包括利益基準、呼んでますか?

今回は、包括利益の計算の表示についてです。
包括利益基準では、個別と連結ごとに包括利益の計算の表示を規定しています。

個別上は、当期純利益にその他の包括利益を加減して算出します。

連結上は、少数株主損益調整前当期純利益にその他の包括利益を加減して算出します。


個別上の包括利益 = 当期純利益±その他の包括利益

連結上の包括利益 = 少数株主損益調整前当期純利益±その他の包括利益


個別財務諸表について、適用が停止されています。



個別上の包括利益は、当期純利益にその他の包括利益を加減して計算されます。

ちょっとあれって思いませんか。

というのも包括利益は、「純資産の変動額」だからです。

この定義の仕方と計算の仕方は、異なっています。

あくまでも当期純利益にその他の包括利益を加減して、包括利益を計算する。

定義との違いに注目しておきましょう。



連結での包括利益利益の計算には、次の2つの方式があります。

(1)当期純利益±親会社株主に係るその他の包括利益±少数株主に係るその他包括利益

(2)少数株主損益調整前当期純利益±その他の包括利益


(1)は、いったん、親会社株主に係る包括利益を計算する方法です。

当期純利益からスタートしており、包括利益と当期純利益との関係がより明確です。

(2)は、ある意味では、すっきりしていてわかりやすそうです。

基準が採用したのは(2)です。


そうだ、会計基準を読もう!(包括利益は、当期純利益にその他の包括利益を加減して計算)


会計基準を読もう!<目次>