個別問題は解けるけど総合問題が解けない。

そんな声はよく聞きます。

そんなワナに陥らないためにどうすればよいのか。

学習初期の注意点を考えてみました。
結論を先に示しておくと、


「個別問題を総合問題を意識して解く」


これが大事です。



個別問題は解けるけど総合問題が解けない。

そんな声はよく聞きます。

しかし、私自身が「学習者をある程度知っている」場合の印象はこれとは違います。

個別問題は解けるけど総合問題が解けない人はいない。

本当は個別問題も解けていない。

これが私の印象です。



いずれも総合問題が解けないということでは一致しています。

問題は、当人は個別問題は解けるといっているのに、私が個別問題が解けていないとみていることがある点でしょう。

簿記論や財務諸表論では、それほど複雑な計算を行うわけではありません。

所詮は、足したり引いたり、ちょっとかけて割る程度の話です。

資料が小さければ意味などわからなくても、こうする式にいってしまえば解けない個別問題は少ないでしょう。

出題形式が異なる個別問題等が解けなかったり、総合問題になるといきなり手がでなくなるとすれば、必要以上に型にはめすぎていることを疑うべきかもしれません。

もちろんある程度の型にはめることはむしろ必要なのですが、その個別問題にしか役に立たない解法を覚えても意味は少ないです。

回避策としてはある程度初期の段階から総合問題も併用して解いていくことが考えられます。

その方が妙な型にはめて個別を解いても意味がないことに早く気付くでしょう。

しかし、根本の原因はやはり個別問題そのものへの接し方にありそうです。



そもそも個別問題を解くのにどのように対処していればよかったのでしょうか。

それは、典型的な小さな決算整理型の問題などを解く際に解答欄をあまり気にせず、資料→仕訳(ないしは試算表加工)→解答を個別問題レベルで徹底することです。

特に解答要求(解答欄)から答えを探る式の解答を続けていると問題の量が増えたときに急に手掛けにくくなります。

そうならないためには、小さな問題でも仕訳を経由させる習慣をつけておくことです。

仕訳(ないしはそのちょっとした応用)の積み重ねで問題を解けるようにしておくべきなのです。

もっとも実際の本試験では解答要求をみて、戦略的に挑むことは重要です。

しかし1年近い学習の中でそれを意識するのは直前期のせいぜいが3分の1程度の期間で十分なハズです。

その期間までは愚直に仕訳(財表では+表示科目・場所)の強化に邁進していれば、問題の大きさで絶望的な落差を感じなくて済むはずです。

小さな問題を仕訳を軸にしっかりとく。

初期の学習でこころがけて欲しいことです。


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