税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

金融商品会計基準

金融商品会計基準の読み方(全体の構成)

金融商品会計基準、読んでますか?

ちょっと間があいてしまった「会計基準を読もう!!」ですが、企業会計原則、純資産基準、株主資本等変動計算書基準に続いて、金融商品会計基準をとりあげます。

金融商品会計基準は、企業会計原則以外の会計基準では、文句なしに最も重要です。

平成16年、平成17年と本格的な出題がありました。

それを考慮しても、当然のごとくやっておかなければならない基準です。

25点での出題の可能性は、アリとみています(2問なので、絶対でるとかそういう話ではありませんが)。

まずは、全体の構成をみておきましょう。


目的(△)

会計基準

1 範囲(△)

2 金融資産及び金融負債の範囲

3 金融資産及び金融負債の発生及び消滅の認識

4 金融資産及び金融負債の貸借対照表価額等

5 貸倒見積高の算定

6 ヘッジ会計(※)

7 複合金融商品(※)

8 適用時期等(△)



(△)印を入れた、目的、会計基準の範囲、適用時期等は一読して終了でしょうか。

ヘッジ会計と複合金融商品は、まだ、まるで未学習の可能性も高く、残りを先に取り上げることにします。

で、改正金融商品会計基準には通し番号(項数)がふってあるので、以降の記述も項数で示します。

やや変則的ですが、基準本編(注を含む)と結論の背景という組合わせで、みていきいます。

まずは、4項から28項を意味のわからない箇所を飛ばしながら一読しておいてください。

つらい箇所も多いと思います。

つらいのは私も一緒です(←一緒なのね)。

でも、読むだけでわかる箇所もあります。

意識が飛んだら次の項でかまいませんので、一読しておきましょう!!



そうだ、会計基準を読もう!!(金融商品会計基準は、大事ですよ♪)



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金融商品会計基準の読み方(本編のカット部分)

金融商品会計基準、読んでますか?

長いです。

でも、重要です。

はじめは本編部分を読んでいきましょう。

まずは、慣れることが重要です。

しっかりとした記憶を定着させるには、平板な記憶ではなく別の「何か」とつなげることが重要でしょう。

その別の「何か」がしっかりとした自分のこれまでの知識や記憶なのがたぶんベストです。

そのために効果があるのが、他の学習(計算や理論)との関連をつけることです。

そのための読み方としては、参照読みがいいです。

計算や理論の確認やちょっとした疑問がわいたときに基準を参照する読み方です。

でも、参照するためには、どこに何が書いてあるのかわからないと話になりません。

そのためにも重要な箇所をしんどくても先に読んでおくのは、決してムダにはなりません。

がんばりましょう!!(←アナタもね)



今日は、金融商品会計基準の本編部分で、いいんじゃないのという部分をご紹介しておきます。

一読で終了というのは、一回は読んでおいてくださいという部分です(△?)

カットというのは、私がよくわからない部分です(×?)。

判断の基準は、………微妙です(微妙なのね)。


1項〜3項:一読で終了(△)

6項の注1:カット(×)

13項の注4:カット(×)

41項:一読で終了(△)

42項〜44項:一読で終了(△)(デットアサンプションは、簿記論で出てましたね)



おおむね、4項から40項あたりです(長いな)。



そうだ、会計基準を読もう!!(←なかなか本編にいきませんな)



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金融商品会計基準の読み方(金融資産及び金融負債の範囲等)

金融商品会計基準、読んでますか?

