分配可能額=直近の期末剰余金の額
      −分配可能額からの控除額
      ±効力発生日までの株主資本の計数の変動額


今回は、前期末後に自己株式を処分した場合の話です。
結論的には、分配可能額に影響はありません。


具体的にみておきましょう。

<自己株式の処分>

前期末残高:現金預金100 資本金100 繰越利益剰余金100 自己株式△100


分配可能額は剰余金(繰越利益剰余金)100−自己株式100=ゼロ です。


自己株式を150で処分

(借)現金預金150 (貸)自己株式100
              その他資本剰余金50

直後の残高:現金預金250 資本金100 その他資本剰余金 50繰越利益剰余金100


今、試算表の数字に着目すると分配可能額が繰越利益剰余金とその他資本剰余金の分だけ増えそうです。

しかし、結論的には、自己株式の処分によって分配可能額は変化しません。

というより変化させません。

というのもこれが決算を経ていないからです。

自己株式の取得は取締役会等による機動的な取得が可能ですが、株主総会の決議も経ずに、取締役会等による行為で分配可能額が自動的に増えるのはマズイといったところでしょうか。

通常の資産の売却益なんかも資産を売ったからといってすぐに分配可能額に反映するわけではなく、決算を経てはじめて分配可能額が増えます。


ここのやり方は、会社計算規則とは異なっていますので、詳細は会社計算規則をご覧ください(って、みない方がいいかも)。

自己株式だけまとめておきますと、

取得したら減額、消却・処分は影響なし。

これだけです。


まあ、もう少し簡単な理屈づけを。

取得は、株主資本のマイナスだからマイナス。

消却は特に意味のない行為なんでそのまま。

処分は増えてもよさそうだけど増やさないことにしているといった感じでしょうか。



分配可能額の計算(12)


分配可能額の計算(1)