実は、勉強法マニアです。

今後、簿記会計以外にも勉強法の本などご紹介していこうと思います。

著者伊藤真氏は、司法試験の受験を指導をしているカリスマ講師。

カリスマ講師の勉強法の本です。

簿記や財務諸表論の学習をするうえでちと違うかなという点を中心に考えてみました。

司法試験という最難関の国家試験の受験指導をしている著者だけに説得力があります。

おおむね納得です。

最近の公認会計士試験の動向をみていると公認会計士試験の勉強法とかなり共通するのではないかと思います。

公認会計士試験の受験生の方には特にオススメです。

もちろん税理士試験にも通じます。

気になる見出しをあげておきましょう。



「大量の問題をこなす」のは最悪の勉強法

自分で自分に講義する「セルフレクチャー」の効用

脳を覚醒させるまで、繰り返し反復する

「過去問にはじまり過去問に終わる」の意味

なぜ具体例をメモすることが重要なのか

勉強ではなく、勉強法を教えてもらえ!

「一言で言えない」のはわかっていない証拠

言葉を粗末にすると勉強効果も半減する




一個ずつとりあげても一つの記事にできてしまいそうですが、簿記論や財務諸表論の学習(特に計算)との違いで留意したい点を中心に気になる点をあげておきます。



「大量の問題をこなす」のは最悪の勉強法

著者の失敗談からの教訓としてただ単に大量の問題をこなすのは間違えた勉強法だと断じています。

ここは言わんとすることはとてもよくわかります。

知識の量ではなく、質を高める必要があるからです。

量を追うだけでは決して質を高めることはできません。

しかし、とても具体的な事象を扱う簿記では、具体的な題材なしには厳しいことが多いです。

それと簿記の借方と貸方の位置関係の問題があります。

これは多分に慣れの要素がありますので、問題の量を追わない勉強法をとるにせよほとんど問題と接しない簿記の学習法は考えにくいです。

ここは趣旨は汲み取りながらも簿記では問題を解くことは間違いなく重要だということを再確認しておきましょう。



「過去問にはじまり過去問に終わる」の意味

過去問の重要性は計算科目でも同様です。

ただ、簿記論の第3問や財務諸表論の第3問のあまりに難しい問題と初期の段階から正面きって取り組むのは感心できません。

あまりに難易度が高すぎるからです。

試験の出題傾向を知る上で過去問は外せませんが、ムリに解けるようにする必要はありません。

ある程度の学習が進んだ段階では積極的に過去問を検討すべきですが。

簿記の場合には、「過去問にはじまる」という感じではありません。

これに対し、財務諸表論では、学習の初期段階から過去問をみるべきです。

出題された問題は今年はもう出ないからみなくてよい。

そんな話を耳にすることがありますが、それでは自ら合格の可能性を下げているだけです。

試験の出題形式や傾向を知る上でも必要ですし、財務諸表論の場合ですと昨年の出題者のいずれかは本年の出題者です。

実際の出題者の過去の出題(文章)に触れないのはもったいない以外の何者でもありません。



「一言で言えない」のはわかっていない証拠

超短答問題にも通じますが、対象を一言でいえるかはとても大事だと思います。

これは財表の理論だけでなく、簿記でもそうです。

まず、わかることが重要でそれを確かめるには一言でいえるかを自問してみるとよいかもしれません。

私が本書でもっとも頷きながら読んだ所です。