税理士試験　簿記論　講師日記

税理士試験簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

2008年01月10日23:00

カテゴリ: 簿記論　講座

平成２０年　簿記論講座　１月第２回（キャッシュ・フロー計算書）

【学習時間の目安】
（１）インプット（３時間）
（２）問題演習（４時間）

【要チェックポイント】
（１）直接法と間接法による基本的なキャッシュ・フロー計算書の作成の考え方を理解しておこう
（２）キャッシュ・フロー計算書のおおまかな区分をおさえておこう

【概要】
（１）キャッシュ・フロー計算書
（２）資金の範囲と対象取引
１．資金（現金＋現金同等物）
現金………………手許現金と要求払預金（普通預金、当座預金等）
現金同等物………換金が容易で、価格変動リスクを負わない短期投資（定期預金等）

２．対象取引

【キャッシュ・フロー計算書の仕組みと区分】
（１）キャッシュ・フロー計算書の仕組み

（２）キャッシュ・フロー計算書の区分
Ⅰ　営業活動によるキャッシュ・フロー
Ⅱ　投資活動によるキャッシュ・フロー
Ⅲ　財務活動によるキャッシュ・フロー
Ⅳ　現金及び現金同等物に係る換算差額
Ⅴ　現金及び現金同等物の増加額
Ⅵ　現金及び現金同等物期首残高
Ⅶ　現金及び現金同等物期末残高

【直接法によるキャッシュ・フロー計算書】
（１）直接法によるキャッシュ・フロー計算書の作成方法
（２）直接法によるキャッシュ・フロー計算書の様式
Ⅰ　営業活動によるキャッシュ・フロー
営業収入
原材料又は商品の仕入による支出
人件費の支出
その他の営業支出
　　小　計
利息及び配当金の受取額
利息の支払額
損害賠償金の支払額
………………………
法人税等の支払額
　営業活動によるキャッシュ・フロー

【間接法によるキャッシュ・フロー計算書】
Ⅰ　営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前当期純利益
減価償却費
貸倒引当金の増加額
受取利息及び受取配当金
支払利息
有形固定資産売却益
売上債権の増加額
棚卸資産の減少額
仕入債務の減少額
……………………
　　小　計

※以後は、直接法と同様

【チェック問題】オススメ度（◎→○→△、※は参考）
用意できていません

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コメント一覧 (12)

- 1. ことら
- 2008年01月11日 23:57
- 今晩は。
  
  間接法の場合ですが、営業取引によるキャッシュフローのところで、営業外損益、特別利益・損失を調整しますが、為替差損益に関しては営業債権･債務にかかるものは調整しないと学習しました。
  
  売上債権や仕入債務の増減で非キャッシュの損益が調整されるからと理解していますが、仕入割引、売上割引も同様でしょうか。
  他に考えられる取引としては貸倒損失、貸倒引当金戻入なんかも可能性ありそうです。
  他には何かありますか。
  よろしくお願いします。
- 2. 講師
- 2008年01月12日 23:12
- ことらさん、こんばんは。
  
  仕入割引、売上割引、貸倒損失は同様だと思います。
  貸倒引当金関連は、引当金の増減での調整だと思いますが、理屈は一緒ですね。
  
  売上債権や仕入債務に限定しなければ、商品かがらみの棚卸減耗損や評価損、営業費に係る経過勘定項目なんかもそんな感じではないかと思います。
- 3. ことら
- 2008年01月13日 19:12
- ご回答ありがとうございます。
  
  商品に係る営業外費用、特別損失、確かにそうでした。
  納得です。
  
  営業費に係る経過勘定項目というのが、思いつかないです。
  経過勘定項目というと、未払費用・前払費用の増減で営業活動によるキャッシュ・フローのところで調整されるということは解るのですが、営業外費用、特別損失としてどんな勘定科目が発生するのか、イメージできないです。
  これって、簿記の基本がわかってないということでしょうか。
  すみません、お手数かけます。
- 4. 講師
- 2008年01月14日 23:53
- ことらさん、こんばんは。
  
  「営業費」に係る経過勘定項目ですから、そもそも営業外・特別の調整はいらないですね。
  間違えました。
  減耗損・評価損を出した時点でただの類似項目に流れてしまいました。
  減耗損・評価損は、営業外・特別にいく場合がありますので、いいですが、営業費の経過勘定項目は余計でした。
  
  大変失礼いたしました（ことらさんは簿記の基本オッケーです。はい。）。
- 5. ことら
- 2008年01月17日 05:52
- お返事ありがとうございました。
  了解しました。
  
  最近演習問題解いて感じることは、基本がきちんと理解できていないのか、ちょっとひねった問題になると、何をやったらいいのか解らなくなってしまうということです。
  
  演習レベルの仕訳でも、即座に頭に浮かばないこともあり、えーっと、と考えてしまいます。
  
  わかっているつもりでも、実は理解できていない、つまりパターンで問題といているのかも、ということです。
  
  なるべく理解を心がけていますが、これが結構時間がかかり、苦戦しています。
  
  キャッシュフロー計算書、間接法も、税引前当期利益からキャッシュフローを導き出すという考え方、わかっているようで、ぼんやりとした理解で終わっているような気がしたので、枝葉末節なことかもしれませんが、質問させていただきました。
- 6. 講師
- 2008年01月17日 23:55
- このブログでのやりとりからいって、ことらさんに理解不足の点が多いというのはかなり予想外です。
  むしろ、実践的な演習が不足しがちなのかと思っていました。
  ただ、理解と実践（演習）は車の両輪のようなものでしょうからどっちも必要なんでしょうね。
  私も自分のひねりには強いんですが、人のひねりには弱かったりするんで安心です。
  その場合、他の人はできるんだろうか？
  そんな視点も必要かもしれませんね。
  
