(対照勘定法の決算整理仕訳)
講 師:「対照勘定法の決算整理仕訳はどうかな?」

モン吉:「これは、一般商品販売のシークー・クーシ(仕入/繰商、繰商/仕入)の2行目の仕訳と同じです!」

講 師:「そうだね。回収していない部分はまだ売れていない。売れていない部分は在庫と考えるんだね。」

モン吉:「具体的な金額の計算はどうするんですか?」

講 師:「回収していない部分、つまり、未回収部分の原価を出すんだよ。」

モン吉:「未回収部分は対照勘定の残高ですね。」

講 師:「そうだね。商品を引き渡したときに対照勘定をたてて、回収したら逆仕訳で消すから、対照勘定の残高が未回収の金額なんだ。」

モン吉:「対照勘定の残高は売価でした。」

講 師:「計上するときが売価だからね。これを原価にしないと。」

モン吉:「どうしたら原価になるんでしたっけ?」

講 師:「この事例だと40円はすぐにだせると思うけど、対照勘定残高に原価率をかけるんだ。」

モン吉:「対照勘定残高は売価なんで、これに原価率をかけると原価に戻るんですね。」

講 師:「そうだね。その金額でクーシー(繰越商品/仕入)の在庫をたてる仕訳をすればオッケーさ。」

モン吉:「そうするともし、期首残高があったら対照勘定法での決算整理仕訳は通常の商品販売と同じ(仕入/繰越商品)ですか?」

講 師:「そうだね。まったく同じだね。ただ、繰越割賦商品って一般の繰越商品と勘定をわける場合の方が多いかな。」

モン吉:「そこは試算表の科目をよく見ないといけないですね。」

講 師:「試算表の対照勘定(貸借同額)と繰越商品(繰越割賦商品)には充分注意してね。」

モン吉:「はい!!」


(対照勘定法の特徴)
講 師:「回収基準の本来の意味合いは回収時点で収益(売上)をたてることだね。」

モン吉:「文字どおり、回収基準なんですね。」

講 師:「対照勘定がメモだとして、これを無視すれば、現金の入金で売上をたててるだけだよね。」

モン吉:「そうですね。」

講 師:「対照勘定法は、回収基準=現金基準っていう収益の認識基準に忠実な会計処理方法っていえるね。」

モン吉:「じゃあ対照勘定法だけでいいんですね。」

講 師:「うーん。そうもいえないんだ。」

モン吉:「えっ。どうしてなんですか?」

講 師:「めんどうなんだよ。」

モン吉:「め、めんどうなんて、そんなんでいいんですか?」

講 師:「でもわざわざ1組の勘定をたてて、回収のつどその逆仕訳をきるのは実務的にはめんどくさくてやってられないな。」

モン吉:「売って代金を回収する話だから回数も多いですね。」

講 師:「そうなんだ。そこで実際に利用されているのが未実現利益控除法さ。」

モン吉:「未実現の利益を控除する方法ですね。」

講 師:「そこから意味を広げていけるといいね。」


モン吉くんと学ぶ割賦販売(5)


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