皆さんは、推定簿記(勘定推定の入るやつ)をどうこなしていますか?

推定簿記で覚えることなんかありませんよね。

ちょっと気になったので、記事にしてみました。

勘定推定というのは、勘定の差額である箇所を算定し、それを元に他の箇所を算定するといった類の出題です。

ちょっと自分の受講生ではない方と話していて、ビックリしました。

勘定の位置に何がくるかを覚えているとのこと。

勘定記入は仕訳を転記したものに過ぎません。

仕訳ができないならともかく、覚えるというのはちょっと納得できません。

推定簿記で覚える項目なんてないハズです。




具体的に考えてみましょう。

支払家賃の例です。

勘定記入は、こんな感じです(番号は便宜上)。

       <支払家賃>
(2)借:前払家賃 (4)貸:損  益
(3)借:現金預金 (1)貸:前払家賃

どうも、借方の前払家賃が前期前払で、貸方の前払家賃が当期前払とか覚えているようなのです。


(1)貸方の前払家賃は、決算整理仕訳の相手科目に過ぎません。

(借)前払家賃 (貸)支払家賃


(2)借方の前払家賃は、再振替仕訳(前期末の逆仕訳)ですから、決算時と逆の仕訳の支払家賃の相手科目です。

(借)支払家賃 (貸)前払家賃



(3)借方の現金預金は、支払時の支払家賃の相手科目です。

(借)支払家賃 (貸)現金預金



(4)貸方の損益は、損益振替ですね。

(借)損  益 (貸)支払家賃



こうやって書くと確かにめんどくさいですね(汗)。

何がいいたいのかというと、仕訳さえできれば、勘定記入を勘定記入として別個に考える必要はないということです。

ましてや勘定に何が記入されるのかを覚えたりする必要もないハズです。

もちろん、はじめてなら、この支払家賃の処理がゆっくりしかできなくてもかまいません。

確かに面倒ですのでまごつくでしょう。

しかし、未払や他の項目も同じなので、慣れれば必ず早くなります。

仕訳を思い浮かべて勘定に転記したらという感じで勘定復元があっさりできるくらいの仕訳スピードがないとそもそも推定簿記以外の色んな局面できついのではないかと心配になってしまいます。

とにかく覚えなくてよいことを覚えるというのは、よくないです。

様々な問題について、できるだけ仕訳を経由させて考えたり、解いた方が仕訳の力は強くなるでしょう。

最初の敷居がちょっと高いからといって、覚えなくてよいことを覚えることでかえって仕訳に強くなる機会を逃している可能性があると思います。


結論。

勘定推定で余計なことは覚えない。

地味に仕訳からいく。

そうすることで仕訳も強くなる。

それが簿記に強くなるコツです(たぶん)。