本社工場会計
【合併諸表の作成手順】
(1)財務諸表項目の合算
本社と支店の財務諸表の同一項目を合算します。
(2)照合勘定の相殺
本社勘定と工場勘定を相殺します。
※帳簿上、相殺仕訳が行われる訳ではありません。
(3)内部取引高の相殺
工場へ売上勘定と本社より仕入勘定等の内部取引高を相殺します
※帳簿上、相殺仕訳が行われる訳ではありません。
(4)内部利益の除去
下記より、内部利益を直接控除します。
損益計算書…………期首製品棚卸高、期末製品棚卸高
製造原価報告書……期首仕掛品棚卸高、期末仕掛品棚卸高
期首材料棚卸高、期末材料棚卸高
貸借対照表…………材料、仕掛品、製品
(1)財務諸表項目の合算
本社と支店の財務諸表の同一項目を合算します。
(2)照合勘定の相殺
本社勘定と工場勘定を相殺します。
※帳簿上、相殺仕訳が行われる訳ではありません。
(3)内部取引高の相殺
工場へ売上勘定と本社より仕入勘定等の内部取引高を相殺します
※帳簿上、相殺仕訳が行われる訳ではありません。
(4)内部利益の除去
下記より、内部利益を直接控除します。
損益計算書…………期首製品棚卸高、期末製品棚卸高
製造原価報告書……期首仕掛品棚卸高、期末仕掛品棚卸高
期首材料棚卸高、期末材料棚卸高
貸借対照表…………材料、仕掛品、製品
【内部利益の控除】
本社が外部から材料を仕入れ、これに内部利益を加算して工場に送付し、工場ではこれを加工して製品を製造し、これに内部利益を加算して本社に送付している場合、材料、仕掛品、製品には、内部利益が含まれています。
内部利益は、本社で一括して整理するのが一般的ですが、内部利益を付加した側で整理する方法もあります。
【内部利益算出の具体例】
今、具体的な例で、各棚卸資産に含まれる内部利益を考えてみましょう。
(具体例)
本社が外部から材料@100を仕入
10%の利益を付加して工場へ送付
工場で加工された製品(@160)を本社へ利益を付加して送付
(イ)振替価格@200
(ロ)25%の利益を付加して送付(付加率25%)
(ハ)利益率が20%となるように送付(利益率20%)
※(イ)〜(ハ)
(内部利益)
<工場>
材 料 (1) 110×0.1/1.1=10
仕掛品(材料分)(2) 〃
製 品(材料分)(3) 〃
<本社>
材 料(なし)
製 品(材料分+製品分)(4) 〃
(5) (イ)振替価格@200 200−160=40
(ロ)付加率25% 160×0.25=40
(ハ)利益率20% 160×0.2/0.8=40
本社が外部から材料を仕入れ、これに内部利益を加算して工場に送付し、工場ではこれを加工して製品を製造し、これに内部利益を加算して本社に送付している場合、材料、仕掛品、製品には、内部利益が含まれています。
内部利益は、本社で一括して整理するのが一般的ですが、内部利益を付加した側で整理する方法もあります。
【内部利益算出の具体例】
今、具体的な例で、各棚卸資産に含まれる内部利益を考えてみましょう。
(具体例)
本社が外部から材料@100を仕入
10%の利益を付加して工場へ送付
工場で加工された製品(@160)を本社へ利益を付加して送付
(イ)振替価格@200
(ロ)25%の利益を付加して送付(付加率25%)
(ハ)利益率が20%となるように送付(利益率20%)
※(イ)〜(ハ)
(内部利益)
<工場>
材 料 (1) 110×0.1/1.1=10
仕掛品(材料分)(2) 〃
製 品(材料分)(3) 〃
<本社>
材 料(なし)
製 品(材料分+製品分)(4) 〃
(5) (イ)振替価格@200 200−160=40
(ロ)付加率25% 160×0.25=40
(ハ)利益率20% 160×0.2/0.8=40
本社工場会計における決算手続の流れは、本支店会計と異なりませんが、一連の流れを示しておきましょう。
(1)未達事項の整理
決算の段階で未達取引がある場合は、本社の工場勘定と工場の本社勘定は一致しません。
未達取引は、原則として決算時に処理します。
なお、実際の到着日に実際の記帳を行う方法(到着日記帳法)もあります。
(2)決算整理
本社と工場はそれぞれが独立した会計単位なので、別々に決算整理を行うことになります。
この結果、それぞれの帳簿上、あるいは、それぞれで作成された財務諸表から独自の業績を把握します。
(3)決算振替
総合損益勘定を設ける場合の一般的な決算振替は次のとおりです。
(本社純利益の総合損益勘定への振替)
本社:(借)損 益300 (貸)総合損益300
(工場純利益の振替)
工場:(借)損 益 100 (貸)本 社100
本社:(借)工 場 100 (貸)総合損益100
(内部利益の整理)
本社:(借)内部利益 10 (貸)内部利益戻入10
内部利益控除20 内部利益 20
(内部利益の戻入、内部利益控除の総合損益勘定への振替)
本社:(借)内部利益戻入10 (貸)総合損益 10
総合損益 20 内部利益控除20
(会社全体の純利益の繰越利益剰余金勘定への振替)
本社:(借)総合損益 390 (貸)繰越利益剰余金390
