税理士試験 簿記論 講師日記

税理士試験 簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

軽めの簿記の話

銀行勘定調整表の作成方法

銀行勘定調整表は、当座預金の企業残高と銀行残高との不一致を確認するために作成されます。

その形式が法律等で定められているわけではありません。

銀行勘定調整表の作成方法には、次の三種があります。
(1)両者調整法
(2)企業残高基準法
(3)銀行残高基準法

試験的には、(1)両者調整法を軸に、特に決算修正仕訳ができるようにしておく必要があります。

問題では、割といろんな種類の不一致原因が問われます。
しかし、現実の企業では、おそらく不一致の形態は、割と偏りがあるハズ。
偏りがある場合は、むしろ両者調整法のように幅をたくさんとる方法よりも、どちらかからスタートして、他方に合わせる方法をとれば充分です。
結局は、いずれの方法もおさえておくべきになりますが、実際の出題を考えると数字をきちっとおさえておけばよいでしょう。


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銀行勘定調整表の摘要欄

税理士試験では、銀行勘定調整表の作成が問われることは考えにくいですが、銀行勘定調整表の摘要欄の話です。

銀行勘定調整表は、当座預金の「勘定残高」と「銀行残高」とが異なるとき、その不一致を確かめるために作ります。
銀行勘定調整表は、貸借対照表や損益計算書等の財務諸表とは異なり、その作成が法律等で義務付けられていたり、その形式が決まっていません。

したがって、銀行勘定調整表を作成する出題があってもその摘要欄に記入する言葉なども、決まっていません。
考えて時間をとられるなら問題の文章をそのまま(ちょっとは縮めて)書けば何ら問題はありません(これは、日商等でも同様です)。
というより、摘要欄の言葉に配点はこないと思います。

その延長で考えると実際に銀行勘定調整表を作成させる出題も(特に、税理士試験では)やや考えにくいでしょう。

もっとも、推定事項等が絡むと結局は、数字の関係はきっちり把握していないと解けませんので、数字の関係は、きっちりおさえておく必要があると思います。
日商では、ホントにたまーに出題されるという感じかと思います。


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(★)損益振替と資本振替

簿記論の出題問題では、期中処理や決算整理が問われることが多いため、その後の決算振替については、苦手意識を持っている方も多いようです。
決算振替には、損益振替と資本振替とがありますが、簡単な数字を想定して一連の処理を把握しておくとよいのではないかと思います。

商品100円を仕入れ、これを150円で売却した。

(期中処理)仕入100 現金100
      現金150 売上150
(損益振替)損益100 仕入100
      売上150 損益150
(資本振替)損益 50 繰越利益剰余金50

期中処理は、相手の存在する取引が多く、実際の財産も動くのでわかりやすいことが多いです。
これに対して、損益振替や資本振替は、相手が存在する訳でもなく、なぜこのような処理を行うのかがわかりにくいです。
わかりにくい箇所こそ色々な角度からアプローチすべきといってもよいのではないかと思います。
なお、資本振替の貸方・繰越利益剰余金は、個人企業では、資本金になりますので、充分注意してください。
また、損失発生時の資本振替は、通常の逆仕訳になります。

転記の意味

仕訳帳に記載された事項を元帳に移記することを「転記」といいます。
仕訳帳と元帳はいずれも欠く事のできない重要な帳簿であり、両者は併せて主要簿と呼ばれます。
仕訳帳は、取引の記録を順番に記録する帳簿であり、元帳は、取引の記録を内容(勘定科目)ごとに記録する帳簿です。
いずれの記録でも重要性が高いのは、「勘定科目」と「金額」で、例えば、転記を行う場合には、日付・相手勘定科目・金額等を記載することとされますが、これらの間には、重要性の違いがあります。
転記で大事なのは、「どの勘定科目にいくら」を記載するかです。

(仕訳)
現金100 資本金100

(元帳)
  現  金
100 

上記の仕訳の(借方)現金100を元帳(現金勘定)に転記する場合に最も大事なのは、現金勘定の借方に100を記入することです。
仕訳(仕訳帳)が、取引に注目して、その取引を表現するという役割があるのに対して、元帳(現金勘定)は、現金に注目して、その増減・有高を記録するという違いがあります。
実際の正式な元帳に転記する場合には、それ以外に日付や相手勘定科目を記載することになりますが、あくまでも、上記の例でいうなら、現金勘定に100と記入することが最も大事ということになります。

損益法による利益計算(損益計算)の意味

利益は、「一定期間における資本(純財産)の増」です。

財産法によれば、利益は、期末資本から期首資本を差し引いて計算されます。
これに対して、損益法による利益計算は、「収益−費用」で計算されます。

財産法による利益計算が、「有高」(ストック)の増にであるのに対し、損益法は、「物の流れ=出入」(フロー)に着目したものです。

簡単な例で示しましょう。
今、水槽に5リットルの水があるとします。
この水槽に3リットルの水を入れ、2リットルの水を水槽から出したとします。
水槽の水は、6リットルになっています。

これを、損益法と財産法の考え方で説明してみましょう。
損益法による利益計算によれば、
入れた水3リットル −出した水2リットル=1リットル
と「増えた水の量」を計算します。
ある期間に入れた水の量(3リットル)から出した水の量(2リットル)を引いて増えた水の量を計算している訳です。

