概念フレームワーク、読んでますか。

今回から概念フレームワークで多分もっともわかりにくいだろう質的特性の話です。

まずは、簡単な概要からです。

概念フレームワークは、まず、財務報告の目的の記述からスタートしました。

財務報告の主目的は、投資家の投資意思決定に資することです。

会計報告の目的が投資意思決定目的にあるなら、会計情報の持つ特性もその目的に有用であるべきでしょう。

概念フレームワークでもっとも重視される会計情報の基本的な質的特性が「意思決定有用性」です。

ただ、この意思決定有用性だけでは、抽象的でよく分からない面があります。

そこで、概念フレームワークでは、この意思決定有用性を上位概念として、その下位概念に複数の質的特性を用意しました。

二段構えにしたんですね。

意思決定有用性の下位概念が「意思決定を支える特性」と「一般的制約となる特性」です。

意思決定を支える特性(意思決定との関連性、信頼性)と一般的制約となる特性(内的整合性、比較可能性)については、改めてふれることにします。

抽象的な意思決定有用性がきちんと働くようにもう少し細かい特性も考えようということでしょう。



概念フレームワークで繰り返し語られているのは、質的特性とその目的との関連です。

会計情報の質的特性をより細かく規定する。

いろんな性格が出てきます。

そのうちの一つの特性を追求するあまり、財務報告の目的が疎外されてはならないと考えているのでしょう。

あくまでも投資家の投資意思決定に資するという目的を達成するために、会計情報の質的特性が規定されているのです。

質的特性にどのようなものがあるのか。

その相互関係はどうなっているのか。

そんな視点で次回から具体的な質的特性をみていきましょう。


そうだ。会計基準を読もう!(まずは質的特性の名称を覚えてしまうのは手です)


会計基準を読もう!<目次>