概念フレームワーク、読んでますか?

今回は、認識に関する制約条件の一つ、認識の契機についてです。
まずは、3項をみておきましょう。

第3章「財務諸表の構成要素」の定義を充足した各種項目の認識は、基礎となる契約の原則として少なくとも一方の履行が契機となる。さらに、いったん認識した資産・負債に生じた価値の変動も、新たな構成要素を認識する契機となる。



なんだか難しいですね。

これは、簿記でいうところの「契約だけでは仕訳なし」に近いです。

簿記の3級の最初にやりました(たぶん)。

当座借越契約を締結して「仕訳なし」。

なんじゃそりゃ、と思った方も多いのではないでしょうか。

契約をしただけでは、「仕訳なし」。

商品販売契約も同様です。

実際に商品を仕入れて(契約を履行して)、はじめて仕訳をします。

実際の行為があってはじめて、財務諸表にのせるきっかけができるんですね。

概念フレームワークは、仕訳ベースではなく、財務諸表ベースです。

あくまでも財務諸表がどうなるかが大事ですが、基本的には、簿記の最初の話と同じです。



もっとも、履行(何かした)だけを契機(きっかけ)に認識が行われるわけではありません。

いったん認識された(財務諸表に計上された)項目の値段が下がった。

こんな場合は、評価損を計上したりします。

有価証券の評価なんかですね。



それでは、伝統的に「契約だけでは仕訳なし」だったのは何故でしょうか。

契約だけだと実際に履行されない場合もあったりして、契約をベースにすると怪しいからということでしょう。

基本的には、契約だけではなく、その履行をまって、認識が行われるのです。



もっとも金融商品については、契約の締結時に発生が認識されます。

有価証券なんかですね(約定日基準)。

デリバティブがちょっと変わっていて、契約の締結時には会計処理をしません。

これはむしろ契約締結時にはゼロで認識していると考えるとよいかもしれません。



そうだ、会計基準を読もう!(契約なければ仕訳なし!みたいな感じ)



会計基準を読もう!<目次>