ここ数年、簿記論、財務諸表論ともに学習範囲は広がるばかりです。

トータルの標準的な講義時間等は変っていないので、学習からもれる項目もないとはいえないでしょう。

知らない問題が出たときの対処を考えてみました。
まずは、本試験での対処です。


(1)簿記論

簿記論で未学習の項目が出たときほど問題をよく読みましょう。

これまでも個別項目では知らなくても問題の指示を素直によめばできる問題は少なくありません。

ただ、実際の解答段階で考え込むのは禁物です。

問題の指示をよんでできるならよいですが、そうでなければ処理等を考える時間はない位に考えた方がよいかもしれません。



余り学習の進んでいなかった分野が出たら、それ以外でできる箇所をしっかりこなしましょう。

かつて第三問(総合問題)で株式交換の出題がありました。

資料もかなりありましたが、結論をいうと株式交換の部分を全部とばしても合格ラインには届く問題です。

また、キャッシュ・フロー計算書がはじめて出題されたときも仮に学習が不十分でも3分の2程度は手がつけられました。

簿記論の場合には、全体の量が多いので決してあきらめず、とれるところをとるという姿勢が大事でしょう。



(2)財務諸表論

やっかいなのは理論です。

やはりまるで手をつけていない分野の出題はビビリます。

こんなときはどうすればよいでしょうか。


まず、白紙は禁物です。

とにかく部分的にでも何か書いてこないと。

25点問題を全部白紙なんてのは絶対ダメです。

理論で未学習だけど計算で触れている項目であるなら計算を思い出しながらあることないこと書いてきましょう。

伝統的な視点なら損益計算が重要というところに何とか関連付けられないか考えましょう。

発生、実現、対応、配分といった基礎概念とつなげられそうならつなげる。

ダメそうなら適正な期間損益計算のためと書いておきましょう(これ鉄板)。

新しめの論点なら投資家の投資意思決定とか、比較可能性とか書いておけばいいです(って、いい加減な)。

でも白紙を回避できるだけでもよしとしましょう。



もう一つ考えておきたいのがそれ以前の学習段階の話です。

理論については、広く浅くが資格学習での鉄則です。

「広く浅く」+「ヤマ的な項目を深く」

これがスタンダードでしょう。


計算でも理論でもいえることですが、答練等の問題の検討段階でもおやって思ったらテキストや会計基準に戻ることも重要です。

極めてシンプルで、ちょっと面倒ではありますが、効果はむろんあります。

問題を解くことのみに意識がいっていれば、その問題に近い問題が出たときしか歯が立ちません。

少し(少しでいいです)でもその周りをたどっていれば、たとえば計算の学習が理論の対処になっているハズ。

私も財務諸表論ではありませんが、税法科目で理論で未学習の項目が出て助かった経験があります。

理論の最終手段(適正な期間損益計算等)を使う前に、腰をすえた学習を目指しましょう(これは答練期でも変りません)。



【試験での対処】
(1)簿記論
死力を尽くす

(2)財務諸表論
計算からひっぱる
ダメなら期間損益計算、投資意思決定、比較可能性で勝負する

【試験以前の対処】
確認にできるだけテキストや会計基準を利用する