概念フレームワーク、読んでますか?
今回は、利用価値についてです。
今回は、利用価値についてです。
(1)利用価値の定義
利用価値は、資産の利用を想定した価値です。
固定資産であれば、これを使うことを想定した価値です。
具体的には、資産を利用した場合の将来キャッシュフローを割り引いて計算します。
利用価値は、使用価値ともいいます(減損で登場します)。
どちらも意味は同じです。
(2)利用価値の意味
利用価値は、市場価格とともに、資産の価値を表す代表的な指標です。
市場価格が、市場というフィルターを通した客観的なものであるのに対して、利用価値は、見積りが入った主観的な価値です。
ここがとても大きな違いといえます。
市場価格との関係を算式で示すと次のとおりです。
利用価値=市場価格+のれん価値
のれん価値は、市場価格を超える利用価値です。
企業は、ある資産に市場価格を超える価値(利用価値)を見出すからこそ、購入(投資)するハズです。
ある資産には、のれん価値がある。
だからその資産を買うわけです。
利用価値は、個々の資産の価値ではなく、貸借対照表に計上されていない無形資産も含んだ企業全体の価値を測定する必要がある場合に利用されます。
取得原価を超える利用価値で資産を測定した場合は、自己創設のれんが計上されます。
概念フレームワークにおける財務報告の目的は、事実の開示にあり、自己創設のれんを計上することは想定されていません。
(3)利用価値の変動額
仮に将来に関する期待が変らなければ、利用価値の変動額は、この投資額に対する正常なリターンの額(資本コストに見合う額)に等しくなります。
なかなか難しいですが、たとえば、株式の配当落ちをイメージするといいかもしれません。
株式は、配当金をもらうと(権利が確定すると)その分だけ株価が下がります。
余り、値動きの激しい株式だとわかりにくいですが、たとえば、電力株(今、違いますが)なんかは、割ときれいに配当金部分の株価が落ちます。
これが配当落ちです。
株価と株式からのリターン(配当)がリンクしているイメージはわくかもしれません。
その期待が期中で変化した場合は、正常なリターンに加えて、期待の変化が、経営者の主観的な見込みだけで、その変動額に算入されます。
配当の場合には、確定した金額だからよいですが、将来の見込みだけで変動額、つまりは損益が変ってしまいます。
これはまずいです。
経営者の見込みだけで、損益が変るのはまずいです。
しかも、ある期で上と見積って、次の期で実際に下と修正して、通期では正しかったとしても、2期の損益はグチャグチャになってしまいます。
財務報告の目的に照らすと、主観的な見積りを事実の代理とするしかない例外的なケースに限られます。
(4)利用価値が使用されるケース
現状で利用価値が使われるのは、固定資産の減損会計です。
減損会計で使用される使用価値ですね。
固定資産の減損会計で利用価値が使用されるのは、あくまでも事実の代理指標としてであって、積極的に利用価値を測定するものでも、また、自己創設のれんを計上するものでもありません。
利用価値の理解は、のれん(価値)の理解に不可欠です。
資産負債アプローチと呼ばれる立場を突き詰めていけば、どこかで自己創設のれんをのせたっていいんじゃないの?という考え方もでてきかねないでしょう。
しかし、概念フレームワークは、そう考えていません。
そのような理解の背後には、推定値を含む利用価値を開示するのが会計の役割ではないという考え方があるといってよいでしょう。
そうだ、会計基準を読もう!(利用価値が積極的に使われることはありません)
・会計基準を読もう!!<目次>
利用価値は、資産の利用を想定した価値です。
固定資産であれば、これを使うことを想定した価値です。
具体的には、資産を利用した場合の将来キャッシュフローを割り引いて計算します。
利用価値は、使用価値ともいいます(減損で登場します)。
どちらも意味は同じです。
(2)利用価値の意味
利用価値は、市場価格とともに、資産の価値を表す代表的な指標です。
市場価格が、市場というフィルターを通した客観的なものであるのに対して、利用価値は、見積りが入った主観的な価値です。
ここがとても大きな違いといえます。
市場価格との関係を算式で示すと次のとおりです。
利用価値=市場価格+のれん価値
のれん価値は、市場価格を超える利用価値です。
企業は、ある資産に市場価格を超える価値(利用価値)を見出すからこそ、購入(投資)するハズです。
ある資産には、のれん価値がある。
だからその資産を買うわけです。
利用価値は、個々の資産の価値ではなく、貸借対照表に計上されていない無形資産も含んだ企業全体の価値を測定する必要がある場合に利用されます。
取得原価を超える利用価値で資産を測定した場合は、自己創設のれんが計上されます。
概念フレームワークにおける財務報告の目的は、事実の開示にあり、自己創設のれんを計上することは想定されていません。
(3)利用価値の変動額
仮に将来に関する期待が変らなければ、利用価値の変動額は、この投資額に対する正常なリターンの額(資本コストに見合う額)に等しくなります。
なかなか難しいですが、たとえば、株式の配当落ちをイメージするといいかもしれません。
株式は、配当金をもらうと(権利が確定すると)その分だけ株価が下がります。
余り、値動きの激しい株式だとわかりにくいですが、たとえば、電力株(今、違いますが)なんかは、割ときれいに配当金部分の株価が落ちます。
これが配当落ちです。
株価と株式からのリターン(配当)がリンクしているイメージはわくかもしれません。
その期待が期中で変化した場合は、正常なリターンに加えて、期待の変化が、経営者の主観的な見込みだけで、その変動額に算入されます。
配当の場合には、確定した金額だからよいですが、将来の見込みだけで変動額、つまりは損益が変ってしまいます。
これはまずいです。
経営者の見込みだけで、損益が変るのはまずいです。
しかも、ある期で上と見積って、次の期で実際に下と修正して、通期では正しかったとしても、2期の損益はグチャグチャになってしまいます。
財務報告の目的に照らすと、主観的な見積りを事実の代理とするしかない例外的なケースに限られます。
(4)利用価値が使用されるケース
現状で利用価値が使われるのは、固定資産の減損会計です。
減損会計で使用される使用価値ですね。
固定資産の減損会計で利用価値が使用されるのは、あくまでも事実の代理指標としてであって、積極的に利用価値を測定するものでも、また、自己創設のれんを計上するものでもありません。
利用価値の理解は、のれん(価値)の理解に不可欠です。
資産負債アプローチと呼ばれる立場を突き詰めていけば、どこかで自己創設のれんをのせたっていいんじゃないの?という考え方もでてきかねないでしょう。
しかし、概念フレームワークは、そう考えていません。
そのような理解の背後には、推定値を含む利用価値を開示するのが会計の役割ではないという考え方があるといってよいでしょう。
そうだ、会計基準を読もう!(利用価値が積極的に使われることはありません)
・会計基準を読もう!!<目次>
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