  キャッシュ・フローの間接法はとてもよい着眼だと思います。
  おかげ様で全然関係ない論点に（勝手に）思いいが及びました。
  私自身、ちょっと細かいなあと思えることが実際の本試験で役にたったこともありますので、また、何かありましたらお気軽にお声をかけていただければ幸いです。
  お仕事も大変でしょうけど、がんばってくださいね。
- 7. ことら
- 2008年01月19日 10:02
- アドバイス、ありがとうございます。
  “理解と実践は車の両輪のようなもの”正にそうですね。
  わかっているつもりでも、演習が不足しているから結果に結びつかないのかも知れません。
  
  年内の演習は、それなりの成績でクリアできたので、冬休みに直前期の難易度の高い答練の解き直ししてみたのですが、難しいところはやっぱり歯が立たなかったです。
  時間も制限時間内ではとても終わらないし、遣り残したところに、点数拾えるところがいっぱい残っていたりして散々でした（難しい答練の受け方完全に忘れている？）。
  何が不足しているのかなと考えてみたら、やはり深い理解に至っていないのが原因ではと思った次第です。
  
  今は基本的な問題を精度を上げて解答し、繰り返し解くことにより、理解もスピードもいずれはついてくると考えていればいいのでしょうか。
- 8. 講師
- 2008年01月20日 00:18
- 直前の模試に関しては、難易度が異常に高いものがありますので、その場合は、捨て方と取り方の練習的な意味があるんだと思います。
  深い理解に至っていないから解けない問題と解けなくてよい問題があると思うんですが、その区別が難しいですね。
  ここ２年の第２問には、解けなくてよい問題が含まれていると思います。
  
  受験生の正当率との関係でいうとこんな感じではないかと思います。
  （１）５％以下→解かなくてもよい
  （２）５～２０％→解けなくてもよい
  （３）２０～５０％→解けた方がよい
  （４）５０％以上→解けないとダメ
- 9. 講師
- 2008年01月20日 00:21
- 実際の試験では、たぶん（４）を完答、（３）を半分程度、（２）をちょっとだけ拾う感じで受かるのではないかと思っています。
  
  ただ、各問の実際の正当率はわかりませんので、大事なのは、あまりに低い正当率のものには手をかけない（時間をかけない）。
  正当率の高い問題は間違えてはダメということなんだと思います。
  そこの検証は、現時点の初見の総合問題でもやるべきだと思います。
  
  その実践練習は春先くらいからで充分だと思います。
  ただ、そのことはある程度、念頭において、今は、基礎的な問題（個別と３０分程度の総合）の精度をあげることが一番よいのではないかと思っています。
  基礎的な問題を解き方を変えたりしながらいろいろ試して解いてみてくださいね。
- 10. ことら
- 2008年01月21日 09:33
- ありがとうございます。
  大変参考になりました。
  
  当初ぶっちぎりにできるようになって、本試験に自信を持って臨もうと考えていたのですが、自分の置かれた状況下等考えると、ちょっと無理なような気がしてきました。
  
  だから、基礎的なところを漏れなく押さえ、解答できるところを問題から見つけ出す技術を養い、そこをあわてず騒がず、落ち着いて答えをだす。
  これがいつも確実にできるようになって、本試験に臨めるようにしようと思います。
  
  また不安になったら相談させてください。
- 11. 講師
- 2008年01月21日 23:29
- ことらさんの能力なら環境（時間の確保等）次第でぶっちぎりも可能だと思います。
  ただ、お話をお聞きした限りでは、ちょっと時間的に厳しいかなあと。
  そして大事なのは環境的に可能でも常に問題の全部を解くカタチでのぶっちぎりは目指すべきではないという点です。
  その方が合格の可能性は高くなると思います。
  
  これまで私が指導してきた受講生の中でも頭一つ抜け出ていた方に直前答練（と本試験）でしたアドバイスは、学者出題の総合問題などでできそうでも１つ以上は飛ばした方がよいというものでした（満点を狙わない）。
  無事、簿財を合格後、公認会計士試験を目指し、合格後、今は監査法人に勤めています。
- 12. 講師
- 2008年01月21日 23:35
- とてもいい質問をする方で真剣に考えていくつかの質問に答えた事を覚えています。
  こちらが鍛えられるような質問です。
  
  その方と同じ内容の質問をことらさんからいただいている以上、問題への取り組みについても同じアドバイスをすべきなんだろうと思っています。
  １個は飛ばす。
  初見の問題のときは、制限時間内完答が可能でないかぎり、こころがけた方が、不思議といい結果につながるように思います。
  
  また、何かありましたら遠慮なくおっしゃってくださいね。
  ムリをせず、でも、がんばってください。