日本の制度になじんでいるとアメリカのたとえば、欠損でも純利益から配当できるなどという状態はよく意味がわかりません。

しかし、ある制度の存在を考えると少しその理由が見えてきます。

その制度が優先株式です。
優先株式にもいくつかの種類が考えられますが、ここでとりあげたいのは配当優先株式です。

その多くは議決権を伴いません。

議決権の伴わない配当優先株式。

アメリカでは、このタイプの優先株式が古くから発達しています。

アメリカでは、債権者と株主との間の利害調整の問題よりも、優先株主と普通株主の利害調整の問題の方が大きいともいえるようです。



議決権のない配当優先株式。

これは普通株式よりもむしろ社債に近いというべきでしょう。

特に一定の配当を約束し、その配当ができなかった場合は、その不足分をカウントして、その穴埋めができるまで普通株主に配当できない制度(累積型)をとった場合、社債との近似はより強まります。

社債の利払いはあらかじめ約束されたものですから、仮に欠損だろうが、会社が利息を支払わなくてよいことにはなりません。

優先株式が社債に極めて近い性格を有しているとするならば、優先株主に対してもこれに近いことがいえるハズです。

この優先株主に対して、資本剰余金を配当する制度は、一般の株主に資本剰余金を配当する制度とは区別して考える必要があるでしょう。

アメリカでは(普通株主に対しても)資本剰余金の配当を認める州が多いようです。

しかし、その背後にこのような優先株主に対する資本剰余金の配当実績があったともいえるかもしれません。



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