財務諸表論の合格のために、以前、ご好評をいただいた理論学習法をご紹介します。

(1)重要な論点を把握して、一言でいえるようにする(→(つながる会計理論<第2版>)、超短答式問題

(2)会計基準を参照する(→会計基準を読もう!!

(3)計算とのつながりを考える(→簿記論講座テキスト記事

(4)まとめて問題を解く(→(つながる会計理論<第2版>)、「ラストスパート模試 財務諸表論」

(1)一言が重要

まずは「つながる会計理論」や「超短答式問題」等を実際に解きましょう。

解答の文章をただ覚えるのではなく、理解して、できるだけ短く言える(書ける)のが大事です。

イメージは、筋道をたどって、納得して記憶に残す感じです。


一語で言えるものは一語。

本試験の論述もその延長でほとんど対応できます。

模範解答の一部を修正して、解答を書く方が難しいハズ。

文章の丸覚えは、応用がきかず、解答要求と異なる解答をする危険性が高いです(本試験での点数の上限が5〜6割ほどになるのでは)。

財表理論では、この欠陥が露呈する場合が多く、このことは実際に過去の出題をみれば明らかです。

もちろんできるなら丸暗記でもあんでもよいですが、できないなら短く、簡潔な解答を目指すべきでしょう。




(2)会計基準との関係

試験での会計基準の出題は続いています。

会計基準の本文の穴埋め等も出題されている以上、会計基準を頻繁に参照する学習スタイルをとれるかが重要です。

ただし、すべての会計基準の丸暗記等は不可能ですし、極めて効率が悪いです。

(1)の重要論点を会計基準でも具体的にあたってみましょう。

そのときに実際に規定があれば、会計法規集にマーカー等をするとよいでしょう(付箋の利用もグッド)。

ただし、マーカーはできるだけ絞り、黄色等の薄めの色で細め(1回目)→太め(2回目)という具合にマーカーを入れておくのがいいかも。

会計基準を読む際はハジから全部読めればよいですが、かなり難しいハズ。

具体的な問題を解いたり、確認している際に部分的な参照がよいです。

参照した2〜3行は、しっかり意味をとりながら読み、大事なところは絞ってマーカーです。

ここはどう考えても重要だなというのが問題を解いたりする上でわかったらそこは会計基準を読もう!!などを参照してじっくり読んでみましょう。

一回で集中して読むのは、あまり長い範囲ではなく、できれば1項のみ。

本文の数項と結論の背景の数項程度をセット(全部でも5項程度)を小刻みにやる方が効果は高いです。

本編は取扱いの記述があるだけなのであまり面白くないですが、結論の背景(や意見書)はとても面白いですね。




(3)計算との関係

実際の試験では、計算でしか学習されない項目が理論でも出題されます(税法も)。

計算でしかやっていない項目が理論で出題された場合にそれなり(そんなにスゴイ解答の必要はありません)に解答をするには、普段からある程度の心構えが必要でしょう。

会計基準を媒介に学習を進めていれば、ある程度のリンクがとれるハズ。

計算の確認でも会計基準に規定があるものに関しては、参照をこころがけましょう。

そんな対処の仕方が応用理論対策にもなります。





(4)問題を解く

(1)の一言をベースに同一分野の問題を同時期にたくさん解いてみましょう。

形式は多様な方がよいです。

今後は中心的な形式になりそうな択一もいいですよね。

解答は、実際に書く事も大事です。

こんなの書けるよという項目はいいですが、それでも声に出す(出したつもりでいってみる)程度はしましょう。

また、確認の際にはやはり会計基準の参照を心がけましょう。

大事なのは間違えたり、出来ないときの対処です。

そのときには、ムリに模範解答を覚える必要はありません。

それよりも自分の一言や自分の理解を少し(少しでいいです)引き上げ、解答に近づける感じの方が長期的にみるとよい結果につながるハズです。

できなければ会計基準等で確認した後にやや時間を空けて、もう一度、解いてみる(書いてみる)ことが大事です。

できたつもりではいつまでたっても記憶は定着しません。

問題を解いて(書いて)、会計法規集を見ながらチェックする。

単純な反復ではなく、これを繰り返すことで実戦的な記憶が強化されるハズです。




学習方法は実際には多様ですが、ご紹介した方法は、模範解答の文章と単に覚える学習方法よりも多くの方にとって学習効果が高く(そもそもの得点上限が上がります)、最近の本試験の出題傾向にマッチし、持続性(←これ大事)もあるでしょう。

今の試験傾向からは合格への可能性は遥かに高まるハズ。


実際にはそれに自分なりのアレンジを加えていった方が学習効果も高いでしょう。

自分なりのアレンジを加えて、より効果の高い方法を模索してみてください。