アメリカは慣習法の国です。

実際の裁判の動きなどでその後の規制等も実にダイナミックに動きます。

ダイナミックなアメリカの分配規制をふりかえり、総括しておきましょう。
アメリカは50の州からなり、会社法が州ごとにあります。

そのためアメリカの会社法ではこうだということがいいにくい面があります。

おおむね支払不能禁止基準、剰余金基準、利益剰余金基準、純利益基準の4つの基準の組合せで規制が行われていたといってよいようです。

アメリカの分配規制の歴史のかなりは「信託基金原理」が支配していました。

そこでは資本金は、分配規制のハードルの意味を持っていたのです。

しかし、その信託基金原理も1977のカリフォルニア州法、1980年(1984年)の模範事業会社法では廃棄されています。

この流れの中では、貸借対照表の株主資本の内訳を基本的に重視しません。

その後、模範事業会社法における分配規制は他の各州でも取り入れられることになりました。



一方でアメリカにおける上場企業が一番多く設立されているのはデラウェアです。

デラウェアでは、いわば欠損状態でありながら配当を許容する純利益基準という進歩的な基準を早くからとっています。

その反面、貸借対照表項目を配当規制に利用しています。

アメリカのすべての州で貸借対照表の資本項目の内訳を完全に捨て去った訳ではありません。

総じていうならば会社の資本政策に弾力性を持たせることを優先しているとはいえそうです。

債権者の保護は会社法ではなく、むしろ個別の債権者との契約で果たす方向性で動いているといってよさそうです。



平成13年の商法及び平成18年の会社法において、アメリカに目が向けられたことは間違いないでしょう。

ある部分は参照し、ある部分は他を参照することで法改正を行った様子がみてとれます。


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