概念フレームワーク、読んでますか?

今回は、内的整合性の話です。

内的整合性は、意思決定有用性の一般的制約(最低条件)となる特性です。

まあ、矛盾してないといった感じでしょうか。



内的整合性は、もう少し正確には、「基本的な考え方」と会計基準が矛盾しないことを指します。

従来の会計基準と新しい会計基準がいずれも「基本的な考え方」に基づくものであれば、会計基準間には相互矛盾もありません。



これまでの会計基準   新しい会計基準

    ↑          ↑

「基本的な考え方」  「基本的な考え方」



新しい会計基準をつくる場合は、事前にその会計基準による会計情報が有用か(意思決定との関連性や信頼性を持つか)を判断します。

これまでの会計基準と矛盾がなければ(整合性があるなら)有用と考えられる場合もあるでしょう。

たとえば、リース会計基準の導入には、このような視点があったといわれます。

保有して、使用している固定資産は、資産計上して減価償却します。

これと同じような経済実態をもつリースについて、同様の会計処理を行うことは「固定資産を資産計上し、減価償却をすること」が有用ならば、同様に有用なハズでしょう。

このように内的整合性は、意思決定との関連性や信頼性について、状況証拠的にこれらの特性を有するか(→有用か)の判断をする意味があります。



内的整合性で参考にするのは、「基本的な考え方」です。

概念フレームワークがそもそも財務会計の基本的な考え方をまとめたものなので、ちょっと意味がとりにくいかもしれません。

「基本的な考え方」の重要部分は、概念フレームワークに書いてあります。

でも、書いてない部分もあるかもしれないです。

また、書いてあっても時代に合わなくなる部分もでてくるでしょう。

ですので、固定化された概念フレームワークということではなく、「基本的な考え方」と矛盾しないという言い方をしているんですね。

ずいぶん遠慮がちです。


そうだ、会計基準を読もう!(内的整合性は「矛盾なし!」←結局これ)


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