

実現とは何か(9)


財務諸表論の理論は、2題でそれぞれがある程度のテーマ(横断的ではありますが)をもっている事を考えるといかに出題頻度が高いかがわかるでしょう。

そしてついに昨年度の出題では実現概念との関連が俎上にあがりました(配点的には小さそうですが)。

「金融商品に係る会計基準(以下「基準」という。)においては、売買目的有価証券について時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理することとされている。基準で示されたこうした会計処理の根拠を、下線部(ア)で要求された会計処理と関連させながら述べなさい。」

上記出題における下線部(ア)は、企業会計原則の損益計算書原則一Aのただし書で「未実現収益は原則として、当期の損益計算に計上してはならない。」という部分です。

損益計算書原則一Aでは、本文で発生主義を規定しており、ただし書以降が、いわば伝統的な実現主義です。

で、売買目的有価証券の時価評価、評価差額を損益とする取扱いを実現主義との関連で説明しろという出題です。

実際の出題が直ちにリスクからの解放を意図したものなのかについては、私もよくわかりません(むしろ複数の回答を想定しているようにも思えます)。

しかし、伝統的な実現概念(引渡+貨幣性資産の受領)で、有価証券の評価益(損)を説明できないことは明らかでしょう。

伝統的な実現概念を超えた出題が既に実際の税理士試験の出題でなされている点は注目すべきだと思います。

そしてこの問題を出題された試験委員の方が、本年も出題をなさるとすると、横断的な出題の一部に新しい考え方を盛り込むということは、極めて自然に想定されるでしょう。

概念フレームワーク、そしてリスクからの解放について、なんか急にはじめた一つの理由でもあります。


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リスクからの解放メモ(リスクからの解放)

リスクからの解放は、利益(収益)の認識に関する新しい考え方です。

収益(利益)の認識の考え方は、実現→実現可能と拡大しています。

ややこしいのは、概念フレームワークでとっている「リスクからの解放」=「実現可能」ではない点です。

関係性としては、実現 < リスクからの解放 < 実現可能 です。

とてもわかりやすいのが、その他有価証券の取扱いです。

実現………………………原価評価
リスクからの解放………時価評価・差額は純資産(←現状の取扱いです)
実現可能…………………時価評価・差額は利益

結果としての取扱いはわかりやすいのですが、問題は、やはりリスクからの解放の考え方そのものでしょう。

概念フレームワークでは、「投資に対して不可逆的な成果が得られた状態」をさすものとして使用されています。

不可逆的というのは、戻ることができないといった意味でしょうが、私にとって全くなじみはありません。

概念フレームワークを読んでいて感じるのは、このようななじみのない用語が多いなあという点です。

リスクからの解放で軽く引いた感じになって、「不可逆」で、戻れなくなります。

戻れないというのが投資の成果ではなく、意識です。

ふーっ。

ため息ばかりついていてもしょうがないので、先を進めようとするのですが、言葉がつなぎにくいです。

概念フレームワーク自体が、特定の取引を想定して、その具体的な会計処理を規定している訳ではありません。

いわば、その前提となる考え方を書いてある訳で、具体的な会計基準よりもどうしても抽象的になってしまいます。

で、耳慣れない言葉も多いとなるとどうしても近寄りがたい感じがしてしまいます。

しかし、です。

税理士試験でいえば、財務諸表論で概念フレームワークをやらざるを得ない日は来ます。

それが来年であるかどうかは見方がわかれるかもしれませんが、来ます。

で、私は、来年度の財務諸表論で何らかの形で絡んだ出題があってもおかしくないと思っています。

で、おそらく選択肢は2つです。

ある程度ちゃんとやるか、いい加減にやる(ほとんどやらない)か です。

というのも抽象度が高い分、直前の暗記的な対策はききにくいと思うからです。

で、しっかりやる道を選ぶべきだというのが、私の考えです。

ここはたぶん判断の分岐点でしょう。

少なくともこのブログをご覧の財務諸表論受験生の皆様には、やるという選択をして欲しいです。

仮に実際の講座でやっていなかったとしてもです。

そして実際の試験で概念フレームワークが直に出題されても、されなくても、合格答案が書ける。

そんな予備知識をこのブログでご提供できればと思っています。

そう、それが、この「税理士試験 財務諸表論 講師日記」の使命です(←ついにタイトルまで変りましたか)。


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リスクからの解放メモ(実現から実現可能へ)

