リース会計基準、読んでますか?

リース基準の改定の目玉は、例外処理の廃止です。

この理由はリース取引が出題されたら必ずききたい論点です。
改正前基準における問題意識を記述した31項は注目です。

改正前基準の何が問題かが2つ示されています。


(1)CFが固定されているので、借手は債務を計上すべき

(2)例外処理が大半を占めるのは異常



(1)債務計上は必須

ファイナンス・リース取引はそもそも解約ができないリース取引です。

解約ができない以上、リース期間のリース債務の支払義務は、必ず生じます。

仮に解約して、資産返すよといったとしたら、それでもリース料は払え、というのがファイナンス・リース取引です。

つまりは、リース料の支払いから逃れることはできません。

であるなら例外処理をとってリース債務を計上しないのはまずいでしょう。

ファイナンス・リース取引における最初の処理は、リース資産とリース債務の両建処理です。

このうちの「リース債務」を計上しないことはマズイというのがこの(1)です。

つまりは、リース基準における両建処理では、リース資産を計上しないことよりも、リース債務を計上しないことが問題であることがうかがわれます。

この「リース債務」によりスポットがあてられている点は意識すべきでしょう。


(2)例外処理が大半を占めるのはおかしい

これもあたりまえといえばあたりまえです。

一般的にいっても原則処理と例外処理がある場合は、数的にも原則が多くて、例外が少ないのが自然です。

ところがそれまでの日本では、ほとんどが例外処理だったのです。

原則処理を採用している会社の新聞記事を読んだ記憶がありますが、原則処理採用が新聞記事になること自体、基準の適用がゆがんでたることを示していたといえるでしょう。

そもそも複数の会計処理を認めるのは、複数の会計処理を認めた方が何らかの意味での企業活動の実態を正しく示すからです。

どこもかしこも例外処理では、実態に応じた会計処理が行われていたためではないのは明らかです。

むしろ他の理由(簡単、税務上等)によって一律に近い形で特例処理が行われていたというのが本当のところでしょう。


そうだ、会計基準を読もう!!



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