皆さんは、非課税と免税の違いをご存知ですか?

所得や消費をかじった方ならご存知でしょうか。

両方とも税金がかからない点は同じですが、実はちょっと違います。

非課税が所得(や売上)ベースで課税されないのに対して、免税は、いわばゼロ税率課税です。

非課税と免税では、結局、所得等が異なり、他の規定への影響が違うんですね。

このゼロ税率課税から連想したのが「ゼロの認識」です。
認識は、財務諸表の構成要素(資産等)を捕まえる話です。

財務諸表における認識は、どの期の財務諸表という話に集約されます。

その意味では、「いつ」の問題といってもよいでしょう。

「ゼロの認識」は、認識はするけれど、いわばゼロで測定する項目です。

まあ、当初の段階ではゼロなんで、そんなの必要?という感じはしますね。

具体的には、差金決済されるデリバティブなんかが該当します。

差金決済は、支払と受取が見合いの場合に純額だけの支払(受取)を行う決済の方法です。

外貨取引の為替予約(デリバティブの一種です)を行ったとき、独立処理では、仕訳なしでした。

これは、いわば為替予約をゼロで認識しているのと同じで、はじめから何も認識していないという感じではありません。

それでは、「認識しないこと」と「ゼロで認識すること」との違いはどこにあるのでしょうか。



認識すらされていないものは、その後に何か変化があっても何かするわけではありません。

たとえば、商品の仕入契約をかわしただけでは、何ら認識は行われません。

その後に商品の時価が変化しても商品を実際に仕入れるまで何もしません。

しかし、ゼロで認識した為替予約は、その後の時価変動によって損益を認識しました。

つまり、ゼロ認識の項目は、その差額が成果と考えられるなら、損益を認識し、その分の資産・負債を増減させるのです。

何も認識しないケースとゼロ認識では、このような違いがあります。

こんな意識で概念フレームワークの第4章5項を読むと意味がよくわかりますね。


認識をしない場合とゼロで認識をする場合の違いについてでした。