包括利益基準、読んでますか?

今回は、その他の包括利益についてです。
その他の包括利益は、純利益以外の包括利益を意味します。

典型は、その他有価証券評価差額金(の変動額)です。

その他有価証券の評価益というと少しイメージがわくでしょうか。

つまり、包括利益だけど、純利益でないものが「その他の包括利益」です。



包括利益、純利益、その他の包括利益と3つの利益が出てきました。

三者の関係は、次のように示すことができます。


(1)純利益+その他の包括利益=包括利益

(2)包括利益ー純利益=その他の包括利益


まあ、同じといえば同じですが、(1)は、包括利益の具体的な計算方法と同じです。

純利益にその他の包括利益を加減したのが包括利益です。

(2)は、包括利益の定義に沿っています。

純利益以外の包括利益がその他包括利益です。



基準では、その他の包括利益を次のように定義しています。

「その他の包括利益」とは、包括利益のうち当期純利益に含まれない部分をいう。


具体的には、次のように計算されます。

包括利益ー当期純利益



その他の包括利益の典型は、その他有価証券(の変動額)ですが、その他に繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定などがあります。

ざっくりとは、純資産の部の株主資本以外の変動額がその他包括利益といってよいでしょう。

純利益を重視する立場から、このその他の包括利益は、それほど重要性を持たないといえるかもしれません。

もっとも包括利益が表示されることとなった以上、包括利益、その他の包括利益、そして当期純利益との関係を含めて、しっかりおさえておきましょう。


そうだ、会計基準を読もう!(当期純利益以外の包括利益がその他の包括利益なんだ)


会計基準を読もう!<目次>