簿記の学習ではくり返すことが大きな意味を持ちます。

くり返しの学習は不可欠でしょう。

しかし、その時に意識しておかなければならないことがあります。
それはその「効果」です。

くり返すことで効果が出ているのかいないのか。

それをざっくりでもよいので実際に確認していくことが重要です。

そのときに意識したいのが、まとまりの大きさです。

どの程度のまとまりの大きさで反復を行うかがとても重要なのです。



たとえば、「田」という漢字を覚える場合に、タテ線だけを引き続ける行為に意味はありません(←随分簡単な字ですな)。

「and」という英単語を覚えるのに「a」だけを書き続けてもいつまでたっても覚えることはできないでしょう(←随分簡単な単語ですな)。

つまりは単位が必要以上に細分されてはマズイのです。

もちろん実際に「|」を引き続ける人などいないでしょう。

しかし、実際の効果が「|」を引いているのと変わらないケースはないとはいえません(あると思います)。



1月に1度を12回(つまりは1年)くり返す。

経験的にはこれでは効果がありません。

間隔があきすぎているのです。

まとまりの単位を大きくしすぎると次に同じことに出くわすのに時間がかかります。

くり返していないという事でもないでしょうが、間隔があきすぎていて、これでは前にやったことを忘れてしまいます。



くり返す単位を余りに細分化しても意味がない。

まとまりがあったとしても次にふれる間隔があきすぎていてはダメ。

つまりは反復すべき適切な範囲の大きさがあるのです。

この大きさは画一的なものではありません。

人によっても違いますし、同じ人でも学習の進行度合いによっても変ります。

ですののでできる人とまったく同じ大きさをマネしてもうまくいかない場合の方が多いハズです。

そのことをまったく考えずに機械的に多くの問題が収録された個別問題集をハジから解いていくのは効果が低いケースが多そうです。

分野をある程度しぼって繰り返せば、比較的短期期間でも学習の効果は必ず出ます。

必ずです。

ただ、その前提には効果を意識することがあります。

学習の効果が出ていないと感じられたら、繰り返しのまとまりが大きすぎたり、小さすぎたりしていないかを検討してみるとよいのではないでしょうか。

そしてそれを微調整していくことが大事ではないかと思います。

くり返す事の意味と無意味。

考える価値はありそうです。



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