簿記論や財務諸表論の学習においてもできるだけ仕訳を経由することを推奨しています。

自ら説明するときも仕訳(勘定記入)でいければまず仕訳を考える。

会計基準がいくら増えても同じです。
最近は年のせいか以前よりも人の名前がパッと出てこなくなりました。

いや、まだ若いですよ。

まあ、青二才です(←意味違うでしょ)。

でも、ちょっと固有名詞がヤバ目で(ちょっとだけです)、さびしい限りです。

これが学習上のことであれば単にさびしいと嘆いていてもはじまりません。

どうにかして手をうたないとまずいです。

手は一つとは限りませんが、その一つができるだけ仕訳で考えることです。



仕訳を経由した学習の強みは核となる知識にブレが少ない点です。

仕訳は単純にいえば5区分の組み合わせにすぎません。

とてもシンプルですが、シンプル故に、理解した仕訳の定着度は高いハズ。

その定着の度合の高い仕訳を経由した理解が可能ならその理解(知識)の定着の度合も高いハズです。

仕訳を経由する学習の強みはここにあります。

逆に他のしっかりした知識とつながりのない孤立した知識は、私が固有名詞を忘れてしまうようにどんどん忘れていきます。

これは怖いです。

それを防ぐには反復となる訳ですが、量の限界もあるでしょう。

忘れにくくするために単に反復をこころがけるだけでなく、自分の中にあるしっかりした知識とつなげることが大事なのです。



仕訳を経由した学習は、自然にできるのであればそれにこしたことはありません。

しかし、こころがけていないとなかなか難しいようです。

ある問題を解くのに数字の計算だけでいける。

それなのにわざわざ仕訳とのつながりを考える必要があるのか?

そんな疑問もあるかもしれません。

しかし、対時間効果の問題を考えてもある程度以上の期間でやがては逆転します(印象的には、学習期間が1〜2月程度の分量が境界ではないでしょうか)。

人がすべてのことを覚えていることができない以上、忘れにくい方法を模索すべきでしょう。

簿記で誰でもできるハズの効果の高い学習法の一つ、それが仕訳を経由する学習法です。




ちょっと思いつくだけでも次のような項目では、絶大な威力を発揮します。


(1)株主資本等変動計算書

これは、純資産の部の表示がしっかりしていれば、仕訳だけでいけます。

むしろ単独の作表として解いてしまうとかえって課題が増えてしまい厳しいです。

貸借対照表や損益計算書、キャッシュ・フロー計算書も同様です。



(2)特殊仕訳帳

とても苦手な方の多い特殊仕訳帳。

これも仕訳でおえる範囲の学習で通常は合格ラインまで乗せられる出題がほとんどです。

逆にいえば、仕訳をからめない独特の論点は無視すればいいんです(細かい帳簿の記入方法等)。



(3)商品販売

商品販売や特殊商品販売もきちんと仕訳を経由して考える習慣がついていると問題の出方等で迷うことが少なくなります。

商品販売や特殊商品販売で迷うケースの多くは、出題の変化に惑わされているだけで、出題の状況を冷静に読み取れれば、問題はかなり手掛けやすくなっているハズです。

その分岐は、やはり仕訳にあるといってよいでしょう。




これまで仕訳を意識せず、ガツガツと問題が解ければいいやと思っている方も少なくないでしょう。

まだ試験まで時間がある今、ちょっとずつ学習のスタイルを見直していくことは決してムダにはなりません。

今一度、簿記の基礎、「仕訳」にかえってみませんか?



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