概念フレームワークにおける利益(収益)の認識の考え方、リスクからの解放についてお届けしています。

伝統的な実現概念は、歴史的にみるとだんだんと広がっていきました。

最初は、具体的な取引を実現と考えていました。

商品を(具体的な)誰かに売ったら実現です。

タコ焼屋でいえば、タコ焼をお客に渡した時点で売上です(なぜタコ焼屋?)。

これはわかりやすいです。

タコ焼が現金になった時点が売上計上のタイミングです。

会計学的にいえば、タコ焼という費用性資産が現金という貨幣性資産に転化した段階が売上計上のタイミングという感じでしょうか。

要は、売ったら実現です。

企業会計原則にもそんな事が書いてあります(←いい加減な。財務諸表論を学習している方は損益計算書原則三B参照)。

それが、売る事が可能な状態ならいいじゃんという方向に拡大しています。

もっとも、一般的な「商品」にこの考え方が適用される訳ではありません。

タコ焼屋の売上をタコ焼をつくった段階で計上するなら、タコ焼屋の業績は、いかにタコ焼を早く焼けるかの勝負になってしまいます。

そうするとおいしいタコ焼を真心をこめて丁寧につくっているタコ焼屋さんは、廃業です。

そうすると私は冷えたタコ焼しか食べられません。

これではあんまりです(←って、話ズレてないか?)。

まあ、レンジでチンすればいいか(キレもないのね)。

残念。

つづく。

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リスクからの解放メモ(実現との違い)

概念フレームワークが利益(純利益)を認識する考え方としてとったのが「リスクからの解放」です。

従来の収益の認識には、実現主義(実現主義の原則)がとられていました。

商品の販売についていえば、商品を相手に渡して、現金等を受取った段階で売上を計上する。

それが実現主義の考え方です。

この場合、相手もいますし、その金額もはっきりしています。

相手先との実際の取引(これが実現でしょう)があった段階で収益をたてれば、確実で、客観性もあります。

その後の税金や配当の支払いに困ることもありません(処分可能ってやつですな)。

逆にいえば、相手との取引という具体的な事実がなければ、収益をたてない訳です。

ところが、現行制度上、相手との具体的な取引に基づかないで収益(利益)をたてるケースがあります。

売買目的有価証券の評価益です。

従来の「実現利益+売買目的有価証券の評価益」が「リスクからの解放」による利益ということになります。

まあ、結果としての処理はわかりやすいです。

というか現状の処理です。

ですが、「リスクからの解放」という表現というか何というか。

えーっと、もう少しなんとかならないでしょうか。

ならないでしょうね。

ふーっ。


えーっと、無事、陥落いたしました(泣)。

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「リスクからの解放とは何か」進捗状況

進んでます。

「リスクからの解放とは何か」。

前作「利益とは何か(1)〜」の続編として世間の注目を集めるこの「リスクからの解放とは何か」。

ええ、(8)まで、書いて、最初からやり直してます(←って、進んでますか?)。

まあ、簡単にはいかないかなあとは思っていましたが、簡単にいきません。

このままだと自然消滅の危険がありますので、予告して自分にカツを入れさせてください。

ええ、書きますよ。

書きますってば。

うーん、早く「リスクからの解放」から解放されたい!!


どうやらランキング1位からは解放される時が近づいたようです。

っていうかこの「解放」の使い方はあってるんでしょうか?

っていうか「解放」ってあんまし使わないですよね?(←誰に言ってるんだか)

っていうか「解放」されたくないです。

どうか一つ、軽めのご支援(1日1クリック)の程、よろしくお願い申し上げます。

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