今日は、金融資産及び金融負債の範囲等についてです。

諸般の事情により(←おっ。アナタのヤマなのね)、この範囲と次の金融資産・負債の発生・消滅の認識は、やや細かくいきます。

本編
4:金融資産の定義
5:金融負債の定義
6:時価

結論の背景
52:定義の仕方
53:有価証券の範囲
54:時価


この部分の書き方は、本編をくわしく結論の背景でいっている感じですので、本編部分をしっかりいきましょう。

金融資産の定義部分では、「及び」と「並びに」がでてきます。

「及びの使い方」「並びにの使い方」を参照してみてください。


定義の仕方には、(1)内容を踏まえた定義(内包的定義)と(2)ただの列挙(外延的定義)があります。

法律では、別に意味を踏まえる必要はなく、外延的定義が多いです。

会計基準では、内包的定義が多いですが、ここでは、外延的定義(列挙)がとられています。

しかし、その定義の仕方と国際的な定義との関係(結論は変らない)あたりまでが結論の背景に書いてあります。

んんっ。

おおおっ。

すごいぞ、結論の背景。

自らの選んだ道まで書いてある。

さすがだ、結論の背景。

でも、長いぞ、結論の背景。

………長いぞ(←ぼやき、ですか)。


この結論の背景部分を利用して資産の定義を少し読みやすくしておきましょう。

本編部分では、列挙の関係がわかりにくいですが、結論の背景では、4つ(負債も含めてます)が明確です。


52項の3行目から4行目です。

(1)現金預金

(2)金銭債権(債務)

(3)有価証券

(4)デリバティブ取引により生ずる正味の債権(債務)

結論の背景の4つの横にとりあえず、マル1〜マル4と数字をふっておきましょう。

本編部分にもこの4つと対応するようにマル1〜マル4とふっておきましょう。

こういう手間が会計法規集をちょっとだけ読みやすくするかもしれません(ちょっとだけですが)。

本編部分は、次の感じです。

(1)現金預金、
(2)受取手形、売掛金及び貸付金等の金銭債権
(3)株式その他の出資証券及び公社債等の有価証券
並びに
(4)先物取引、(中略)により生ずる正味の債権

です。

(1)現金預金と(2)金銭債権(受取手形等は、金銭債権の例示になります)はいいでしょう。

(3)の有価証券は、出資証券と公社債、
「デリバティブ取引による正味の債権」というのは、そもそもこれという実態があるものではありません。

他の項目とは感じが違うので、「並びに」という語で大きく区切っている感じでしょうか((1)から(3)と(4)ではちと違う)。

基準を読む時は、及びと並びにを意識する必要があります。

でも、整理や書くときは、(1)〜(4)でよいと思います。


そうだ、会計基準を読もう!!(定義はしっかりいかないとしょうがないです)



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金融商品会計基準の読み方(金融資産及び金融負債の発生及び消滅の認識1)

金融商品会計基準、読んでますか?

今日は金融資産及び金融負債の発生及び消滅の認識についてです。

この部分の重要性は高いです。

でも、とっても読みにくいです。

一読で理解できる方は、私よりもかなり実力者です。

まあ、自慢ではありませんが、私なんかいまだにわかりません(←そりゃ、自慢じゃないわな)。

でもわからないでは、はじまりませんので、なんとかアプローチしてみましょう。


7項:金融資産及び負債の発生の認識

8項:金融資産の消滅の認識要件

9項:支配の移転

10項:金融負債の消滅の認識要件

11項:会計処理

12項:部分消滅の会計処理

13項:新たな金融資産・負債の取扱い


本編部分は、じっくりと読んでおいて欲しいですが、内容の理解が困難な部分が多いと思います(重要でない箇所はありません)。

一番大きな理由は、いつも接する計算との関連が低いことでしょう。

この部分の出題の可能性はあると思います。

で、わからなくても読んでみてください。

計算でわかるハズの項目もいくつかあります。

ぜひ、あててみてください。

解答は、後日。


そうだ、会計基準を読もう!!(このあたりの出題可能性はアリとみています)



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金融商品会計基準の読み方(金融資産及び金融負債の発生及び消滅の認識2)

金融商品会計基準、読んでますか?

長くて大変です。

でも、計算で触れている項目もあります。

ですんで、読めるハズの規定もある。

その意識をもって会計基準と接して欲しいと思います。

その効果は、後でジワジワあらわれます。


今回は前回の答えです。

金融商品会計基準の7項〜13項のうち計算でやっている(だろう)項目です。


7項:金融資産及び負債の発生の認識 → 有価証券の約定時の仕訳処理

8項:金融資産の消滅の認識要件 → これはやってますが厳しいので後日です

9項:支配の移転 → これは厳しすぎます

10項:金融負債の消滅の認識要件 → これはやってますが後日です

11項:会計処理 → 手形割引の会計処理等

12項:部分消滅の会計処理 → これはやってないと思います

13項:新たな金融資産・負債の取扱い → 手形割引時等の保証債務の計上


計算を思い浮かべながら基準を読む。

そんな基準の読み方はとってもグットです。

そんな読み方が自然とできるようになると、計算の確認がそのまま理論の学習につながります。

普通にやっている理論の学習が計算につながるようになります。

これは一粒で二度おいしいです(←グリコですな)。

で、実際の試験でも、計算でしか触れていない項目が、理論で出題されることもあります(その逆もあります)。

そんな試験対策の意味もありますので、緩やかな(しかし重要な)課題として意識しましょう。


そうだ、会計基準を読もう!!(理論と計算とのリンクは、大きな課題だよ♪)



