売買目的有価証券に関連する税理士試験・財務諸表論の出題を並べてみました。

金融商品会計基準前後では、次の2つの特徴があります。

1.新基準前は貨幣性資産であるかが問題とされていたのが、その後は出題されていない。

2.新基準前は評価そのものが問題とされていたが、評価差額の取り扱いに重点が移行している。


有価証券が貨幣性資産に該当するかという問題が役割を終え、評価差額の取り扱いに重点が移行しているといえそうです。

1 金融商品会計基準の創設以前
1 平成4年
あなたは、取引相場のある株式を貨幣性資産であると考えますか、費用性資産と考えますか。いずれかを答案用紙の空欄に入れ、その理由を示しなさい。

2 平成8年
市場性ある有価証券等の評価原則として時価主義を採用する考え方があります。これらの資産について、時価主義を求める根拠を述べなさい。

3 平成11年
有価証券の経済的本質については、貨幣性資産とみる見解があります。この見解について述べなさい。



2 金融商品会計基準の創設以後
1 平成12年
収益の認識基準について、売買目的有価証券を例にとり、説明しなさい。

2 平成16年
金融商品会計)基準が、…(4区分ごとの)評価基準の適用と評価差額の処理を要求しているのはどのような理由によるものか、…有価証券ごとに説明しなさい。

3 平成18年
金融商品に関する会計基準(以下「基準」という。)においては、売買目的有価証券について時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理することとされている。「基準」で示されるこうした会計処理の根拠を、下線部(ア)<実現主義>で要求された会計処理と関連させながら論じなさい。

4 平成26年
「金融商品に関する会計基準」におけるすべての有価証券の評価は同一ではない。「金融商品に関する会計基準」における下線部(ア)<売買目的有価証券の会計処理>に関して、売買目的有価証券は、期末時点で時価が有用な情報と考えられ、かつその評価差額は当期の損益として処理されているが、その理由を説明しなさい。

5 平成28
…このように、有価証券の評価差額の処理方法が売買目的有価証券とその他有価証券とで異なる理由と、その他有価証券の時価が取得原価を下回る評価差額の処理方法が2種類ある理由を述べなさい。

6 令和元年
【択一の選択肢】売買目的有価証券には、継続的な時価評価と時価評価差額の損益認識が求められる。