概念フレームワーク、読んでますか?
今回は、ディスクロージャー制度(開示制度)と財務報告の目的の話です。
今回は、ディスクロージャー制度(開示制度)と財務報告の目的の話です。
概念フレームワークは、ディスクロージャー制度(開示制度)をどのようにみているのでしょうか。
上場会社には、財務諸表の開示が義務づけられていますが、なぜ、財務諸表の開示が求められるのでしょうか。
ディスクロージャー制度は、なぜ存在するのでしょうか。
概念フレームワークでは、ディスクロージャー制度を市場の機能障害を解消するために、経営者の私的な情報開示を推進する制度とみています。
経営者は、情報をたくさんもっているけど、投資家は、情報をもっていない。
このようないわば情報格差が「情報の非対称性」です。
情報の非対称性があると市場はうまく機能しません。
しかし、情報の非対称性を少なくすれば、市場が上手く動くハズ。
ディスクロージャー制度は、経営者と投資家における情報の非対称性を緩和して、市場をうまく機能させるための情報開示システムである。
概念フレームワークは、このようにディスクロージャー制度をとらえています。
やや脱線気味ですが、「情報の非対称性」の意味について、考えておきましょう。
情報の非対称性を説明するときによく用いられるのが、中古車市場の例です(アカロフのレモン市場ってやつです)。
新車とは異なり、中古車市場では、その中古車の状態が大きな意味を持ちます。
まったく同じ、車種、年式の車でもあまり乗っていない「ピカピカ」のものから一部、不具合を抱えている「ポンコツ」まで、さまざまでしょう。
その状態に応じた価格が付くのが好ましいでしょう。
かつて、アメリカの中古車市場では、粗悪品が出回る率が高かったようです。
粗悪品は俗にレモン(すっぱい)、良品をピーチ(あまい)といいます。
中古車の状態に関する情報は、売り手がもっています。
これに対して、買い手は、売り手の示す情報を信頼するしかありません。
売り手が情報で優位に立つ中古車市場では、レモン(粗悪品)が出回る率が高いというのです。
買い手は情報をもっておらず、これを利用して、粗悪品であることを黙って高めに売る人が多かったのでしょう。
情報をもっている人がそれを隠して(情報の優位を利用して)、自分に有利な行動に出る。
情報の非対称性がもたらす弊害です。
このように経済行為の対象者間に情報の非対称性があると、情報の優位者(この場合は売り手)が、情報を隠して、自らに有利な行為を行う可能性があります。
市場の機能障害を取り除くには、売り手がきちんと情報を提供するシステムをつくる必要があるでしょう。
情報の非対称性という言葉を使って説明すれば、情報の非対称性を緩和して、市場の機能障害を排除する必要があるのです。
情報の非対称性(この場合は、売り手のみがレモンを知っている)が存在すると売り手にこれを利用した行為を行う動機を持たせます。
このような例は、グルーポンやネットオークションなどによく当てはまりそうです。
アマゾンの中古市場もそうですね。
たとえ話が長くなりましたが、会計情報の開示も基本的には、同じでしょう。
情報をもっている人(売る人→企業)がこれをきちんと示す。
そうすれば市場がうまく機能する。
投資家の予想材料(の一つである財務諸表)がしっかり開示される必要があると概念フレームワークは考えているのです。
投資家は、リスクを負って企業に投資をします(株等を買う)。
企業にお金を出す以上、実際に企業がどのような投資を行い、どれだけもうけているのかを知りたいでしょう。
その情報をもっているのは企業です。
企業の過去情報としての財務情報を参考資料の一つとして投資家は投資を行います。
その投資家の投資判断の参考に資するのが財務報告の目的です。
もちろん投資は自己責任ですが、いい加減な情報しか開示されていなくて、自己責任ではたまりません。
情報の非対称性は完全にはなくならないでしょうが、きちんとした情報を開示してこれを緩和し、投資家が自己責任で投資判断を行えるようにする。
そうすることで市場がうまく機能するというわけです。
このように財務情報の開示システムは、情報の非対称性を緩和し、市場の機能障害を取り除くためのものです。
ここで開示される財務情報のうち、概念フレームワークが重視しているものが何かもあわせて考えておきましょう。
このことは、現在の会計基準を理解するうえでも重要です。
企業が開示する財務情報で概念フレームワークがもっとも重視しているのは、フローとしての利益情報(純利益)です。
投資家は、将来キャッシュフローを予測して企業価値を評価します。
この将来キャッシュフローの予測には、利益情報が広く用いられています。
この利益情報が大事だと概念フレームワークは考えています。
利益をどれだけのストックで生み出したのかという意味ではストックの情報も重視されます。
フローが大事で、ストックを従とみているんですね。
概念フレームワークがディスクロージャー制度をどのようにみているのか(証券市場をうまく動かすための開示システム)。
そして、そこで何がもっとも重視されるのか(フロー=純利益)。
しっかりと確認しておきましょう。
そうだ、会計基準を読もう!(ディスクロージャ制度は、情報の非対称性を緩和する開示システムでフローが重視されてるんだ。)
・会計基準を読もう!<目次>
上場会社には、財務諸表の開示が義務づけられていますが、なぜ、財務諸表の開示が求められるのでしょうか。
