誰しも悩まされる単純ミスの回避策。

いくつか考えてみました。

(1)基礎項目の習熟を高める

処理の精度が高まれば単純ミスは減ります。

難解な項目があるとそれに目を奪われて、他の項目に意識がいきにくくなり、単純ミスを誘発する事は多いのでその回避策として処理精度を上げておくのは重要です。

この場合、精度を上げるのは、答練ではじめて出てくるような難解な項目ではなく、いつもでてくる「基礎項目」です。

難解な項目の処理精度はそもそもなかなか上がりませんが、基礎的な項目の処理精度ならこれを上げることができます。

どんなに酔っぱらっていたとしても2+3?と言われて、問いを聞き取れさえすれば、6とは答えないハズです。

酔っぱらった状態で簡単な問題を解くなんていうことを試しにやってみるのも面白いでしょう。

自分のミスしやすい項目を少しつかめるかもしれません(←あくまでも余興ですが)。




(2)マーカーを活用する

単純ミスの多くは問題をしっかりと読んでいないことから生ずるので、問題をしっかり読むのがその対策です。

ただ頭でしっかり読もうと思っても実際にしっかり読めるとは限らず、具体的にどうすればよいかも一つではなく、複合している可能性が高いです。

でも、マーカーやアンダーラインをしっかり引くのは経験的にはかなり効果があります。

そもそも動作が伴うので読む速度が遅くなるのが大きいようです。

マーカー等をしようとしながら読むことでどこが重要か、ここは計算でやっちゃいそうだなどという意識も働くのかもしれません。

現実に手を動かすことの効果もあるようです。

大事なのは、マーカーを引くというより、ちゃんと読むためにマーカーを引く感じであって、マーカーはおまけに近いです。

マーカーを引く(3割)、きちんと読む(7割)といった感じでマーカーを引きながら読んでみてください。

マーカーをきれいに引くことに意識がいってしまっていると、たぶんきちんと読めていません。

定規をあてるのは、意識が作業にいきすぎるからダメかもしれません(これも個人差等があるかも)。



経験的にもただ眼で活字を追っているよりも、マーキングをしながらやそれを書き写したり、ワープロに打ち込んだりしている方が、明らかにしっかりと文章が読めます。

試験中に問題を書き写したり、ワープロ打ちはできません。

マーカーか、アンダーラインがよいでしょう。

読むだけに限定すれば、引いたつもりで軽くなぞってみるだけでもただ眼で追うときよりもしっかりと読めるのではないかと思います。

その意味ではマーカーは多い方がよいです。



また、マーカーの効用は、後でそこが浮き立つ点です。

実際に問題を読んでいるときでなく、後でそこに目がいって、危うく間違いを回避するということもあるかもしれません。

そのためには、マーカーは少ない方がよいです。



つまり、マーカーの多い少ないは、何を重視するかで効果が逆に出てしまうのです。

文章を読む段階でのマーカーは多い方がよく、後でそこを見返す可能性を考えると少ない方がよい。

結局、どの程度、マーカーをするのがよいかは一概には言えません。

問題にどの程度マーカーするかは人様々です。

問題をマーカーを意識しながら(実際に軽くなぞる感じで)読み、重要な指示には下線のマーカー、重要な語句には太いマーカー等と使い分けるあたりがよいかもしれません。

マーカーの使い方も理想的なマーカーの使い方があるなどと思わない方がよいです。

他人のやり方はあくまでも他人のやり方にすぎません。

とりあえずマーカーを使いながら、その後に引き方を自分で微調整していく方がよいです。

かなり完成された他人のマーカーの仕方をそのままマネするのは、経験的にもよくないです(もちろん部分的にとりいれるのはオッケーです)。

方式をまるごとまねるとそこから変化させるのがやりにくかったり、億劫になったりして、それ以上の効果が見込めなくなってしまいます。




(3)メモの仕方を工夫する

人の記憶はあてになりません。

こうしようと思っていても、後で忘れてしまいがちです。

それを回避するためには、メモを活用すべきでしょう。

たとえば、本支店の商品の未達取引分を期末商品に加算し忘れる。

そんな間違いが続くのであれば、資料の期末商品に<+100>といったメモ書を習慣にしてしまうのがよいでしょう。

月数按分を間違えることが多いようであれば、いったん<×9/12>といったメモ書を問題用紙にしておくとよいでしょう。

こういうメモ書は、後で見返すときの参考にもなります。

メモ書の仕方もただ人のマネ(講師のメモ書も含みます)をしていてもうまくなりません。

実際に間違えたらどうメモすれば回避できそうかといった感じで自分でメモ書の改良を重ねる方が後の効果は高いようです。

変でも何でもいいんです。

自分で実際にやってみることが大事です。

そして微調整を重ねる。

もっとも間違いが多い項目について友人などにどう回避しているかを聞いて、そこからヒントを得るなんてのはグットです。




(4)間違いの傾向を把握する

間違いの傾向を把握すればそこに意識がいきますのでミスも減るハズです。

そのためにはミスノートのような間違い集をつくるのは効果があります。

ただ時間もかかります。

はじめから自分の間違いや欠点を把握しようと意気込みすぎるとイヤになってしまう場合もあります。

自分にとってムリのないスタイルをとるようにしましょう。

問題を解くさいに、同傾向のミスを誘発しやすい問題を解く間隔が開くとそのまま延々と間違いつづけます。

これは冗談でも何でもなくて、たとえば月に1回程度であると何回でも同じ箇所を間違い続けるなんてことは現実にあるのです。

しかも本人が気づいていないケースさえあります。

これではどうしようもありません。

それを回避するにはやはり同じ問題をしっかりと解き直す必要があるでしょう。

さすがに同じ問題をとけばよく間違える箇所はわかります。

もちろん前回解いたときの問題の解き方的な記憶に頼ってはいけません。

あくまでも解くときには問題と自分の持っている一般的な知識で対処するようにしていれば、同一の問題を繰り返しといても学習効果もきちんとあります。




実行可能で効果のありそうな単純ミス防止法。

ぜひ実行してより効果のある方法を模索してみてください。



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