包括利益基準、読んでますか。

今回は、包括利益を表示する計算書の話です。
包括利益を表示する計算書の形式には、2計算書方式と1計算書方式があります。


(1)2計算書方式……損益計算書と包括利益計算書

(2)1計算書方式……損益及び包括利益計算書



(1)2計算書方式

2計算書方式は、損益計算書を今までどおりにつくって、包括利益を別の計算書(包括利益計算書)に表示する方式です。

損益計算書には、「当期純利益」が最終値として記載されます。

我が国で重視される利益は、当期純利益です。

当期純利益を表示する方式ですので、収益費用アプローチ的といってよいでしょうか。

このような意味では、損益計算書の最終値が当期純利益である2計算書方式がよさそうです。


(2)1計算書方式

一計算書方式では、いままでの損益計算書の末尾で包括利益を計算し、「損益及び包括利益計算書」として開示します。

一計算書方式では、当期純利益は、計算書の中途で表示され、最終値である利益は、「包括利益」です。

純資産の変動額である包括利益が最終値(通常は大事)ですから、資産負債アプローチ的といえるでしょうか。

1計算書方式では、当期純利益が計算書の途中に表示されるため、最終値である包括利益が強調されすぎてします面があります。

その意味では、2計算書方式の方がよいのですが、国際的には、1計算書方式での決着も予想されます。

1計算書方式には、一覧性、明瞭性、理解可能性等の面で優れている面があります。


現状では、両方式とも国際的に認められており、基準は、いずれの方式も認めることとしました。

計算書の形式と簡単なひな形(基準で現物をご確認を!)を確認しておきましょう。


そうだ、会計基準を読もう!(包括利益を表示する計算書の方式には、2計算書方式と1計算書方式がある)


会計基準を読もう!<目次>