財産法による損益計算では、
最後にある水の量(6リットル)−最初にあった水の量(5リットル)=1リットル
と「増えた水の量」を計算します。

もちろん増えた水の量を「有高の差」(期末資本−期首資本)で求めるか、「出入りの水の量の差」(収益−費用)で求めるかの違いですから、どちらの計算によっても「水の量の増分」に違いはありません。
つまり、財産法による利益計算と損益法による利益計算は一致することになります。

財産法による利益計算(損益計算)の意味

損益計算は、「純財産(純資産)」の増減計算です。
どれだけ純粋な財産(純資産)が増えたのかを計算するのが損益計算です。
どれだけ財産が増えたのかは、一定の時点をもって計算される訳ではありません。
一定の期間で計算されます。
これは、例えば「伸びた身長」が時点ではなく、期間をもって計算されるのと変りません。
別に伸びた身長ではなく、「増えたダムの貯水量」でも、「増えた預金残高」でも何でもいいんですが。
あくまでも「一定の期間」で増えた「物」(純財産)を計算している訳です。

いわゆる財産法による利益は、次の算式によって計算されます。

期末資本−期首資本=当期純利益

資本が、結果としていくら増えたのかを計算するのが、損益計算ですから、「期末」の資本から「期首」の資本を差し引いて計算するのは、ある意味当然のことといってよいでしょう。

利益計算(損益計算)の重要性

利益計算は「もの」の増えた量の計算にすぎません。

私がその事を実感できたのは、簿記の学習をはじめてから随分たってからのことだったように思います。
増えるもの、それは「財産」です。
簿記的にいうなら「資本」です。
「資本」の増えた量の計算、それが利益計算に他なりません。
このことが実感できているかどうかは、簿記論の学習、そしてその後の財務諸表論の学習においても、大きな意味を持つといってよいでしょう。

簿記上の「資本」は、「資産−負債」で計算されます。
資産は、プラスの財産、負債はマイナスの財産を意味しますので、その差額としての資本は、純粋な財産(純財産)を意味します。
その資本(純財産)の増が「利益」に他なりません。
このことは、とても大事なことだと思います。

さて、皆さんは、この事が、簿記とは離れたレベルでも実感できているでしょうか?

借入金は減っている?

最近、気づきました。

(借)借入金××× (貸)現  金×××

この仕訳の借方「借入金」の意味。
借入金が減っているというのが、簿記の初学者にとって、案外とわかりにくいことを。

もちろん、簿記の基本原理に即して借入金という負債が減っているのは間違いありません。
しかし、これがなかなかわかりにくい。
マイナスの財産である借入金が減る。
「マイナスが減る」という感覚が掴みにくいのかもしれません。

これから二級の学習を終えて(あるいは特に三級までの学習程度で)簿記論を学習なさる方で、借方・借入金が「借入金という負債が減っている」ということに「そんなの当然だろ」という感想をお持ちになれない方は、とことん考えてみてください。

このブログでも簿記の極めて初歩的と思えるけど、実は案外わかっていないのではないかということをとりあげていきたいと思います。

おっ。今日は、ちと簿記っぽいですな。

いやあ。たまには。

た、たまにはでつか。

割引現在価値の考え方

割引計算をする機会が増えています。

リース、退職給付引当金、償却原価法(利息法)、キャッシュ・フロー見積法等において割引現在価値の考え方を使います。

一般的、共通的なことを考えておきましょう。



【割引現在価値の考え方】

現在の100万円と将来(例えば1年後)の100万円とは、価値が違うというのが基本的な考え方といってよいでしょう。

なぜなら、時間(期間)で報酬(利息)がつくからです。



【現在→将来の考え方】

今、貸付金100万円 利率 年10% 期間2年
という条件で考えてみましょう。

なお、利息は、その都度受け取りません。

(貸付時)貸付金100万 現金預金100万

(1年末)貸付金 10万 受取利息 10万 ←100万×10%

(2年末)貸付金 11万 受取利息 11万 ←(100万+10万)×10%

2年目末の11万というのがポイントでしょうか。

1年末に貸付金の金額が10万円増えているので、利息の計算の基礎となる金額は、100万円ではなく、110万円となり、利息も、10万ではなく、11万円になります。

このような利息の計算方法は、複利(計算)と呼ばれます。



【将来→現在の考え方】

割引現在価値の考え方は、この逆です。

「将来の収入(または支出)」を「利率(割引率)」を使って現在の価値に割引計算したもの、これが割引現在価値です。

2年後に121万もらえる。年の利率は10%。

この場合に、現在の価値はいくらかを「利率」(割引率)を元に割引計算するのが、割引現在価値です。

計算は、 121万÷(1+0.1)2=100万になります。

この「2乗で割る」のがポイントでしょうか。



【電卓での計算方法】

(シャープ等)121 ÷ 1.1 = = 100 

(カシオ等 )1.1 ÷ ÷ 121 = 100

あるいは、メモリーを使ってもよいでしょう。

(1)1.1 ÷ 1.1 = M+

(2)121 ÷ RM

でもかまいません。

税理士簿記論の期間計算

日商簿記検定の出題をみていると結構、日割計算をさせるものも少なくないようです。

日割計算の場合は、初日を入れるか(両端入)、入れないか(片落)の問題があり、案外面倒です。

対外的取引に関する利息の計算などでも現実には、たった1日で、はい1月などということはありえません。

あくまでも便宜上のものでしょうが、税理士試験では、月割計算が多くなっています。



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