退職給付引当金の算定上、年金資産は、退職給付債務から控除します。

非常に珍しい取扱いでもありますので、しっかりさせておきましょう。
損益計算書、そして貸借対照表ともに総額主義が原則とされ、収益と費用、資産と負債（純資産）の項目との相殺は原則として認められていません。

この例外ともいえる項目が年金資産の相殺でしょうか。

年金資産は退職給付の支払いのみに充てられます。

企業がその年金資産を自由に使えるわけではありません。

というかもうやめるからよこせということもいえません。

このような資産を他の一般的な資産と同様に貸借対照表に表示することはむしろ誤解を招く可能性があるというのが基準上の理由です。

したがって、ただ単に退職給付の支払い準備に用いられる預金といっただけでは、相殺表示すべきではありません。

退職給付用○○預金といった預金の例です。

このような預金は、年金資産と異なり、解約して他の用途に利用することも可能ですから、退職給付債務と相殺して表示すべきではありません。

独立した資産として表示すべきことになります。