本日は、資本取引の意味って昔と変わったなってのが会計基準から分かるというお話です。
企業会計原則の第一原則三です。
ここに「資本取引」とありますが、厳密な定義は示されていません。
概念フレームワークには、同様の意味を持つ表現はありましたが「資本取引」とはいっていませんでした。
「資本取引」といっているのが「包括利益の表示に関する会計基準」です。
会計基準は、後発のものが優先するので「資本取引」という語が包括利益基準に登場し、その意味が述べられているなら会計基準では、資本取引をそう考えていることになります(たぶん)。
「包括利益の表示に関する会計基準」は、表示の基準ですが、包括利益を定義する関係上、資本取引にも触れています(23〜25項)。
ざっくりは、持分所有者との直接的な純資産の変動取引といったあたりです。
持分所有者の代表は株主であり、株主に限定すれば、株主との直接的な取引が「資本取引」です。
仮に純利益でも通じるように簡潔にいうとすれば「株主間取引」、「株主との直接的取引」が資本取引です。
かつて、剰余性の剰余金(資本的支出に充てられる建設助成金や国庫補助金)がとりあげられることがありました。
純資産基準では、その検討を行っていません(37項)。
資本取引が株主間取引なら、国庫等は株主ではなく、国庫補助金等を受ける取引も資本取引ではありません。
国庫補助金等を受ける取引は、損益取引であり、贈与性の剰余金にはならず、利益です。
このような考え方の背後には、企業がどのような立場で会計を行うかの考え方があります。
株主間取引のみを資本取引と考え、それ以外を損益に関連する取引と考える前提には、企業を株主(ないしはその代理人)の立場で考える会計主体論があります。
このような会計主体論を資本主理論といいます。
一方、剰余性の剰余金を資本とみる考え方の背後には、企業会計を株主の立場ではなく、いわば企業独自の立場で考える見方がありました。
このような会計主体論が企業主体論です。
考え方としては、現行の会計基準は資本主理論(代理人理論)に立ち、そこでの資本取引は、株主間取引に限定されることを確認しておきましょう。
株主間取引は、利益計算に影響を及ぼさないわけですから、例えば自己株式取引から利益は計算されません。
新株予約権の権利行使取引は資本取引ですが、失効は資本取引ではなく、利益です。
会計処理との関係までつながるお話でした。
「資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。」
企業会計原則の第一原則三です。
ここに「資本取引」とありますが、厳密な定義は示されていません。
概念フレームワークには、同様の意味を持つ表現はありましたが「資本取引」とはいっていませんでした。
「資本取引」といっているのが「包括利益の表示に関する会計基準」です。
会計基準は、後発のものが優先するので「資本取引」という語が包括利益基準に登場し、その意味が述べられているなら会計基準では、資本取引をそう考えていることになります(たぶん)。
「包括利益の表示に関する会計基準」は、表示の基準ですが、包括利益を定義する関係上、資本取引にも触れています(23〜25項)。
ざっくりは、持分所有者との直接的な純資産の変動取引といったあたりです。
持分所有者の代表は株主であり、株主に限定すれば、株主との直接的な取引が「資本取引」です。
仮に純利益でも通じるように簡潔にいうとすれば「株主間取引」、「株主との直接的取引」が資本取引です。
かつて、剰余性の剰余金(資本的支出に充てられる建設助成金や国庫補助金)がとりあげられることがありました。
純資産基準では、その検討を行っていません(37項)。
資本取引が株主間取引なら、国庫等は株主ではなく、国庫補助金等を受ける取引も資本取引ではありません。
国庫補助金等を受ける取引は、損益取引であり、贈与性の剰余金にはならず、利益です。
このような考え方の背後には、企業がどのような立場で会計を行うかの考え方があります。
株主間取引のみを資本取引と考え、それ以外を損益に関連する取引と考える前提には、企業を株主(ないしはその代理人)の立場で考える会計主体論があります。
このような会計主体論を資本主理論といいます。
一方、剰余性の剰余金を資本とみる考え方の背後には、企業会計を株主の立場ではなく、いわば企業独自の立場で考える見方がありました。
このような会計主体論が企業主体論です。
考え方としては、現行の会計基準は資本主理論(代理人理論)に立ち、そこでの資本取引は、株主間取引に限定されることを確認しておきましょう。
株主間取引は、利益計算に影響を及ぼさないわけですから、例えば自己株式取引から利益は計算されません。
新株予約権の権利行使取引は資本取引ですが、失効は資本取引ではなく、利益です。
会計処理との関係までつながるお話でした。
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