概念フレームワーク、読んでますか?

今回は、認識に求められる蓋然性についてです。
蓋然性(がいぜんせい)は、ちょっと言葉が難しいですが、可能性(に近い)でしょうか。

厳密には、可能性は、単にあるなし。

蓋然性は、その程度を示すという使い分けが正確なようです。

要は「確率」ですね。

概念フレームワークでは、「一定程度の発生可能性(蓋然性)」としています。

とりあえずは、「可能性が高い」という感じでよいでしょう。



現実に起こった出来事のみを基礎にすれば財務諸表も確実です。

実際に起こるかはとても微妙なことまで財務諸表に反映させる。

これでは、出来上がった財務諸表も奇妙なものになりかねません。

ただ、実際の財務諸表は、事実のみを基礎にしているわけでもありません。

たとえば、引当金を設定する際は、まだ、将来、起こるかわからない出来事を基礎にします。

でも一定程度の発生可能性(蓋然性)があるなら(正確には注解18の要件を満たすなら)、引当金を設定すべきです。

このような場合、どこまで対象を取り込むかはなかなか難しい問題でしょう。

その線引きを量できちんと示すことはできませんが、有用であることと正確性との綱引きといってよいのかもしれません。

固定資産の減損にも同様の考え方がとられています(認識の判定:蓋然性基準)。



そうだ、会計基準を読もう!(構成要素を認識するためには一定程度の発生の可能性(蓋然性)が必要です)



会計基準を読もう!<目次>