(1)未達事項の整理
決算の段階で未達取引がある場合は、本社の工場勘定と工場の本社勘定は一致しません。
未達取引は、原則として決算時に処理します。
なお、実際の到着日に実際の記帳を行う方法(到着日記帳法)もあります。
(2)決算整理
本社と工場はそれぞれが独立した会計単位なので、別々に決算整理を行うことになります。
この結果、それぞれの帳簿上、あるいは、それぞれで作成された財務諸表から独自の業績を把握します。
(3)決算振替
総合損益勘定を設ける場合の一般的な決算振替は次のとおりです。
(本社純利益の総合損益勘定への振替)
本社:(借)損 益300 (貸)総合損益300
(工場純利益の振替)
工場:(借)損 益 100 (貸)本 社100
本社:(借)工 場 100 (貸)総合損益100
(内部利益の整理)
本社:(借)内部利益 10 (貸)内部利益戻入10
内部利益控除20 内部利益 20
(内部利益の戻入、内部利益控除の総合損益勘定への振替)
本社:(借)内部利益戻入10 (貸)総合損益 10
総合損益 20 内部利益控除20
(会社全体の純利益の繰越利益剰余金勘定への振替)
本社:(借)総合損益 390 (貸)繰越利益剰余金390
【本社勘定と工場勘定】
本社工場間取引に独立会計制度を採用する場合には、本社で工場勘定を設け、工場で本社勘定を設けます。
工場勘定と本社勘定は照合勘定の一種で、貸借逆に記入され、その残高は、貸借反対に生じ、その金額は、一致します。
このような関係は本支店会計での本店勘定と支店勘定と同じです。
【材料の受払取引】
一般的な出題として想定しやすい流れとしては、材料は、典型的には、本社が外部から仕入れ、これを工場に送付し、工場では、材料に加工を加えて製品を製造します。
本社から工場への材料を送付する際の会計処理に、(1)原価を振替価格とする方法と(2)原価に一定の内部利益を加算した金額を振替価格とする方法とがあります。
(1)原価を振替価格とする方法
この場合、材料を送付する本社も、受け入れる工場も材料仕入勘定で処理します。
(本社)工 場100 材料仕入100
(工場)材料仕入100 本 社100
※材料仕入勘定は、材料勘定を使用する場合もある。この場合の材料勘定は、資産と費用(原価)の双方の性格を併せ持ったものといってよいでしょう。
(2)原価に内部利益を加算した金額を振替価格とする方法
この場合、材料を送付する本社は工場へ売上(工場売上)勘定、受け入れる工場側では、本社より仕入(本社仕入)勘定で処理します。
(本社)工 場120 工場売上120
(工場)本社仕入120 本 社120
【製品の受払取引】
工場で完成した製品は、内部振替価格(内部利益を加算した価格)で本社に送付し、本社が外部に販売するというのが一般的です。
この場合、製品を送付する工場は本社へ売上(本社売上)勘定、受入れる本社では工場より仕入(工場仕入)勘定で処理します。
(本社)工場仕入××× 工 場×××
(工場)本 社××× 本社売上×××
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本社工場間取引に独立会計制度を採用する場合には、本社で工場勘定を設け、工場で本社勘定を設けます。
工場勘定と本社勘定は照合勘定の一種で、貸借逆に記入され、その残高は、貸借反対に生じ、その金額は、一致します。
このような関係は本支店会計での本店勘定と支店勘定と同じです。
【材料の受払取引】
一般的な出題として想定しやすい流れとしては、材料は、典型的には、本社が外部から仕入れ、これを工場に送付し、工場では、材料に加工を加えて製品を製造します。
本社から工場への材料を送付する際の会計処理に、(1)原価を振替価格とする方法と(2)原価に一定の内部利益を加算した金額を振替価格とする方法とがあります。
(1)原価を振替価格とする方法
この場合、材料を送付する本社も、受け入れる工場も材料仕入勘定で処理します。
(本社)工 場100 材料仕入100
(工場)材料仕入100 本 社100
※材料仕入勘定は、材料勘定を使用する場合もある。この場合の材料勘定は、資産と費用(原価)の双方の性格を併せ持ったものといってよいでしょう。
(2)原価に内部利益を加算した金額を振替価格とする方法
この場合、材料を送付する本社は工場へ売上(工場売上)勘定、受け入れる工場側では、本社より仕入(本社仕入)勘定で処理します。
(本社)工 場120 工場売上120
(工場)本社仕入120 本 社120
【製品の受払取引】
工場で完成した製品は、内部振替価格(内部利益を加算した価格)で本社に送付し、本社が外部に販売するというのが一般的です。
この場合、製品を送付する工場は本社へ売上(本社売上)勘定、受入れる本社では工場より仕入(工場仕入)勘定で処理します。
(本社)工場仕入××× 工 場×××
(工場)本 社××× 本社売上×××
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