税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

研究開発費・ソフトウェア

研究開発費・ソフトウェア

<テキスト記事一覧>
研究開発費と繰延資産
ソフトウェアの会計処理
市場販売目的のソフトウェア
自社利用目的のソフトウェア

自社利用のソフトウェア

【自社利用目的のソフトウェアの償却】

無形固定資産として計上したソフトウェアのうち、自社で利用するソフトウェアは、定額法による償却が合理的です。

この場合の償却期間は、実務指針では、原則、5年以内ですが、問題に指示があるでしょう。

残存価額は、他の無形固定資産と同様にゼロです。



【取得原価】

ソフトウェア固有の関連費用としては、「データーコンバート(データーの移管)費用」、「ソフトウェア操作のトレーニング費用」等があります。

これらは、ソフトウェアそのものの価値を高めるものではなく、発生時の費用とされます。

逆に、「購入したソフトウェアを自社仕様に変更するための費用」は、ソフトウェアの取得原価に含めます。

自社仕様にした後のソフトウェアを使用する訳ですから、考え方は、有形固定資産の付随費用と変わりません。

なお、購入したソフトウェアに対する改良でも、「著しい改良」であれば、そのコストは、研究開発費として費用処理されます。



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市場販売目的のソフトウェア

【市場販売目的のソフトウェアの償却】

市場販売目的のソフトウェアは、見込販売数量(あと何個売れるか)又は、見込販売収益(あといくら売れるか)に応じて償却します。

要は、按分です。

固定資産の生産高比例法と同じ要領です。

未償却残額×当期実績販売数量/(当期実績販売数量+翌期以後の見込販売数量)

※数量以外に収益の場合あり



【残存有効期間との関係】

ソフトウェア償却額は、均等額(残存有効期間に基づく均等配分額)を下回ってはなりません。

結局は、「見込販売数量(収益)に基づく償却額」と「均等配分額」とのいずれか大きい金額を償却します。

ソフトウェアは、所詮はミズモノの感は拭えないところからの取扱いでしょう。



【見込販売数量等の変動があった場合】

ソフトウェアの償却額は、期首簿価(前期末簿価)を基礎に当期以後の販売実績・予測値で計算されます。

この点、有形固定資産の減価償却が、当初の支出額である「取得原価」を基礎としている点とは異なります。

基本的には、見込販売数量(収益)に変動が生じても補正計算は行わないません。
そのまま期末に「当期実績」と「次期以降の予測」で計算すればよいだけです。



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ソフトウェアの会計処理

近時、ハードよりもソフトの占める役割は高くなっています。

パソコンに接している方なら実感なさっているのではないでしょうか。

ソフトウェア、要はプログラムのことです。

このソフトウェア制作費の取扱いをみておきましょう。

ソフトウェア制作費の会計処理は、ソフトウェアの制作目的別に定められています。



【ソフトウェアの会計処理】

(1)研究開発目的 →発生時の費用(研究開発費)

(2)研究開発目的以外

(ア)販売目的

受注製作の場合 → 請負工事に準ずる

市場販売目的  → 無形固定資産

(イ)利用目的    → 無形固定資産
 
研究開発目的のソフトウェアは、発生時に費用処理されます。

勘定科目は、研究開発費(販売費及び一般管理費)です。

販売目的のソフトウェアのうち、受注して製作する場合には、請負工事の会計処理に準ずることとされています。

つまりは、原価を計算する訳です。

販売目的のソフトウェアのうち、市場を通じて販売するもの(これが一般的に私達が目にするもの)は、無形固定資産(勘定科目は、ソフトウェア)として処理します。

なお、市場販売目的のソフトウェア制作費でも、研究開発費に該当する部分は、研究開発費(費用)として処理されます。

自社利用のソフトウェアは、制作費又は取得費用が無形固定資産(ソフトウェア)とされます。

償却は、他の無形固定資産と同様に、直接法・残存価額なしで行い、一般的には、月割計算を行うこととされます。

(借)ソフトウェア償却××× (貸)ソフトウェア×××



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研究開発費と繰延資産

【研究開発費】

研究開発費は、研究とか、開発というくらいなので、「新しい製品」や「新しい技術」にかかわるものです。

また、既存の製品や技術に「著しい改良」が行われた場合の費用も研究開発費に該当します。

会計処理は、ずばり「研究開発費」(販売費及び一般管理費・製造原価)です。



【研究開発費と開発費(繰延資産)】

「開発費」は、次の目的で特別に支出した金額です。

(1)新経営組織の採用

(2)資源の開発

(3)市場の開拓

保険の意味でもおさえたいところでしょうか。

原則は費用(営業外費用)処理ですが、繰延資産として計上した場合は、5年(月割)で償却を行います。



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