先日ご紹介しました脳を活かす仕事術

そこに出てくるのが感覚系と運動系の話です。

おおざっぱには、入力と出力の脳の働きといってよいですが、簿記学習との関係をちょっと考えてみました。
簿記学習では、出力(アウトプット)の重要性が説かれることが多いです。

もちろん出力は重要なのですが、入力(感覚系)と出力(運動系)の違いをよく知っておく必要があります。


(1)それぞれの働きは別

脳を活かす仕事術によれば、感覚系(入力)と運動系(出力)の働きは独立しているとのこと。

入力だけやっていてもダメ。

出力だけやっていてもダメ。

別々に鍛えないとダメなんですね。

テキストを読んでいるだけや問題を解いているだけといった偏りがあっても総合的な力はつかないということでしょう。

これは思い当たります。

偏りのある方は注意しましょう。

感覚的には、基礎・応用期では感覚系7割、運動系3割、逆に答練期では運動系7割、感覚系3割あたりがよい気がしています。

もっともこれは必ず個人差がありますので、それを個々に探る感じの方がよいかもしれません。



(2)効果の出方が違う

運動系(出力)の効果は、比例的に出やすい。

でも、感覚系(入力)の効果は、突然、飛躍的にあらわれることがある。

比較的単純な問題を解いたりする効果は、練習に比例してあらわれます。

これも納得です。

感覚系は比例的に効果があらわれるとは限りません。

これはよくわかるんですが、案外むずかしいです。

たとえば、償却原価法(利息法)とキャッシュ・フロー見積法の例で考えてみましょう。

利息法とキャッシュ・フロー見積法の計算構造は同じです(「キャッシュ・フロー見積法」参照)。

ただ、経験的に同じと言われてもピンときません。

同じと言われて、放置した状態だとそのままです。

利息法とキャッシュ・フロー見積法は、それぞれの方法ができるとしても意識の中ではまったく「別々に」存在することになります。

どちらかがどちらかの理解等に影響を与えることはありません。

でも、同じってホントか?

そんな気持ちで接しているとどこかで「あっ」と思える瞬間がきます。

これは必ずきます。

そうすると不思議にキャッシュ・フロー見積法がブレなくなります。

もともとそれぞれの方法の仕組みの話もあるんでしょうが、利息法は比較的ブレにくいです。

ところがキャッシュ・フロー見積法はブレやすいです。

特に2年度目以後の処理が???になってしまう場合があります。

同じようなことはたくさんあります。

それぞれ気づくまでに時間がかかるものの方が後の効果が逆に高いという関係があるようです。

感覚系で時間が効果に比例しないのはこんなところが影響しているのかもしれません。

感覚系の学習では、この時間に比例しない成果を勝ち取るのが重要になってきます。