会社法を解釈する限り、分配可能額の計算上、準備金の要計上額を加味する必要はありません。

今回は、会社計算規則を読む上で誤解の生じやすそうな178条について考えておきます。

というか私がどう読めばよいのかわからなかった条文です。

会社計算規則178条は、剰余金の額の変動に関する規定です。

会社法445条で剰余金の額が規定されていますが、それ以外にも動く(減らす)金額を定めたのが会社計算規則178条です。

より具体的には、会社計算規則の178条1項2号です。

単純には、剰余金の配当をしたら準備金の計上額を引けという規定です。

問題は、そのタイミングでしょう。


<会社計算規則178条1項2号>

最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における準備金の計上額


はじめのいいまわしは、会社法446条六号と全くいっしょです。

<会社法446条六号イ>
最終事業年度の末日後に剰余金の配当をした場合における配当財産の帳簿価額


つまり、配当額+準備金の計上額分の剰余金の額が減るタイミングはまったくいっしょです。

先んじて、準備金の計上額が減る(と考える)余地はありません。



今でもとても読みにくい会社計算規則178条。

あくまでも剰余金の配当が行われたらそのときに計上する準備金の分だけその後の剰余金が減るという規定です。

この規定について書かれた記述だけをみると分配可能額の計算上、準備金の要計上額を引く?と思えてしまうような書籍がありますので、注意して読まないと勘違いしてしまいます。

会社計算規則178条は、効力発生日の剰余金の額の計算には影響しません。

意外な落とし穴かもしれません。