なぜＪＡＬは「99%減資」を選択しなかったのか？

アゴラに投稿された公認会計士の磯崎哲也さんの記事です。

資本と株式の関係について、JALの減資を例に解説されています。

興味のある方はどうぞ。

いや、しかし図解が上手ですね。

・なぜJALは「99%減資」を選択しなかったのか

Comments

[1. チェリー]

つまり99％減資だと既存株主にとっては株式の価値が減資前と同じのままということですか?

[2. 暮木孝司]

そうですね。
減資（資本金の減少）だけだと状況は何も変らないと思います。
あえていえば、将来、債務超過を解消して配当ができるようになったときのハードルが下がることは下がりますが、現状ではあまり意味はないと思います。

[3. 藤原]

先生こんばんわ。
この問題ですが、自分の中で疑問があります。
既存の株主の持っている株の価値を１００分の１にするには９９％減資後、９９倍の増資をするとできるという旨が書いてあると思います。
そもそもＪＡＬのような債務超過の企業で減資増資を行っても株主資本がマイナスだから１００分の１にならない気がします。
上場企業なら株主資本と株価は関係ないかと思いますが、非上場企業ではどうなのでしょうか？

[4. 暮木孝司]

藤原さん、こんばんは。

これはおっしゃるとおりだと思います。
企業の価値をどう考えるかの問題はありますが、仮に時価に近いベースで債務超過ならおっしゃるとおりでしょうね。
もっともこの場合には、既存株主がかなり得をして、増資を引き受ける人がかなり損をすることになると思いますので、実際に行われるかは微妙ですが。

非上場会社でも事情は大きく変わらないと思います。
ただ、非上場会社だと材料が少ないので企業の価値を考える場合に純資産を考慮する比率はどうしても高くなってしまうかもしれませんが。

たぶんそこの記述で念頭においているのは、債務超過ではない、株式に価値のある会社ということなんでしょうね。

[5. 藤原]

なるほど。
つまり債務超過の企業は事実上１００分の一に株の価値を薄める方法は無いと見てよいわけですね？
では、債務超過ではない企業で９９％減資後９９倍増資を、実際に行ったケースはありますでしょうか？

[6. 暮木孝司]

実際のことはちょっとわかりません。
取引としては、減資はよいとして（これはやってもやらなくてもほぼ同じですが）、増資の方は既存の株主の価値が薄まるような増資でないと意味がないと思いますので、現実的にあるかは微妙かもしれないですね。

[7. 藤原]

先生こんばんわ。
そもそも減資するような経営状態の悪い企業に９９倍も増資するのは非現実的ですよね。
自分の中でかなり整理できました。
ありがとうございました。