昨年の財務諸表論の理論は、第一問が資産の評価全般、第二問は引当金でした。

昨年の出題をみて、今後、会計基準とどのように付き合っていけばよいのか考えてみました。

結論は、タイトルどおりです。
昨年の第一問は、資産の評価を問う出題でした。

具体的な会計基準を直接的な題材にしたものではなく、ここ2年と同様に穴埋めの文章が作文(基準等の文章ではない)です。

ここのアプローチを会計基準をベースに考えるとやや整理がしにくくなっています。

時価は、単一市場の場合と市場が区別される場合がきれいに整理されている会計基準はないと思います。

たとえば、金融商品会計基準では、単一市場を前提とし、棚卸資産基準では市場が区別される場合を前提としています。

棚卸資産基準は、前年に出題されているので、やや意識が薄いケースも少なくないでしょう(って、私か?)。

でも、概念フレームワークでは、きれいに整理されています。

概念フレームワークを普段の学習に取り入れていくか、各基準をしっかり読むというスタンスでないとアプローチしにくかったのではないでしょうか。


第二問は、引当金の出題でした。

引当金はまさに伝統的な会計学(動態論・収益費用アプローチ)の典型的な論点です。

規定としては、企業会計原則の注解18がメインです。

「負債性引当金等に係る企業会計原則注解の修正に関する解釈指針」にかなり関連する記述があるのですが、これにはなかなか手が回らない気がします。

注解18の確実な理解でどこまでアプローチできたかが勝負なのかもしれません。



さて、昨年の二問を振り返ってみると「××基準」と題された会計基準以外にも、企業会計原則(の生きている部分)と概念フレームワーク(特に第三章と第四章)は必要といえると思います。

企業会計原則や概念フレームワークを含めた会計基準をしっかり学習することが財務諸表論学習の中心といってよいのではないかと思います。

安心して会計基準を読みましょう。




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