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金融商品会計基準の読み方(二つのリスク)

金融商品会計基準、読んでますか?

金融商品会計基準は、長いです。

いやー、長いです。

私の講義の延長ぐらい長いです(←日本一?)。

びっくりです。

はい。



本編の4項から40項でも、それほど重要性がない箇所は少ないです(←厳しいです)。

で、金融資産・負債の発生・消滅の認識は読みにくいです。

読みにくいので、ちょっと分割して、本編と結論の背景部分を内容ごとにみていきましょう。


まずは、金融資産の発生の認識(7項と55項)です。

総じて、本編部分は、みんな大事ですので、結論の背景部分に注目しましょう。

<マーカー>
55項:4〜7行目「当該取引の………発生を認識する」
55項:9〜12行目「有価証券については、……認識しなければならない」

金融資産(例えば貸付金)の発生を認識するってのは、借方・貸付金の仕訳をきるタイミングの話です。

7項と55項の重要性は高いので、しっかりといきましょう。

ラフには、金融資産の発生の認識は、契約時点で行います。

理由は、契約時点で(1)「時価の変動リスク」や(2)「信用リスク」が生じるためです。


(1)時価の変動リスク

ある金融資産(例えば株)は、欲しい人が多ければ、その値段はあがります。

売りたい人が多ければ下がります。

100円で買うという契約(約定)を交わした。

一般的な株式の売買は契約から数日後に株券や代金のやりとりが行われます。

実際の株式の受渡日(+代金決済日)には、80円に下がっていた。

実際に株式を買う段階では、20円損していますが、契約を交わした以上、やめたというわけにはいきません。

で、契約時点でそのリスク(時価の変動リスク)を負うので、契約時点で金融資産の発生を認識する必要がります。


(2)信用リスク

ヤバイ会社の株式や債券は、値段がドーンと下がったりします。

つぶれてしまえばその会社の株式や債券は紙くず(無価値)になってしまうからです。

こちらが信用リスク(倒産リスク)です。

契約後、株券の受渡し(+代金決済)までになんかヤバイこと(不祥事の発覚等)があった。

信用ガタオチ、株価ドーン。

でも、契約した以上は、損してでも買わなければなりません。


二つのリスク(時価変動・信用リスク)が契約時点で生ずるため、契約時点で金融資産の発生を認識する必要がります。


そうだ、会計基準を読もう!!(二つのリスク:時価の変動リスクと信用リスクを意識しましょうね♪)



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金融商品会計基準の読み方(金融資産及び負債の消滅の認識)

金融商品会計基準、読んでますか?

