概念フレームワーク、読んでますか?

今回は、財務報告の目的による制約の話です。
貸借対照表と損益計算書は、「投資のポジションと成果」を表しています。

その構成要素の定義を示すのが第3章です。

定義は、「ことば」で示します。

もしかすると意図しないものも含まれるかもしれません。

定義を満たしていても、財務諸表に計上するとは限りません。

では、どんなケースで定義を満たしても、財務諸表に計上されないのでしょうか。

概念フレームワークでは、その例として「自己創設のれん」をあげています。



「のれん」は、企業の超過収益力を資産化したものです。

対価を支払って取得するのれんが「買入のれん」、そうでないのれんが「自己創設のれん」です。

買入のれんは計上するけれども、自己創設のれんは計上しないというのが財務会計の基本的なルールです。

自己創設のれんは、ことばの定義だけからいくと構成要素(資産)に該当してしまいます。

しかし、財務報告の目的は、あくまでも事実の開示にある。

自らの将来の収入を予想してそれを財務諸表に反映させることは、基本的に想定していません。

これでは自己評価、自己申告になってしまいます。

これはマズイというのが概念フレームワークの立場です。

自己創設のれんは、定義からは構成要素(資産)に該当する。

けれども、事実の開示という財務報告の目的から資産に含まれることはありません。

これから構成要素の定義をみていきますが、目的との関連で制約がある点を理解しておきましょう。


そうだ、会計基準を読もう!(自己創設のれんはダメだめだよ♪)



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