ディスクロージャー制度は、なぜ存在するのでしょうか。
概念フレームワークでは、ディスクロージャー制度を市場の機能障害を解消するために、経営者の私的な情報開示を推進する制度とみています。
経営者は、情報をたくさんもっているけど、投資家は、情報をもっていない。
このようないわば情報格差が「情報の非対称性」です。
情報の非対称性があると市場はうまく機能しません。
しかし、情報の非対称性を少なくすれば、市場が上手く動くハズ。
ディスクロージャー制度は、経営者と投資家における情報の非対称性を緩和して、市場をうまく機能させるための情報開示システムである。
概念フレームワークは、このようにディスクロージャー制度をとらえています。
やや脱線気味ですが、「情報の非対称性」の意味について、考えておきましょう。
情報の非対称性を説明するときによく用いられるのが、中古車市場の例です(アカロフのレモン市場ってやつです)。
新車とは異なり、中古車市場では、その中古車の状態が大きな意味を持ちます。
まったく同じ、車種、年式の車でもあまり乗っていない「ピカピカ」のものから一部、不具合を抱えている「ポンコツ」まで、さまざまでしょう。
その状態に応じた価格が付くのが好ましいでしょう。
かつて、アメリカの中古車市場では、粗悪品が出回る率が高かったようです。
粗悪品は俗にレモン(すっぱい)、良品をピーチ(あまい)といいます。
中古車の状態に関する情報は、売り手がもっています。
これに対して、買い手は、売り手の示す情報を信頼するしかありません。
売り手が情報で優位に立つ中古車市場では、レモン(粗悪品)が出回る率が高いというのです。
買い手は情報をもっておらず、これを利用して、粗悪品であることを黙って高めに売る人が多かったのでしょう。
情報をもっている人がそれを隠して(情報の優位を利用して)、自分に有利な行動に出る。
情報の非対称性がもたらす弊害です。
このように経済行為の対象者間に情報の非対称性があると、情報の優位者(この場合は売り手)が、情報を隠して、自らに有利な行為を行う可能性があります。
市場の機能障害を取り除くには、売り手がきちんと情報を提供するシステムをつくる必要があるでしょう。
情報の非対称性という言葉を使って説明すれば、情報の非対称性を緩和して、市場の機能障害を排除する必要があるのです。
情報の非対称性(この場合は、売り手のみがレモンを知っている)が存在すると売り手にこれを利用した行為を行う動機を持たせます。
このような例は、グルーポンやネットオークションなどによく当てはまりそうです。
アマゾンの中古市場もそうですね。
たとえ話が長くなりましたが、会計情報の開示も基本的には、同じでしょう。
情報をもっている人(売る人→企業)がこれをきちんと示す。
そうすれば市場がうまく機能する。
投資家の予想材料(の一つである財務諸表)がしっかり開示される必要があると概念フレームワークは考えているのです。
投資家は不確実な将来キャッシュフローへの期待のもとに、自らの意思で自己の資金を企業に投下する。その不確実な成果を予測して意思決定をする際、投資家は企業が資金をどのように投資し、実際にどれだけの成果をあげているかについての情報を必要としている。経営者に開示が求められるのは、基本的にはこうした情報である。財務報告の目的は、投資家の意思決定に資するディスクロージャー制度の一環として、投資のポジションとその成果を測定して開示することである。
投資家は、リスクを負って企業に投資をします(株等を買う)。
企業にお金を出す以上、実際に企業がどのような投資を行い、どれだけもうけているのかを知りたいでしょう。
その情報をもっているのは企業です。
企業の過去情報としての財務情報を参考資料の一つとして投資家は投資を行います。
その投資家の投資判断の参考に資するのが財務報告の目的です。
もちろん投資は自己責任ですが、いい加減な情報しか開示されていなくて、自己責任ではたまりません。
情報の非対称性は完全にはなくならないでしょうが、きちんとした情報を開示してこれを緩和し、投資家が自己責任で投資判断を行えるようにする。
そうすることで市場がうまく機能するというわけです。
このように財務情報の開示システムは、情報の非対称性を緩和し、市場の機能障害を取り除くためのものです。
ここで開示される財務情報のうち、概念フレームワークが重視しているものが何かもあわせて考えておきましょう。
このことは、現在の会計基準を理解するうえでも重要です。
企業が開示する財務情報で概念フレームワークがもっとも重視しているのは、フローとしての利益情報(純利益)です。
投資家は、将来キャッシュフローを予測して企業価値を評価します。
この将来キャッシュフローの予測には、利益情報が広く用いられています。
この利益情報が大事だと概念フレームワークは考えています。
利益をどれだけのストックで生み出したのかという意味ではストックの情報も重視されます。
フローが大事で、ストックを従とみているんですね。
概念フレームワークがディスクロージャー制度をどのようにみているのか(証券市場をうまく動かすための開示システム)。
そして、そこで何がもっとも重視されるのか(フロー=純利益)。
しっかりと確認しておきましょう。
そうだ、会計基準を読もう!(ディスクロージャ制度は、情報の非対称性を緩和する開示システムでフローが重視されてるんだ。)
・会計基準を読もう!<目次>
じゃんけんポンみたいですね。(笑)