モン吉:「あーあっ。会計基準がいっぱいあって大変だな。」

講 師:「そんなにこれ見よがしにいわなくてもいいじゃないか。」
モン吉:「でも先生の受験時代は企業会計原則くらいだったんですよね。それが今じゃ会計基準がわんさか。これじゃやってられないや。」

講 師:「そんなにぼやかないでよ。確かに範囲が広がって大変だからある意味では要領よくやらないとダメかもしれないね。」

モン吉:「どうすれば要領よくやれるんですか?」

講 師:「それはとてもいい質問だね。僕は会計基準に共通する考え方を知ることが大事だと思うんだ。」

モン吉:「あーっ。それはもしかして概念フレームワークのことですね。」

講 師:「ご名答。」

モン吉:「先生はまるで概念フレームワークをつくった人の回し者みたいですね。」

講 師:「それが役に立つと思うからいってるのさ。まあ、回し者で結構だよ。」

モン吉:「開き直られるとちょっと困るなあ。」

講 師:「僕と付き合う以上、もうあきらめてたくさんの会計基準も読む。概念フレームワークもしっかりとやる。それしかないよ。」

モン吉:「(しぶしぶと)は〜い。」



モン吉:「そういえば先生は、新しい会計基準は概念フレームワークを参照してつくってるっていってましたけど、金融商品会計基準なんかが最初にできたのはもっと前ですよね。」

講 師:「おっ、いいところに気がついたね。概念フレームワークができたのが2006年でたとえば金融商品会計基準が1999年だから概念フレームワークの方が随分と後になるね。」

モン吉:「でもどうして概念フレームワークは基本的な考え方なのに新しい会計基準が先にできて、後から概念フレームワークができたんですか?」

講 師:「これもするどいね。もともと日本の会計のルールはかなり世界的にみてローカルだったっていっていいと思うんだ。」

モン吉:「日本独自ってことですね。」

講 師:「そうだね。特に金融の国と国との垣根が高かったときはそれでもよかったかもしれないけど、垣根が低くなって会計のルールが日本独自だといろいろまずいことがでてきたんだよ。」

モン吉:「どんなことですか?」

講 師:「例えば、日本独自の会計基準で財務諸表を作成している企業にお金を貸すときに金利を上乗せするなんてことが実際にあったんだ。」

モン吉:「えっ、日本の企業が日本のちゃんとした会計基準に従ってるのに、ですか?」

講 師:「そうなんだ。さすがにそれはまずいということでルールのうちすり合わせのできるところ、重要なところを先に改正したっていう感じじゃないかな。」

モン吉:「ルールの改正が現実的に必要だったんですね。」

講 師:「そうだね。処理の変更が必要な現実があった。それが先なんだ。そのことは知っておく必要があるかもしれないね。」


モン吉くんと学ぶ概念フレームワーク(5)