今回は、金融資産と金融負債の消滅の認識について考えておきます。

まずは、金融資産の消滅の認識です。

金融資産が消滅するのは、「いつ」かの話です(認識は、「いつ」の話です)。

貸方・金融資産という仕訳をきる(実際は財務諸表への計上の)タイミングの話です。


具体的な規定は、8項と56項です。

契約上の

(1)権利を行使
(2)権利を喪失
(3)権利に対する支配が他に移転

したときに、金融資産の消滅を認識します。

8項にマル1〜マル3と数字をふっておきましょう。

56項にも、同様にマル付数字をふっておくとよいです。

で、56項には、具体例が記載されています。

具体例ともマル付数字にダッシュ(´)をふっておきましょう。

後でみるときによいです。


ややラフに具体例を並べてみましょう。

(1)権利を行使……貸付金の回収
(2)権利を喪失……新株予約権(取得者)の権利行使期限の経過
(3)権利に対する支配が他に移転……有価証券の譲渡

少しは、イメージがわくのではないでしょうか。
(オプションは、新株予約権にしました)。



金融負債の消滅の認識は、10項と59項です。

こちらにもマル付数字(1〜3)をふっておくとよいです。

契約上の

(1)義務を履行
(2)義務が消滅
(3)第一次債務者の地位から免責

されたときに、金融負債の消滅を認識します。

金融資産と金融負債の消滅の認識では、ちょうど対照的です。

ちょっと、並べて確認してみましょう。

(1)権利を行使………………義務を履行
(2)権利を喪失………………義務が消滅
(3)権利に対する支配が他に移転……第一次債務者の地位から免責

ちょっと言葉(行使、義務、喪失、消滅等)にやられてしまいそうです。

ただ、これは用語の問題なんです。

権利を使うことを「行使」といい、義務を果たすことを「履行」と呼ぶ。

それだけの話なんですが、慣れないとしんどいです。

えーっと、慣れです。

はい。

ただ、具体例を思い浮かべる。

資産と負債を並べてみる。

そんなことで、若干アプローチしやすくなるのではないかと思います。

その後の話の前提として必要という感じの所でしょうか。



そうだ、会計基準を読もう!!(金融資産・負債の消滅の認識の基本的考え方は、発展性があります。しっかりといきましょう)



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金融商品会計基準の読み方(金融資産の譲渡に係る支配の移転)

金融商品会計基準、読んでますか?

今日は、金融資産の譲渡に係る支配の移転についてです。

厳しいです(←そればっかですな)。


<本編>9項:権利に対する支配の移転要件

<結論の背景>57項〜58項


ここは、とても読みにくいです。

で、重要性はあると思います(残念です)。

アプローチしていなければ、出題されたときに解答不能でしょう。

その意味では、出題の可能性(例えばBランク)以上に重要かもしれません。



前提は、金融資産の消滅の認識です。

金融資産がなくなった(貸方・金融資産)話です。

(1)権利を行使(権利を使う)
(2)権利を喪失(権利がなくなる)
(3)権利に対する支配が他に移転(権利が誰かに移る)

まあ、要はなくなる話ですが、このうちの(3)の話です。

57項の5行目中段「金融資産の〜」7行目上段「〜方法」
までを細く(サイドラインで)マーカーをして、「リスク・経済価値アプローチ」を太めに、

同じく、57項の8行目上段「金融資産を〜」11行目中段「〜方法」
までを(サイドラインで)マーカーをして、
「財務構成要素アプローチ」を太めにマークしておいてください。

と、57項の最後の3行もマークです。



簡単にいうと次のような感じでしょうか。


リスク・経済価値アプローチ → 全部アプローチ

財務構成要素アプローチ → 部分(バラバラ)アプローチ


リスク・経済価値アプローチでは、全部の移転しか認めません。

なくなるときは、全部です。

財務構成要素アプローチは、部分の移転を認めます。

一部がなくなったのを認めます。

普通の商品、例えばイスだと、足の部分だけとか、背もたれだけ売ったなんてことはないでしょう。

足は、私の分で、背もたれは君の分なんてのはおかしいです。

全部アプローチ(リスク・経済価値アプローチ)が前提です。

ところが、金融商品は、イスなんかのように実体がある訳ではありません。

バラバラにしたり、くっつけたりがしやすいし、それでもちゃんと成り立ちます。

転換社債型以外の新株予約権付社債(←これがすでに遠いって)だって、新株予約権が行使されれば(なくなれば)、ただの社債です。

つまりは、バラバラにできます。

で、金融商品に関しては、部分アプローチ(財務構成要素アプローチ)がとられる訳です。

具体的な題材を考えたときに、その題材をみて余計わからなくなる感じかもしれません。

その意味では手形割引なんてのは、手ごろではないかと思います。

以前に手形割引の会計処理を題材に書いた長い記事があります(長いですよ〜)。

金融商品会計基準(特に金融資産の発生・消滅の認識)と本格的に取り組もうという方は、ぜひご一読ください。


記事そのものは、このブログにもありますが、下記で一覧できます(直接の記述は7からです)。

最後の問題へのリンクで社債の問題がありますが、改定してありませんので、ご承知おきください。

「続・手形割引の会計処理」



しかし、名前どうにかならないでしょうか。



そうだ、会計基準を読もう!!(今からでも名前、変更希望!!「リスク・経済価値アプローチと財務構成要素アプローチ」って、そりゃ殺生だす)



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金融商品会計基準の読み方(金融資産及び金融負債の貸借対照表価額等−構成)

金融商品会計基準、読んでますか?

