なかなか財務諸表論の理論にアプローチするのに苦しんでいる方も多いようです。

学習成果のあがりにくい「理論」。

その理論の正体について考えてみました。
そもそも理論(○○学)って何でしょうか?

なかなか正面切って問われるとたぶん答えにくいのではないかと思います。

それほど難しい話を想定している訳ではありません。

でも理論の正体を少し考えておくと自ずから学習方法も見えてくるように思います。



理論は、「筋道の通った話のまとまり」です。

筋道が通った説明の体系、それが理論です。

ちょっと要素を分解して考えてみましょう。



(1)筋道を通す

理論は筋道の通った合理的な説明のまとまりです。

まず大事なのは筋道を通すことでしょう。

しかし、経験的には、これがなかなかやっかいなようです。

その大きな原因は、これまで知識の量に目が向いている方が多いからというのが漠然と感じていることです。

一問一答に代表されるような表面的な知識をたくさん身につけること。

こんな知識の量を増やすことも大事です。

それまでの学校(高校まで)の試験などでも知識の量が重視されてきたといってよいかもしれません。

しかし、表面的な知識の量を増やすことと個々の知識をつながりを持って理解することは、大きく異なります。

それをきちんと自覚し、練習しないといつまでたっても知識の質が向上するようにはなりません。

しかし、それが案外とやっかいです。

筋道をきちんと通すことが意外にやっかいであることは自覚しておく必要があるかもしれません。



(2)まとまり(体系)であること

もう一つの大きな特徴は、それが一つのまとまりをもっていることです。

まとまりを体系と言い換えた方がよいかもしれません。

体系と呼ぶには単に個々の知識がバラバラに存在していては意味がありません。

多くの知識が相互に関連を持ちながら一定の体系をもって存在する。

この体系は、丸ごと飲み込むことができません。

一つ一つの知識を理解するのにも労力がいるのに知識の体系をそれほど簡単に習得することはできないのかもしれません。



これまでに他の分野でもよいですが、きちんとした理論学習の経験がない場合には、当面の間、重視されるのは、(2)体系ではなく、むしろ、(1)筋道を通すことでしょう。

というよりも(2)体系をいきなり受け止めるのは難しいです。

個々の知識を筋道を追いながら身に着け、それを体系化していく以外に理論を身につける方法はないかもしれません。

理論(体系的知識)を身につけるためにそれではより具体的にどうすればよいのか。

それは、それまでの個々の経験(読書経験や考える習慣の有無等)や能力にも大きく左右されるでしょう。

とはいうもののどうすれば筋道を追えるようになるのか。

どうすれば体系的な知識が身につくのかの具体的な方策も考えていきたいと思います。


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