(1)工事損失引当金
工事損失引当金とは、将来の工事損失に備えて設定される引当金です。

(設定時の会計処理)
(借)工事損失引当金繰入××× (貸)工事損失引当金×××

(2)設定額
<工事完成基準による場合>
工事契約の認識基準として工事完成基準を採用する場合には、将来の損失見込額(工事原価総額−工事収益総額)を工事損失引当金として計上します。

工事損失引当金設定額(損失見込額)=工事原価総額−工事収益総額

<工事進行基準による場合>
工事契約の認識基準として工事進行基準を採用する場合には、損失見込額(工事原価総額−工事収益総額)から当期までに工事進行基準によって計上することとなる工事損益を控除した金額(つまりは、将来の損失見込額)を工事損失引当金として計上します。
損失見込額から控除する工事損益は、当期も含めた工事進行基準による工事損失−工事利益で計算できます。

損失見込額−当期までに計上することとなった工事進行基準による工事損益


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建設業会計の会計処理
工事収益の認識基準


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