金融商品会計基準は、長いです。

総論的な部分(目的・範囲)を除いて、5つの小さな会計基準があると考えるくらいでちょうどいいかもしれません。

(1)発生・消滅の認識
(2)貸借対照表価額
(3)貸倒見積高
(4)ヘッジ会計
(5)複合金融商品

(2)、(3)、(5)が既出題で、私の隠れヤマが(1)です(隠れてないという噂がありますが)。

これまでの基準と同様にまずは本編を中心に読みましょう。

金融商品会計基準は、本編だけでも長いです。

まずは本編になじむことが重要です。

最初に(1)から(3)の本編です。

その後に重要(そう)な注、結論の背景を合せて読んでいくとよいでしょう。



今回は、既出部分の(2)貸借対照表価額です。

14項から26項になります。

まずは、本編を一読しましょう。

本編の重要性は、極めて高いです。

計算ともかなりリンクする部分が多いです。

ここは、残念ながらそれほど重要性が低い規定がありません。

残念です。

売買目的有価証券、満期保有目的の債券、その他有価証券は、定義があります。

定義部分は、かっこでくくっておきましょう。

売買・満期は、特に重要です。


先に力を入れる部分は、次でしょうか。

全部にマーカーというのもなんですから、項数に丸印をふって、優先的に読むようにするとよいでしょう。

14項:債権
15項:売買目的有価証券
16項:満期保有目的の債券
17項:子会社株式及び関連会社株式
18項:その他有価証券
20項:減損処理
26項:金銭債務

うーん、やはりこの部分の重要性は高いです。

平成16年に本格的出題はあるものの、やはりはずせません。

しっかりといきましょう。


そうだ、会計基準を読もう!!(26項は、新しい規定になります)



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金融商品会計基準の読み方(金融資産及金融負債の貸借対照表価額等−結論の背景)

金融商品会計基準、読んでますか?

最近の出題傾向は、会計処理の根拠(理由)や他項目との関連を聞くケースが多いです。

本年も根拠等が聞かれることが十分予想されます。

で、金融商品会計基準は、結論の背景が詳しいです。

詳しいです。

詳しいです。

が、お腹一杯です(←アナタが言ってどうする)。



今回は、金融商品会計基準の貸借対照表価額等の結論の背景部分のつづきです。

ここの箇所は、ずばり平成16年で出題されています。

一度は、平成16年の出題を手許に置きながら、読んでみましょう。

解答箇所にマーカーを入れるとよいかもしれません。

でも、長いです。

やや絞りきれていませんが、重要な箇所を示しておきます。

例によって見出しを考えてみました。

売買目的有価証券→「売買」といった略語を使いながら実際に見出しをふってみるとよいかもしれません。

<全般的な話>
64項:金融資産の基本的考え方
65項:時価評価の必要性
66項:保有目的別の評価の理由
67項:債務を時価評価しない理由

<個別的な話>
68項:債権を時価評価しない理由、償却原価法の適用理由
70項:売買目的有価証券の評価・評価差額の取扱いの理由
71項:満期保有目的の債券の評価の理由
73項:子会社株式の評価の理由
74項:関連会社株式の評価の理由
77項:その他有価証券の評価差額の取扱いの理由
88項:デリバティブ取引の評価・評価差額の取扱いの理由
90項:金銭債務の取扱いの理由

90項の取扱いは新しいところですので、特にしっかりといきましょう。

デリバティブは、私の好みで入れときました(好みってねえ)。

ご自分で、ここが根拠だ!!と思える箇所にマーカーを入れてみてください。

薄めの色でサイドマーカーなら思い切って引いて大丈夫です(私の会計法規集は、まっ黄色です)。

根拠等が実際の出題で問われる事は多いです。

すごく短くてよいので言える状態にしておきましょう。

えっ、既出だからマーカー箇所で手を抜いてるって?

