もう随分と昔の話になるが、学生時代の恩師の言葉が今でも耳に残る。

「受からない国家試験などない。」

当時は半信半疑だったが、今ではその意味がよくわかる。
「真理は天から降りてくる。」

ある作家の言葉である。

本当の事は、数年、いや数十年という長い時間を経て、はじめて得心する。

しかもまったく唐突に。

そんなことを表現した言葉だろう。

時代の空気とは異なるのかもしれない。

しかし、そんな言葉が歳を重ねるごとに重みを持ってくるという実感が私には、ある。


安直な答えを求める時代の空気は年を重ねるごとに濃くなっているようにも見える。

しかし、真理と呼び得るような本当のことは、ずいぶんと遅れて、本当の意味で納得できる時が訪れるのではないか。

本当に大事なことは遅れて、そしてまるで天から舞い降りるごとく突然にやってくるのである。



税理士試験の科目合格でいえば、毎年、数千の単位で合格者がでる。

何もアメリカ大統領になるとか、プロ野球で3冠王をとるなどという目標ではない。

毎年のように数千という人が合格する試験に過ぎない。

しっかり気持ちを持って、しっかりした方法で臨めば、受からないことはない。

ちょっと答練の点数が悪いとか。

気持ちがのらないとか。

ましてや自分には能力がないとか。

そんな戯れ言をいうヒマがあったら一問でも多くの問題を解くべきだ。

受からないことを考えるヒマがあったら会計基準を読んでいた方がマシだ。

嘆いているヒマなどない。



冒頭の言葉に含意された私に訪れた真理はここに書かない。

ただ、このブログをご覧の読者には残された期間を有意義に過ごして欲しいと心より願う。

そして最後に今、一度、私からの言葉として、冒頭の言を贈りたい。


「受からない国家試験などない。」



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