アメリカは50の州にそれぞれ会社法があり、それぞれに分配規制を持っています。

その規制は実に様々ですが、いくつかの類型もみられます。

そのうちの一つ、剰余金基準についてです。
多様なアメリカにおける分配規制のうちの一類型が剰余金基準です。

剰余金基準は、支払不能禁止基準とともに19世紀にすでにその萌芽はみられました。

アメリカには、日本の準備金に相当する制度がありません。

したがって、アメリカにおける剰余金基準は、資本金を分配しない基準といってよいでしょう。

むしろ規定の仕方としては、資本金を割り込むような分配を禁ずるという形が多くなっています。

その意味で剰余金基準は、資本減損禁止基準などとも呼ばれます。

典型的には、

(1)資本金を損なっている状態での分配を禁止する

(2)資本金を損なうような分配を禁止する

という2つの内容からなるといってよいでしょう。

剰余金基準も支払不能禁止基準とともに早期の分配規制にも散見されます。

単純に剰余金基準といってしまうと資本剰余金の配当も可能ということになります。

アメリカにおいて資本剰余金概念が確立したのは20世紀初頭(1930年あたり)の話で、それ以前の剰余金基準は、資本剰余金概念が明確になった上でのものとはいえなかったようです。


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