まあ、そうです(←そ、そうなのね)。

でも、マーカーなんかは自分で大事な所に少しだけ入れる。

それが一番、力もつくし、重要かもしれません。

本来的な重要性は、極めて高いですので、誤解のなきようお願い申し上げます。


そうだ、会計基準を読もう!!(既出部分もその後に脇をかすめる出題があるのが最近の財務諸表論の傾向です←軽めのおどしですな)



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金融商品会計基準の読み方(金融資産及金融負債の貸借対照表価額等−結論の背景・つづき)

金融商品会計基準、読んでますか?

結論の背景のマーカー箇所の細かい指定を省略した代わりに、私のインチキな文章を示しておきます(←だから、自分でいってますが)。

なぜインチキ(いや、それほどインチキでもないです)で示すかというとまず納得することが大事だと思うからです。

自分で納得した場合は、記憶しやすいですし、定着率も高くなります。

もちろん程度問題はあります。

でも、いきなり覚え出すよりは、簡単な表現(インチキ)でいいので、納得しておくほうがよいでしょう。


68項:債権を時価評価しない理由
(市場がなく、きちんと時価を測定できないから)

68項:償却原価法の適用理由
(取得差額が金利の調整のときは各期に反映させる必要があるため←利息はそもそも期間全体の損益です)

70項:売買目的有価証券の評価の理由
(投資者に有用な情報は時価だから)

70項:売買目的有価証券の評価差額の取扱いの理由
(売却の制約がなく、時価の変動にあたる評価差額が成果だから)

71項:満期保有目的の債券の評価の理由
(確定利息・元本の受取りが目的で、金利変動による価格変動リスクを考慮しなくてよいため←将来CFが確定してる)

73項:子会社株式の評価の理由
(事業投資と同じ→支配目的で売却に制約があるため)

74項:関連会社株式の評価の理由
(事業投資と同じ→影響力の行使目的で売却に制約があるため)

77項:その他有価証券の評価差額の取扱いの理由
(なんか売却に制約があるため)

88項:デリバティブ取引の評価
(時価変動により損得が生ずるので有意義なのは時価だから)

88項:評価差額の取扱いの理由
(時価の変動が財務活動の成果だから)

90項:金銭債務の取扱いの理由(償却原価法)
(取得差額は一般的に金利の調整だから)


まずは、納得する。

その後に上記をはずさない形でご自分でマーカーをしてみてください。

そしてそのマーカー箇所を死ぬほど読む。

で、オッケーです(←簡単にいいますな)。


そうだ、会計基準を読もう!!(本来的な重要性は高いです)



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金融商品会計基準の読み方(取得原価と取得価額)

金融商品会計基準、読んでますか?

長いですよね。

たぶん、お腹一杯だと思います。

でも、金融商品会計基準は、別腹っていいますもんね(←ケーキじゃないんだから)。

しっかりやっておきましょう。

金融商品会計基準は、小さな基準が5個(発生・消滅の認識、貸借対照表価額、貸倒見積高、ヘッジ会計、複合金融商品)あると考えた方が無難かもしれません。

そう考えると平成16年(貸借対照表価額)と平成17年(貸倒見積高)の出題も説明しやすいです。

でも、発生・消滅の認識、ヘッジ会計、複合金融商品が未出題と考えるとゾッとします。



今回は、金融商品会計基準で頻繁に登場する取得原価と取得価額の話です。

取得原価と取得価額、非常によく似ていますが、きちんと使い分けられています。

ラフには、次のような感じです。


取得価額→購入代価等+付随費用

取得原価→先入先出法等の数量配分後


ですので、数量配分を考えなくてよい債権は、基本的に「取得価額」です。

株式等に関しては、数量配分を行った後の金額が取得原価ですので、貸借対照表価額も「取得原価」です。

両方が混在しているのが、満期保有目的の債券(16項)です。

償却原価法の箇所で出てくるのは、取得価額です。

貸借対照表価額をいうときは、取得原価です。


この使い方は、企業会計原則も同様です。

実際に確認してみましょう。

固定資産のところでは、すべて取得原価という言葉で統一されています。

取得価額と取得原価、きちんと使分けていきましょう!!



そうだ、会計基準を読もう!!(似た言葉には、注意する必要ありです)



会計基準を読もう!!<目次>

金融商品会計基準の読み方(償却原価法)

金融商品会計基準、読んでますか?

