分配可能額=直近の期末剰余金の額
      −分配可能額からの控除額
      ±効力発生日までの株主資本の計数の変動額


今回は効力発生日までの株主資本の計数の変動額についてみていきます。
会社法では、配当以外に株主資本の計数(要は内訳)を期中に変動させることができます。

勝手に(いや株主総会の決議で)株主資本の内訳を変えられるってことです。

これを「株主資本の計数の変動」といいます。

以前は、利益処分(基本は年1回)でしか基本的にできませんでした。

この株主資本の計数の変動に伴って、剰余金が変動するケースがあります。


分配可能額の計算のスタートは、前期末の剰余金です。

実際の対象になるのはその後の効力発生日(として定める日=支払予定日)の剰余金です。

前期末から効力発生日までに剰余金が変動すればそれも加減します。

効力発生日の剰余金を求めてるんですね。


いずれも仕訳ベースで剰余金と準備金がどうなっているのかに着目すればよいです。

剰余金の動きだけでも大丈夫。

剰余金の減+準備金の増 ⇒ 剰余金の減(分配可能額の減)

剰余金の増+準備金の減 ⇒ 剰余金の増(分配可能額の増)

株主資本の計数(内訳)の変動は、資本と利益の区別を害しない限り、認められますので、会社が行った処理に注目するだけです。

ざっくりと典型例をみておきましょう。


(1)資本金・準備金を減少⇒剰余金を増加

資本金・資本準備金を減少させて、その他資本剰余金を増加させるケースです。

例)(借)資 本 金×× (貸)その他資本剰余金××


利益準備金を減少させて、その他利益剰余金を増加させるケースです。

例)(借)利益準備金×× (貸)繰越利益剰余金××


(2)剰余金を減少⇒資本金・準備金を増加

その他資本剰余金を減少させて、資本金・資本準備金を増加させるケースです。

例)(借)その他資本剰余金×× (貸)資本金××


その他利益剰余金を増加させて、利益準備金を増加させるケースです。

例)(借)繰越利益剰余金×× (貸)利益準備金××


(3)剰余金が増減しない場合

結果として剰余金が増減しない(チャラ)ときは、分配可能額に変化はありません。

その他利益剰余金のマイナスをその他資本剰余金で補てんするケースです。

(借)その他資本剰余金×× (貸)その他利益剰余金××


その他資本剰余金のマイナスを決算でその他利益剰余金から減額する処理ケースです。

(借)その他利益剰余金×× (貸)その他資本剰余金××


<結論>
仕訳をしたときに、剰余金がトータルで増えていればプラス、減っていればマイナス。


それだけです。



分配可能額の計算(9)



分配可能額の計算(1)