金融商品会計基準は長いですが、理論・計算ともに重要です。

まずは、本文(ヘッジと複合金融商品は後回し)を読みましょう。

計算では注解も大事です。

理論では結論の背景が大事です(←結局、全部なのね)。

結論の背景部分は、短く根拠等をいえる状態にしておくことが重要でしょう。



今回は、償却原価法の話です(金利の調整ってやつですな)。

金融商品会計基準で、償却原価法が登場するのは、次の三箇所です。


14項(債権)
15項(満期保有目的の債券)
26項(金銭債務)


負債の側でも登場することになった償却原価法。

最初の支出(収入)と最後の収入(支出)が異なるためのその差額(金利)の処理です。

90円(取得価額)で買った社債が、最後には100円(額面)になってかえってくる。

最初に90円で処理(仕訳)をすれば、その差額をどうにかしなければなりません。

で、その差額が金利の調整なら償却原価法の適用が強制される訳です。

金利なんだから全体の期間に割りふるのが合理的って訳です。


むむむっ。

でも、金銭債務(社債)の箇所には、金利の調整という言葉がありません。

これは、誤植?

いやいや、誤植ではありません。

自社発行の社債に償却原価法を適用する場合は、一般的には、その差額のすべてが金利の調整だからです。

金利の調整と認められるという表現を入れる必要がないだけです。

これまでにおやっ?って思った方は、きちんと意味をとりながら基準を読めている証拠といえるかもしれません。

そんな箇所は実際の出題の可能性もやや高めといってよいでしょう。



似たような取扱いなのに、ちょっと違う。

それは何故なのかを考えるのはよいことだと思います。

特に自分視点でそれをみつけて、何らかの形で解決した場合は、記憶の定着率が素晴らしく高いです。

忘れにくいんですね。

そんな箇所をどれだけ積上げられるかで、勝負が決まるようにも思います。

どれだけ覚えたかではなく、どれだけ覚えなくてよい箇所をつくったか。

そんな努力を積上げても、覚えなければならない箇所はなくなりません。

しかし、そんな視点は、極めて重要だと思います

おやっ、と思えるかどうか。

そこが大事です。



そうだ、会計基準を読もう!!(ちょっと違う点に要注意だよ♪)


会計基準を読もう!!<目次>

金融商品会計基準の読み方(貸倒見積高の算定)

金融商品会計基準、読んでますか?

金融商品会計基準は長いです。

金融商品会計基準は、5つに分けて考えた方がいいかもしれません。

まずは、ヘッジと複合金融商品を除いた本文をしっかりといきましょう。



今回は、金融商品会計基準を5つに分けた3つめの貸倒見積高の算定です。

計算でおなじみですが、じっくりといきたいです。


注8がいいかなという感じで、他は理論・計算ともに必要です。

この部分の結論の背景は、取扱いの根拠等に詳しく触れている感じではありません。

本編中心でよいと思います。

計算で学習していることの何が基準に書いてあって、何が書いてないのか。

そんな視点で基準を読むとどこまでを計算で学習すべきかの緩やかな指針にもなります。

キャッシュ・フロー見積法は、計算で学習後、簡単な計算問題を横に置いて、じっくりと読んでみてください。

「へーっ」って思います(←そ、それだけですか?)。

計算で出ている項目だから理論ではでない。

そんなことはまるでないのが最近の財務諸表論です(←また、おどしてますな)。




今回で金融商品会計基準は、とりあえず終了です。

とりあげ方からもお分かりいただけると思いますが、金融資産・負債の発生・消滅の認識は要注意だと思います。

また、このブログでもとりあげようと思っていますので、それまでにしっかりと読み込んでみてください。



基準が多くて本当に大変だと思います。

でも、大変なのはすべての受験生共通です。

その中でどれだけじっくりと会計基準を読むことができるか。

税理士試験の財務諸表論、いや、今後の会計関連の国家試験等の合否はそこで決まるようになっていくと思っています。



そうだ、会計基準を読もう!!(金融商品会計基準、大事です)


会計基準を読もう!!<目次>
オススメ
税理士財務諸表論穂坂式つながる会計理論【第2版】
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ネットスクール出版
2021-09-16

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